■柏レイソル 前節の横浜FM戦は手痛いドロー決着となるも、後半の内容は及第点
【プラス材料】
現在、リーグ戦8戦無敗継続中。前節の横浜FM戦は1-1で引き分け、首位の鹿島を追走する点では痛いドローとなったが、上位を争うライバルチームとの直接対決において、試合終了間際の同点弾はチームの意地とタイトルへの執念を感じさせた。しかも不出来な前半を修正し、早めの選手交代と布陣変更によって流れを一変させ、終始圧力をかけ続け横浜FMを凌駕した後半の内容は特筆に値する。
さらに20日には天皇杯4回戦を戦い、敵地でG大阪を3-2で下して準々決勝進出を決めたことも、チームの勢いを加速させるには十分な材料である。横浜FM戦でFKを決めたクリスティアーノは天皇杯のG大阪戦でも2得点。リーグ前々節の浦和戦で1得点1アシストの活躍を見せたハモン・ロペスも変わらず好調を維持しており、ブラジル人選手の出来が鍵を握りそうだ。
【マイナス材料】
20日に天皇杯のG大阪戦を戦ったことで、今節は中2日の連戦となる。天皇杯でも優勝を狙う下平隆宏監督はターンオーバーを敷かず主力組をG大阪にぶつけたため、選手の疲労がどこまで回復するか、フィジカルコンディションが気がかりである。
また、本人は「大丈夫」と言って出場への意欲を見せるが、クリスティアーノは天皇杯で足首を捻り、軽度の負傷を負った。クリスティアーノはチームにとって代えのきかない存在だけに、仮に欠場するようでは柏の攻撃力は著しく低下するだろう。さらにD・オリヴェイラも今週の練習中のアクシデントによって天皇杯を回避している。週末の試合に間に合うかは微妙なところだ。
文:鈴木潤
■FC東京 新監督の下、パスサッカーの成熟を目指す
【プラス材料】
安間貴義監督の初陣となったリーグ前節の仙台戦は、全員でパスを繋ぐスタイルを徹底して1-0で勝利。ボールを保持する時間を長くすることで無失点に抑えた。安間監督が目指す新たなスタイルで勝利をつかみ、連敗を脱出したことで、チームの雰囲気はグッと高まっている。
なかでも、“韓国代表帰り”のチャン・ヒョンスが好調だ。攻守にわたってスケールの大きなプレーを発揮し、仙台戦では決勝点も生み出した。彼の精神的な強さも、白星を引き寄せる要因となっている。
一方で、負傷離脱していた室屋成がトレーニングに合流。安間監督は「段階を踏んで完全復帰をさせたい。(復帰後も)まずはポジション争いから求めたい」と慎重な姿勢を崩さず。今節の出場は流動的だが、現在取り組んでいる3バックシステムではワイドの攻撃力がカギを握るだけに、今後に期待がかかる。
【マイナス材料】
前節の前半は仙台のプレスに“はまる”形で、ボールを前に運べなかった。後半に修正を施したものの、得点はセットプレーから挙げた1得点のみ。パスをつなぎながらも、ゴール前で危険なシーンを作り、相手を効果的に崩すことはできなかった。
安間監督は「相手対策を頭に入れながらも、自分たちがやるべきことの向上を目指して、継続性をもって挑戦していく」とチャレンジャーとしての姿勢を強調するが、ピッチ上で「自分たちでボールを握ること(東慶悟)」に精一杯になってしまえば、停滞感は拭えないだろう。
現段階でトライしているつなぐスタイルに関してまだまだ課題は多く、上位の柏を相手にどこまで通じるかは未知数だ。
文:totoONE編集部