7月17日に引退試合を控える鈴木啓太氏 [写真]=兼子愼一郎
7月17日(月・祝)に埼玉スタジアムで鈴木啓太引退試合が開催される。開催を目前に控え、続々と参加メンバーが発表されている。その中には、かつて浦和レッズに半年間在籍し、サポーターに強烈な印象を残したマリッチの名前があった。
インタビュー=大西 徹
構成=前田カオリ
写真=兼子愼一郎
引退試合に向けた少し抑え気味の準備
——引退試合が間近に迫ってきました。心境はいかがですか?
啓太 不安ですね(笑)。まず、ちゃんと走れるのかっていうこと。体づくりもちゃんとしないといけませんし、引退試合までにケガをしないようにしないと。
——試合まであと2週間。現在、コンディションの仕上がり具合はいかがでしょうか?
啓太 仕上がり具合ですか……現役の頃のつもりでやると、やはりギャップがありますね。フルコートでも何度か試合形式で練習しましたが、自分のイメージとはかけ離れていました(笑)。走ってもそうですし、プレーしても。現役時代と同じトレーニングをしていてはケガをしかねないので、思っているよりも少し抑え気味に、といった感じです。明治大学でアドバイザーをさせてもらっているので、大学の練習の後に少し練習させてもらったりしていますが、ボールを蹴ることぐらいであれば問題なくても、動きが入ってきたり大学生と一緒にプレーしたりするには、なかなか厳しいですね。試合まで2週間、引き続きしっかり準備していきます。
マリッチは尊敬できる最高の仲間
——参加メンバーは、啓太さんご自身が声を掛けられたんですか?
啓太 そうですね。でも、交渉などはレッズの方でやってくださったんです。個人間で話をしていても、現役の選手であればチームスケジュールもありますので、レッズからその選手の所属クラブに正式にオファーを出してもらって。とても大変だったと思います、レッズには非常にお世話になりました。今年に入ってからは引退試合に向けた動きが中心だったんですが、興行として引退試合を行うのはこんなに大変なんだということをひしひしと感じました。
——最近参加が発表されたメンバーの中で、マリッチ選手は反響も大きかったと思います。啓太さんはツイッターでも「尊敬できる最高の仲間」と書いていました。
啓太 今回のレジェンドは、リーグ優勝した2006年とACLで優勝した2007年のメンバーが中心ですが、マリッチは2006年元日の天皇杯優勝に貢献してACLに行くきっかけを作ってくれた大事な選手ですのでオファーしました。彼もすぐに快諾してくれましたよ。短い期間でしたけど、彼とはとても仲良くさせてもらっていたんです。
——そうだったんですね。
啓太 一緒に遊びに行ったりご飯を食べに行ったり、たわいのない会話もたくさんしました。2005年のチームが解散になったのは、2006年1月1日の天皇杯が終わった後でしたが、試合後に優勝パーティーをしようと選手たちで集まったんですね。最後にみんなでいろいろ話をして、みんなはマリッチがチームを去ることを当然知っていたので『日本に残らないの? 他クラブからもオファーは来ているでしょ?』と聞いたんです。そしたら彼は『確かにオファーはもらっている。いろいろ悩んだけれど、自分にとって日本のチームは浦和レッズ以外考えられないんだ』と言ったんです。
チュンソンと一緒に入場してもいいかな(笑)
——結局、マリッチ選手は日本を離れました。
啓太 『日本はいいところだ』とよく話していましたし、日本を離れたいわけではなかったんです。他のチームに行くという選択肢が正しくないのかといえば、決してそうではないですが、マリッチは日本のチームに在籍するとしたら浦和レッズ以外は考えられない、と決断した。彼はそれだけ強烈に浦和のファン・サポーターをリスペクトしていたんだろうな、と思いましたね。SNSでも『マリッチ選手は呼ばないんですか?』という声があったぐらいでファン・サポーターの中でも印象に残っている選手だと思います。彼はファン・サポーターからリスペクトされるだけでなく、浦和はもちろん日本のクラブやファン・サポーターへのリスペクトがあったと感じています。
——マリッチさんとは、10年以上お会いしていないのでは?
啓太 2006年のドイツキャンプのときに宿泊先まで会いに来てくれて、そこで話をしましたね。それ以来になります。
——BLUE FRIENDSの方も豪華なメンバーが集まっています。
啓太 僕はREDS LEGENDSとBLUE FRIENDSの両方で出場予定なんですが、そもそも観客の皆さんにとってBLUE FRIENDSはアウェイチームの扱いなんでしょうか(笑)。REDS LEGENDSの方は、サポーターの方が応援してくださると思うんですが、BLUE FRIENDSはみんなレッズ以外のチームじゃないですか。例えば、俊さん(中村俊輔)がFKでゴールしたとき、みんなは歓声を挙げるのかブーイングするのか……。すごく気になっているので、1人のファンとして、観客の皆さんの反応を楽しみにしておきます(笑)。
——先日、李忠成選手がSNSで『啓太さんと手をつないで入場したい』と書いていましたね。
啓太 チュンソンが本気で言っているなら、一緒に入場してもいいかな(笑)。でも、俺より目立っちゃダメですけどね。チュンソンに限らず、普段の試合でエスコートキッズを見てうらやましく感じていた大人の方もいらっしゃっただろうと思ったので、今回は年齢を問わず募集してみました(※)。選手入場も楽しみですね。
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●いつもスタジアムで会う仲間同士はもちろん、なかなかスタジアムで会えていない、かつてスタジアムで会っていた仲間たちとの再会の誘いや待ち合わせを、SNS上でハッシュタグ #赤い同窓会、 #青い同窓会 を付けて発信してみましょう。
●その結果として、この日の埼玉スタジアムのあちらこちらで、選手たちと同じように、一人でも多くの方に“同窓会”を楽しんでいただきたいという、鈴木啓太氏自身で立案した企画です。
※募集期間はすでに終了しています。
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