【長崎vs鳥栖プレビュー】クラブ初のJ1ホーム戦を勝利で飾りたい長崎…鳥栖は敵地で先制点を狙いたい

■V・ファーレン長崎　クラブ初となるJ1でのホームリーグ開幕節に挑む

【プラス材料】
　リーグ開幕節では湘南に1－2で敗れた。その結果を受けて、ボランチではMF前田悠佑に代えてMF碓井鉄平、シャドーではMFベン・ハロランに代えてFW鈴木武蔵と、攻撃の組み立てを重視する起用となる見込みだ。

　クラブ初となるJ1でのホームリーグ開幕節ということもありチケットの売れ行きが好調で、入場者が1万5000人を超えるのは確実。この盛り上がりをうまく味方につけることができれば、実力以上の力と勢いを発揮できる可能性もあるだろう。

　昨季からの武器で、前節も狙いどおりの形で得点が取れたセットプレーにも期待がかかる。セットプレーのキッカーを務められる前田がベンチスタートとなりそうな点は気になるが、もう一人のキッカーであるMF島田譲は先発濃厚で、碓井も質の高いキックが蹴れることから問題は少ないはずだ。

【マイナス材料】
　リーグ序盤戦のなかでも、特に重要な一戦と位置づけていた湘南との開幕節に敗れてしまったため、チーム内では負けられないというプレッシャーが強まってきている。そのため、本来は有利な材料となるホームの大観衆も、展開によっては選手のあせりを呼んでしまう可能性もある。

　また、決定的なチャンスを作るようなパスを出せる選手が中盤に少ないため、堅守を持ち味とする鳥栖を相手に、流れのなかから得点を奪うだけの展開が作り出せるかという不安も残る。

　守備面においても、湘南戦の2失点は対人の強さに不安を抱える左サイドからピンチを招いたものであり、鳥栖のパワフルなアタッカー陣に前にした時に左サイドが耐えられるとは言いきれない。

文：totoONE編集部

■サガン鳥栖　前線にFWビクトル・イバルボが戻れば攻撃力は大幅にアップ

【プラス材料】
　FWビクトル・イバルボの復帰が近いのは大きなプラス要素だ。開幕節は体調を考慮して出場を回避したが、今節はアウェイ戦とはいえ勝ち点3を得るために出場をさせる可能性が濃厚だ。FW趙東建も好調なだけに、できるだけイバルボで引っ張っておきながら、勝負所で交代させることも考えられる。

　攻撃においては、先制点が大きな意味を持つ。若きエースストライカー田川亮介も、地元での試合ということで気合が入っているに違いない。世代別代表の肩書きを地元で披露する絶好の機会でもある。

　新加入のMF高橋秀人も問題なくチーム戦術にフィットしていただけに、ボールを奪ってからのカウンターにも威力が増している。あとは、最後尾からいかにしてつなぐことができるのかということと、サイドからの攻撃をどれくらい見せてくれるのか次第か。

【マイナス材料】
　GK権田修一が頑張っている間はいいが、セカンドゴールキーパーの不在は一抹の不安を残す。また、長崎の縦パスが決まり出すと、ズルズルと押し込まれることが予想される。前節の神戸戦も後半に流れを持っていかれ、立て直すことができなかった。前半と一転して後半は守備に追われ、シュートシーンはわずかに1回だけだった。マッシモ・フィッカデンティ監督が不在だった影響もあるが、今節も押し込まれてしまうと守備を厚くして逃げ切る作戦に出るだろう。そうなると、長崎の勢いを呼び込むことになるかもしれない。

　昨季からの主力が多く残っていることと、フィッカデンティ政権3年目ということで、長崎に分析されている可能性もある。前節も選手交代枠を1枚残したままでドローという結果を招いているだけに、後手を踏むと一気に長崎の勢いに押し込まれるだろう。交代の切り札が不在であることで、試合終盤にブーストをかけられない面もマイナス材料だ。

文：totoONE編集部