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【土屋雅史氏のJ2展望】大分vs長崎はアウェイ長崎の勝利に賭ける…横浜FCvs東京Vは、東京VのGKに要注目

2017.09.15

“元同僚対決”を迎える、大分の片野坂知宏監督(左)と長崎の高木琢也監督(右) [写真]=J.LEAGUE

■“バトルオブ九州”は元同僚の両指揮官に注目

 アウェイに乗り込んだリーグ前節の名古屋戦を1-0で制し、今シーズン初の3連勝で8位に浮上した大分が、こちらは今シーズン3度目となる3連勝でとうとう自動昇格圏内の2位福岡まで1ポイント差に迫ってきた3位長崎と激突する“バトルオブ九州”。このゲームでは大分の片野坂知宏監督、長崎の高木琢也監督という、現役時代はチームメイトだった両指揮官にスポットを当てたいと思います。

 Jリーグ元年はサントリーステージ6位、ニコスステージ5位で年間でも5位と、まさに中位に付けていた広島でしたが、翌1994年のサントリーステージは快進撃が止まらず、鹿島、V川崎に続くステージ優勝を達成します。このチームで不動の左サイドバックを務めていたのが片野坂監督であり、ストライカーとしてチームを牽引したのが“アジアの大砲”と称された高木監督。揃って出場したV川崎とのチャンピオンシップには敗れたものの、まさにコレクティブな戦いぶりでリーグを席巻したこのシーズンの広島を、強く記憶している方も少なくないはずです。

1994年にステージ優勝を果たした広島の原動力となった片野坂監督(左)と高木監督(右) [写真]=J.LEAGUE

 スチュアート・バクスターという名将に率いられていた当時のチームには派手さはないものの、きっちり仕事のできる選手が各ポジションに配されていた印象も。片野坂監督と高木監督はもちろん、松田浩、風間八宏、上野展裕、森保一といったJリーグの監督経験者や年代別代表の指揮を執っている森山佳郎など、のちの指導者がズラリと名前を連ねていましたが、それも頷けるような好チームだったのは間違いありません。

 これまで辿ってきた両者のセカンドキャリアも対照的。現役最後のクラブとなった大分でスカウトと下部組織のコーチを歴任し、以降はG大阪と広島で9年間に渡ってコーチという立場でトップチームを支えていた片野坂監督は、2016年にJ3へと降格した大分の指揮官に就任。プレッシャーの掛かるシーズンで見事優勝を果たし、1年でJ2復帰を決めました。

 一方、引退後は解説者や日本大学のコーチを務めていた高木監督は2006年、コーチに就任した横浜FCで前任者の退任を受け、開幕2節目で急遽監督に就任すると、誰もが驚くJ1昇格を達成。その後も東京V、熊本、長崎と3つのクラブを渡り歩き、今年で監督生活も11年目。決して戦力に恵まれているとは言い難い長崎を2度のJ1昇格プレーオフに導くなど、既に特筆すべき実績を積み重ねています。

 両指揮官の初対戦となった今シーズンの第14節では、90+6分に中村慶太の決勝ゴールが飛び出してホームの長崎が2-1で 劇的な逆転勝利を収め、高木監督が“先輩”の意地を見せる格好になりました。今回はともに3連勝と好調をキープした状況での対戦となりますが、ここはより勢いを感じる長崎がアウェイで4連勝を手繰り寄せる「2」にマークしたいと思います。

■苦労人の“緑の守護神”は、古巣の攻撃を封じきれるか

 4連勝を含む6戦無敗で迎えた前節のホーム松本戦は1-2で競り負け、9位に後退した東京V。今節の相手は、現在4試合負けなしで昇格プレーオフ圏内の6位に再浮上した横浜FCですが、この一戦の注目選手は両クラブに在籍経験を有する“緑の守護神”、柴崎貴広です。

数クラブを渡り歩いた末に正守護神の座をつかんだ東京VのGK柴崎貴広。これまで積み重ねてきた経験をしっかりと生かしている [写真]=J.LEAGUE

 中学時代を横浜FMジュニアユース追浜で過ごした柴崎は、向上高校での3年間を経て、2001年に東京Vへ高卒ルーキーとして加入。当時のチームは菊池新吉、本並健治の元日本代表に加えて、高木義成も居並ぶハイレベルな選手がGK陣に揃っており、他にも三浦淳宏、北澤豪、武田修宏、前園真聖、小倉隆史、中澤佑二とこちらも代表経験者を多数抱えるタレント集団。2年目の2002年にはリーグ戦デビューを果たしたものの、3シーズンでの公式戦出場は2試合にとどまり、2005年には前年から期限付きで加わっていた横浜FCへの完全移籍を決断するも、その年に戦力外通告を受け、トライアウトに参加してFC東京へ。ただ、そのFC東京でも出場機会には恵まれず、2007年には再び東京Vのユニフォームへ袖を通すことになります。

 それでも、さらにそこからの3シーズンも公式戦出場はゼロ。なかなか状況が大きく変化しない中で、ようやく柴崎にチャンスが訪れたのは2011年シーズン。土肥洋一とのポジション争いに勝って開幕スタメンを掴むと、以降も定位置を確保してリーグ戦36試合に出場。プロ入り11年目にして正守護神の座を手にしてみせました。

 2013年には8年ぶりに横浜FCへ復帰し、開幕からスタメン起用が続いたものの、中盤戦以降は出番が訪れず、翌シーズンにはレンタルバックで東京Vへ。ここまでの柴崎は決して多くの試合に出場してきた訳ではありませんが、誰もが評価するその人柄も含めて、コツコツと積み重ねてきた経験が今シーズンは試合の中でフルに生かされている感も。ロティーナ監督が就任し、序盤から昇格争いを繰り広げている東京Vで、ここまでキャプテンの井林章とともに全試合フル出場を継続しており、最後尾からチームに安定感をもたらしています。

 2ポイント差で6位の横浜FCを追い掛ける東京Vにとって大事な今節は、前述したように柴崎にとっても2度に渡って所属していた古巣との対戦であり、三ツ沢のサポーターにも成長した姿を見せたい所。好ゲーム必至の90分間は、拮抗した実力を現わすようなドロー決着予想の「0」で勝負します。

文=土屋雅史

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※本文中の「1」はホームチーム勝利、「0」は引き分け、「2」はアウェーチーム勝利。

■明治安田生命J2リーグ第33節
2017年9月16日(土)19時キックオフ
大分トリニータvsV・ファーレン長崎(大分銀行ドーム)

■明治安田生命J2リーグ第33節
2017年9月16日(土)18時キックオフ
横浜FCvs東京ヴェルディ(ニッパツ三ツ沢球技場)

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