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【インタビュー】鈴木啓太が思い描く引退試合「もしもPKを獲得したら?」

2017.07.06

 7月17日(月・祝)に埼玉スタジアムで鈴木啓太引退試合が開催される。浦和レッズOB主体のチーム「REDS LEGENDS」と、啓太と同じ時代に日の丸を背負った仲間たち主体のチーム「BLUE FRIENDS」が対戦する。開催を目前に控え、引退試合の抱負を聞いた。

インタビュー=大西 徹
構成=前田カオリ
写真=兼子愼一郎

点を取らないというのも一つのスタイル

——啓太さんはこれまで、他の選手の引退試合に参加される機会もありました。何か印象深かったことはありますか?

啓太 やっぱり参加選手は、懐かしいメンバーと再会できてうれしいんですよ。引退試合なのでもちろん引退する選手が主役なんですけど、スタジアム全体が楽しめる空間となっていて。ファン・サポーターの方も、きっとそういう雰囲気を理解し、楽しんでくれているんだろうと感じた記憶があります。福田(正博)さんや井原(正巳)さんの引退試合のときは、まだプロに入って数年だったのでそこまで深く感じ取ることはできなかったんですけど、ヤマさん(山田暢久)の引退試合のときには一緒にやっていた仲間が一生懸命プレーしていて、とても楽しかったことを覚えています。あと、結局は引退する人が点を取らないといけないような雰囲気があって、ヤマさんが苦戦していたのも印象深いですね(笑)

——今回の試合での啓太さんのポジションは?

啓太 いつもどおり、ボランチじゃないですかね? 僕は元々ボールを多く触るタイプのプレーヤーではなかったので、うまく休みつつプレーしたいと思います(笑)。ただ、点を取れとは言われそうな気がするので、前に行ったりもするんですかね? でも、今回出場してくれるメンバーには、ゴールして盛り上げてくれそうな選手が僕以外にたくさんいます。僕はそんなに点を取ってきた選手ではないので、引退試合でも点を取らないというのも一つのスタイルなんじゃないかな、と思うんです。僕は、シュートを枠の上に外した方が、皆さんに昔を思い出してもらえるんじゃないかな(笑)

もしもBLUE FRIENDSで出たときにPKを獲得したら?

——シュートやゴール以外だといかがですか?

啓太 サイドチェンジするパスはビシッと通したいなと思いますけど、一緒に出る選手は走ってくれるかな? 自分のプレーで何か見せたいというよりも、一緒にやっている選手たちが輝けるようにプレーしたいな、と考えています。例えば、ロビー(ロブソン・ポンテ)が走らなくてもいいように、その分を僕が走るとか。現役のときに一緒にやっていたメンバーと、当時と同じ感覚でやりたいですよね。だから、ゴールするのはロビーやワシントンでいいんですよ。僕ではなくてね。

——先日、内舘秀樹さんと堀之内聖さんに引退試合に向けての意気込みを伺いましたら、まずはケガのないように、そしてチャンスがあれば少し得点も狙ってみようかな、とおっしゃっていました。

啓太 えー! そうなんですか? ぜひ点を取ってください! そういえば、僕がBLUE FRIENDSで出たときに、もしPKを獲得しちゃったらどうしたらいいんだろう? だって、レッズサポーターの皆さんからしたら、自分たちの応援しているチームのレジェンドたちが点を取られて拍手できないですよね?

——啓太さんは、浦和の男ですからね。

啓太 BLUE FRIENDSでは点は取れないですよね……PKのチャンスが巡ってきても、蹴らずに譲ります。

——そんな大事な場面を他の選手に譲りづらい試合ではないですか?

啓太 そっか。でも他の人に……あ! 駒ちゃん(駒野友一)に蹴ってもらおう(笑)

みんなで楽しい時間を共有しましょう!

——現役を引退したことで、ファン・サポーターの方への気持ちの変化などはありましたか?

啓太 変化はないです。いつでも自分にとってはエネルギーを与えてくれる存在だし、僕は浦和レッズのクラブそのものだと思っています。このクラブはファン・サポーターの人たちのものだなっていうのは、外から見ている今でも思いますし、中でやっているときも僕はそう思ってやっていました。でも、現役を退いてからは自分も少しファン目線で見るようになってきたところがあるので、ファン・サポーターの気持ちが選手時代より分かるようになったような気はしています。

——当日はおそらく背番号「13」のユニフォームを着た方がたくさんいらっしゃると思います。浦和レッズのファン・サポーターへのメッセージをお願いします。

啓太 僕の引退試合のために、多くの活躍された選手たち、現在も活躍されている選手が集まってくれます。今のレッズがあるのも、これまでのレッズの歴史の中で戦ってきた選手たちがいたからこそですし、これだけのメンバーがそろう機会はめったにないことだと思います。僕のプレーだけに期待せず、参加メンバーみんなのプレーを期待してもらいたいなと思います。昔の懐かしいメンバーの顔を見ながら、昔のサポーター仲間やスタジアムでの馴染みの人と一緒に同窓会のような雰囲気を楽しんでもらえればうれしいです。ぜひスタジアムに足を運んでいただき、みんなで楽しい時間を共有しましょう。

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●いつもスタジアムで会う仲間同士はもちろん、なかなかスタジアムで会えていない、かつてスタジアムで会っていた仲間たちとの再会の誘いや待ち合わせを、SNS上でハッシュタグ #赤い同窓会、 #青い同窓会 を付けて発信してみましょう。
●その結果として、この日の埼玉スタジアムのあちらこちらで、選手たちと同じように、一人でも多くの方に“同窓会”を楽しんでいただきたいという、鈴木啓太氏自身で立案した企画です。

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