【土屋雅史氏のJ3展望】栃木vs相模原は、栃木の勝利を予想…栃木はホームで4勝3分1敗の好成績

栃木MF仙石廉はリーグ戦全試合に出場。高精度のキックでゴールを演出する [写真]=J.LEAGUE PHOTOS

■在籍4クラブ目となる栃木で奮闘するプレーメーカー

 ここ3試合は勝利がなく、首位と10ポイント差の4位に付けている栃木が、こちらも4試合勝ちなしで11位と苦しんでいる相模原と、ホームの栃木県グリーンスタジアムで対峙する今節。この90分間からはここまでリーグ戦全試合に出場している栃木のプレーメーカーをご紹介します。

いくつかのクラブを渡り歩きたどり着いた栃木で、J2昇格を目指す日々を送る [写真]=J.LEAGUE PHOTOS

 現在26歳の仙石廉は小学校4年生から柏の下部組織で育ち、各年代でキャプテンを歴任。共にトップチームへ昇格した武富孝介(柏)、酒井宏樹(マルセイユ)、工藤壮人(広島)、山崎正登(Y.S.C.C.横浜)、比嘉厚平に加え、指宿洋史(千葉)、島川俊郎(甲府)、畑田真輝と実に9人のプロ選手を輩出した同期の中でも、高校3年時にスペイン遠征で参加したビジャレアル国際ユース大会でMVPを獲得した仙石は、とりわけ大きな期待を背負う格好で、柏の選手としてプロへの第一歩を踏み出すことになりました。

 ルーキーイヤーの公式戦出場はなし。J2を戦うことになった2年目のシーズンも、大谷秀和や栗澤僚一、茨田陽生が居並ぶボランチのポジション争いに割って入ることはできず、リーグ戦の出場は最終戦の後半アディショナルタイムのみ。翌シーズンは期限付き移籍で、岡山へ新天地を求める決断を下します。

 2011年シーズンも前半戦はほとんど出場機会を得られなかったものの、終盤になって定位置を掴むと、完全移籍となった2012年シーズンはレフティの千明聖典と組んだドイスボランチがチームのスタイルにもハマり、リーグ戦41試合出場で3ゴール3アシストとようやくブレイクを果たします。ただ、昇格争いを繰り広げた以降の2シーズンは徐々にスタメンを外れることも多くなり、2015年シーズンに悲願のJ2昇格を狙う長野へ期限付き移籍で加わると、完全移籍に移行した翌シーズンも含めてリーグ戦20試合以上に出場しながらも、唯一の目標達成には至らず。今年は自身4クラブ目となる栃木で、再びJ2昇格へチャレンジする日々を送っています。

 古巣対決となった前節の長野戦も87分までドイスボランチの一角として奮闘。やや押し込まれる展開の中で、守備面で球際に激しく立ち向かうシーンも多く、長野サポーターが陣取るサイドでのCKでは、ブーイングを浴びる中で左右両方からシュートに繋げる高精度キックも。アウェイでの勝ち点1に貢献したと言っていいでしょう。

 栃木にとって今節対戦する相模原は、1巡目の第10節で開幕から続いていた無敗記録をストップされた因縁の相手でもあり、リーグ戦における過去の対戦成績も1勝1分1敗とまったくのイーブン。好勝負は必至の90分間ですが、今回は栃木が4勝3分1敗と一定以上の結果を残しているホームで、勝ち点3をもぎ取るという「1」で勝負したいと思います。

文=土屋雅史

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※本文中の「1」はホームチーム勝利、「0」は引き分け、「2」はアウェーチーム勝利。

■明治安田生命J3リーグ第18節
2017年7月22日(土)18時キックオフ
栃木SCvsSC相模原(栃木県グリーンスタジアム)

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