4位の福岡は勝利がJ1昇格の条件となる [写真]=J.LEAGUE
明治安田生命J2リーグ最少失点(36失点)と堅守を誇るアビスパ福岡が、リーグ最多得点(85得点)と攻撃的スタイルを貫く名古屋グランパスに、どのように立ち向かうのか。名古屋がジェフユナイテッド市原・千葉と対戦したJ1昇格プレーオフ準決勝に、そのヒントがあると、三門雄大は語る。
「(名古屋の)ボランチと前線の選手に対し、どのようにプレッシャーをかけるかがポイントになると思います。できるだけ高い位置で奪って、カウンターにつなげられるか、というところ。千葉もそういう狙いが見えたし、実際に2得点しているので、参考になる部分はあります」
福岡が東京ヴェルディと対戦したJ1昇格プレーオフ準決勝(1-0)も、高い位置からプレッシャーをかけることで、東京Vのドウグラス・ヴィエイラ、アラン・ピニェイロといった攻撃力を封じ込めた。福岡が挙げた14分の先制点も、高い位置から圧力をかけたウェリントンがボールを奪い、そのこぼれ球に反応した山瀬功治のミドルシュートで奪ったものだった。
名古屋に対しても、恐れることなく高い位置からプレッシャーをかけられるか。井原正巳監督は名古屋について「センターバック、サイドバックに攻撃的な選手を置いていることからも、ディフェンスラインから保持して、攻撃を組み立てる風間(八宏)さんのスタイルを貫いて、結果を出してきた」と話し、「(名古屋に対して)こちらが引いてしまうと押し込まれるので、アグレッシブな強気の守備で、こちらが逆に押し込みたい」と決戦を見据えた。
勝たなければJ1昇格を果たせない福岡だが、エースのウェリントンは、それを「我々がJ1に相応しいチームかどうかの試練と思っている」と話した。「名古屋に勝利を収めて、それを証明したい。今はワクワクしています」とウェリントン。福岡にとって好材料なのは、J2得点ランキング3位タイ(19得点)のウェリントンが今季、名古屋と対戦していないことだ。累積警告による出場停止のため、名古屋戦には2試合とも出場できなかった。
「ウェリ(ントン)の強さや高さを(名古屋は)経験していない。彼のダイナミックな攻撃を生かしながら、周囲が関わって名古屋のゴールを脅かしたい」(井原監督)。
自身も選手として、国内外で数々の“試練”に立ち向かってきた井原監督は、さらに「最後は戦術云々ではなく、気持ちの強い方に勝利の女神は微笑む」と加えた。1年でJ1復帰を果たすのは、どちらのチームか。どちらが本気で、J1復帰を望んでいるか。3日、豊田スタジアムでそれが決着する。
文=新甫條利子
2017 J1昇格プレーオフ決勝
12月3日(日)16:00 名古屋グランパス vs アビスパ福岡 @豊田スタジアム/DAZN NHK BS1 NHK名古屋
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