今季のベガルタ仙台はどうだったのか? [写真]=J.LEAGUE
果たして2017年のベガルタ仙台は、強いチーム、ストロングなチームになれたのだろうか。
仙台にとっての公式戦全日程が終了した今、このことをあらためて問うのは、2017シーズンのチームスローガンが“Be STRONG”であることが理由だ。
本連載の第1回でも取り上げたように、チームを率いる渡邉晋監督は昨季までの長期的なチーム作りを受けて「GOODなチームからSTRONGなチームにならなければいけない」という思いから、このスローガンを掲げた。パス本数やパス成功率が上がってきたものの、12位に終わった16シーズン。そこからより多くの勝利を手にするための変化を加えながら、内容だけでなく結果も今まで以上に求めるための“Be STRONG”だった。
そしてこの言葉に、渡邉監督は「強くなれ」「強くあれ」という二つの思いを込めた。結果を出すための思いが前者、そして、シーズンの中では必ず訪れる、苦しい時期にも下を向かず強くあり、成長するための思いが後者だ。
さて、その2017年はどうだったか。
仙台は今季、基本フォーメーションを3-4-2-1とする新システムを導入。リーグ戦やカップ戦を通し、あるときは新たに台頭した選手がチャンスをつかみ、またあるときは負傷者が相次いで、メンバーが多く入れ替わった。しかし、その中でも今季の基本としていたチーム戦術をある程度機能させることができるようになった。
「最初は、思うようにいかないことも多かった」と、今季から加わったFW石原直樹は振り返る。サンフレッチェ広島や浦和レッズで似たシステムを経験してきた彼にしても、経験を落としこむことと、仙台独自の動き方の中で自分自身を生かすことの両方において、最初は試行錯誤していた。しかし石原が周囲とイメージを合わせるべく地道に対話を重ねたり献身的なプレーで示したりしたように、プレーした全員の努力で、少しずつ組織力は上がっていった。「秋頃になると、上位のチームを相手にも『できる』といえるかたちになっていった感触はありました」と、石原は終盤戦の手ごたえについて語る。連敗したり、失点がかさんだりした時期も少なからず経験したが、そういうときも「強くある」ことができたといえる。
明治安田生命J1リーグ第12節・横浜F・マリノス戦のあたりから、細かいパスワークでじっくり相手を動かし、フリーになったウイングバックからのクロスで点につなげるかたちがスムーズに作れるようになった。逆に、第25節・サガン鳥栖戦のように両サイドに相手が優先して蓋をする対策を取られたときには、中央でのパス交換と押し上げからゴールに結びつけることもできるようになった。JリーグYBCルヴァンカップではMF佐々木匠やMF椎橋慧也のような若手選手の活躍もあってグループステージを首位で突破し、ノックアウトステージでもクラブ史上初のベスト4に進出。苦しみながらも、鹿島アントラーズや川崎フロンターレといった強豪を相手に、ホームでは主導権を握って勝つことができた。
しかし、「強くなる」方はどうだったか。「結果において、全然満足はしていません」と、渡邉監督は即答する。リーグ戦では昨季と同じ12位に終わり、勝点は41と昨季より2少ない。ルヴァンカップもアウェイでの試合を落としたことが響き、タイトル獲得はならなかった。また、天皇杯では昨季に続き、初戦で敗退する痛恨事を経験した。
今季の全公式戦に出場し、終盤にはゲームキャプテンも務めたDF大岩一貴は「全試合に出させてもらって、間違いなく成長できた一年でした」と振り返る。しかしその言葉には、「でも、結果を出してこそ見ている人にも成長を示せると思っているので、そこについてはまだまだ」と反省が続く。ルヴァンカップでチーム史上初のニューヒーロー賞を受賞したFW西村拓真も「クリアできた課題もあります。でも、そのぶん新しい課題も出てきたし、何より自分は結果をまだまだ出せていない」と今季を総括する。スプリントやターンなどの動作をより効果的に使えるようになり、体格も力強さを増した西村も、そのFWの本分としてのゴール数については、リーグ戦では2点とまだまだ足りなかった。
今季最後の公式戦となったJ1第34節・ヴァンフォーレ甲府戦も0-1の敗戦で終え、仙台にとって「強くなる」という点は、持ち越し課題の方が多くなった。“GOOD”だったチームは、“BETTER”なチームにはなった。だが、まだ“STRONG”と言えるまでには到っていない。強くなり、強くあるために、仙台の挑戦はまだ続く。
文=板垣晴朗
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