またJリーグの感動を味わえる時間がやってきた。2018シーズンの明治安田生命Jリーグは2月23日(金)に開幕。約9カ月にわたって各地で熱い戦いが繰り広げられる。目の前の一戦一戦に全力を尽くし、必死に勝利をめざす選手たちの真剣勝負には胸を打たれるものがある。
振り返れば、2017年はJリーグの熱狂体験に新たな手段が加わった。動画配信サービス「DAZN(ダ・ゾーン)」の導入だ。動画配信を手掛けるパフォームグループとの契約や、Jリーグを手のひらで観戦できるようになった環境の変化は何をもたらしたのか。Jリーグの村井満(むらい・みつる)チェアマンが独占インタビューに応じてくれた。
構成=菅野浩二
写真=兼子愼一郎
協力=公益社団法人日本プロサッカーリーグ、一般財団法人スポーツヒューマンキャピタル
■パフォームグループとの契約で財政基盤が強化
2018シーズンのJリーグが開幕を控え、チェアマンとして2017年の出来事を振り返ってみたいと思います。
2017のJリーグといえば、皆さんもご存じのとおり、英国を拠点とする動画配信大手企業パフォームグループ様と結んだ放映権契約に触れないわけにはいかないでしょう。
同社が展開するスポーツ動画配信サービス「DAZN(ダ・ゾーン)」を通して、パソコンやスマートフォン、タブレット上でリアルタイムでJリーグを観戦できるようになりました。私たちは2017年を「Jリーグ公式試合のインターネット配信元年」と位置づけています。
パフォームグループ様と契約した公衆送信権料(放映権料のこと)は10年間で約2100億円。国内のスポーツ界では過去最大の金額です。2017年、Jリーグの放映権収入は約160億円でした。もっとも、私たち日本プロサッカーリーグは公益社団法人ですから、このお金を自分たちの営利とするわけではありません。日本サッカーの発展のために投資する金額が多くなったと考えていただければと思います。
実際、54クラブに届く金額は格段に増えました。成績に関係なくJリーグから各クラブに割り当てる「均等配分金」が一例です。従来と比較すると、J1のクラブは1億8000万円から3億5000万円とほぼ倍増。J2は1億円から1億5000万円、J3は1500万円から3000万円に増えており、パフォームグループ様との契約は各クラブにおける財政基盤の強化につながっています。
また、2017年には「理念強化配分金」を新設しました。J1の1位から4位までを対象とするもので、総額は約28億円に至ります。用途としては「日本サッカーの水準向上及びサッカーの普及促進」「若年層から一貫した選手育成」「フットボール環境整備」「選手や指導者の地域および国際交流の推進/スポーツ文化の振興」の4つ、つまり理念の実現に資する内容であることが条件です。「Jリーグ百年構想~スポーツでもっと幸せな国へ。~」というスローガンに基づき、未来を見据えた資本に充ててほしいと考えています。
さらに、明治安田生命JリーグとJリーグYBCルヴァンカップの賞金もそれぞれ増加しています。
J1初優勝を果たした川崎フロンターレには総額で約22億円が数年にかけて配分されます。今シーズン冬の移籍を見ると、大きな収入をチーム力の強化にも投資されていることがうかがえます。チームがより強くなれば、上位が受け取れる賞金や「理念強化配分金」によって資金が増えるうえ、観客増によるチケット収入の向上も期待できます。地域に根差したクラブですからその魅力をさらに向上させるような働きかけにより、さらなる好循環が生まれるに違いありません。
■ネット配信と著作権の所有により、年間総入場者数は過去最高に
私たちはパフォームグループ様に非常に感謝しています。彼らと結んだのは、有料配信における放映権の部分です。映像の制作・著作権はJリーグが持つという形を彼らは受け入れてくれました。
映像の制作・著作権を持つことで、自分たちで映像を制作しプロモーションを行えるようになった点は2017年シーズンの大きな改革ポイントだったと考えています。
映像制作と著作権を所有できたため、Jリーグの魅力を統一のフォーマットで伝えることができるようになり、さらにゴールシーンや試合の印象的な場面などを使い、従来より露出量を増やすことができました。試合から時間を置くことなく、Jリーグの公式サイトや、YouTube、LINE、Twitterといった我々のソーシャルメディアをはじめ、クラブや他のインターネットサイトやニュースサイトに試合のクリップ動画を転載したり、プロモーション映像を積極的に発信したりと、皆さんにJリーグをより身近に感じてもらえるよう努めました。
統一フォーマットで制作を進められたことも大きな意味を持ちます。ランニングオーダーといって、チームバスがスタジアムに到着してから試合前に監督インタビューを行い、試合後は選手のコメントを収める。あるいは得点や試合時間のCG表記を統一し、トラッキングデータなどをリアルタイムでCG化する。こうしたことを全試合でやりました。中継映像や配信動画に関して、私たちが一括することで一定の品質が維持できたため、Jリーグのブランディングをさらに加速することができたと実感しています。
もちろん、スポーツの醍醐味はライブで観ることに尽きます。臨場感を味わいながらスタジアムで観戦するのが理想でしょう。ならば、パソコンやスマートフォンで試合を観られるようになったのは集客にマイナスに作用するのではないか。そう考える方もいるかもしれませんが、実際は全く逆です。
スマートフォンやタブレットでも視聴可能になったため、文字どおり多くのサッカーファンの手にJリーグが届いたこと、そしてプロモーション映像でJリーグに触れる機会が増えたことは入場者数にも反映されています。
おかげさまで、2017シーズンはJ1、J2、J3の全ての公式戦を合わせて約1080万人という過去最高の年間総入場者数を記録することができました。「広告料収入」「入場料収入」「物販収入」の“3本柱”がJクラブの収益源ですが、パフォームグループ様との契約は今後、各クラブの「入場料収入」と「物販収入」によいバランスでプラスに作用していくはずです。
なお、2018シーズンは、従来の土日に加え、新たに毎節J1の1試合を金曜日にナイター開催することにしました。「土日は家族や友人と過ごしたい」と考えているサッカーファンも少なくないはずです。金曜開催は新たなファンに見ていただくチャンスですし、金曜日に試合を行うことで結果配信とともに土日のゲームのプロモーションを効果的に行えるとも考えています。もちろん、金曜開催の策を講じるだけではだめで、多くのお客様にご来場いただけるよう私たちJリーグは工夫を重ねなければなりません。
「Jリーグ公式試合のインターネット配信元年」となった2017シーズンの総括に関しては、J.LEAGUE PUB Report 2017 Winter(Jリーグ パブ リポート 2017 ウィンター)でも確認できます。「PUB」という言葉には「誰もが気軽に参加し(Participate)、知り(Understand)、ともにつくる(Build)」リーグをめざすという思いをこめています。私たちは、ぜひ皆さんと一緒にJリーグをより魅力的な舞台に成長させていければ、と考えています。
2018シーズンは開幕から数えて25周年。四半世紀を経てJリーグは魅力を増してきたはずと信じていますがもっと多くの方に12月まで各地で繰り広げられる熱戦をリアルタイムで観て感動してほしいですし、できるだけ多くスタジアムに足を運び、懸命にボールを追う選手たちに声援を送りながらJリーグライフを存分に楽しんでいただければ、これほどうれしいことはありません。
\教えてくれた人/
村井満(むらい・みつる)さん
公益社団法人日本プロサッカーリーグの5代目チェアマン。早稲田大学卒業後、日本リクルートセンター(現リクルートホールディングス)入社。同社執行役員やリクルートエージェント(現リクルートキャリア)社長などを歴任し、2008年よりJリーグ社外理事。2014年1月31日から現職。埼玉県立浦和高等学校ではサッカー部に所属し、GKとしてプレーした。世界のサッカーを初体験したのは大学時代の1979年。日本で開催され、若きディエゴ・マラドーナを擁するU-20アルゼンチン代表が優勝を果たしたFIFA U-20ワールドカップを生観戦した。
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By サッカーキング編集部
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