【コラム】希望を示した“66分と67分”…苦境が続くG大阪、2人のルーキーが光明に

ガンバ大阪

連敗スタートとなったが、若い力が武器となっている [写真]=J.LEAGUE

 ガンバ大阪が苦しんでいる。鹿島アントラーズとの第2節は0-1で敗れ、開幕2連敗。昨年から数えると公式戦15試合勝利なしとなった。今季からチームを率いるレヴィー・クルピ監督も「まだチームとしてのベースができていない」ことを認めている。

 その中で“希望”を示しているのが2人のルーキーだ。

 後半開始からトップ下に入った中村敬斗は劣勢の状況が続く中、果敢に前を向くプレーを見せると、66分に決定機が訪れる。遠藤保仁からパスを受けると、長沢駿とのワンツーから抜け出し右足を振り抜く。「打った瞬間、入ったと思った」とゴールを確信したが、強烈なシュートはポストを直撃し、惜しくも得点とはならなかった。

「あのシーンを作れたことは自信になりますけど、決められなかったのは間違いなく今日の負けにつながった」と悔やむ。それでも開幕から2試合連続の出場。クルピ監督からの期待度も高い。「“新人”ではなく“一員”。出たからには結果を残さないといけない」と飛び級でプロ入りを果たした17歳は早くも自覚を口にした。

 そして中村ともう一人、印象的なプレーを見せたのが、前節開幕スタメンに抜擢された福田湧矢。今節は58分から途中出場で2列目の右サイドに入った。クルピ監督からの指示は「ギャップで受けること」。福田自身は「ゴールを狙うこと」を強く意識してピッチに立った。

 その福田に見せ場が訪れたのは、中村が惜しいシュートを放った直後だった。67分、鹿島守備陣の隙を見逃さず、思い切ってシュートを放つもわずかに枠の外。「一本打てたのはプラスでしたけど、ゴールにつながらなかったので結果としては残念」と振り返った。

 もう「緊張はない」と豪語する福田は「プロの寄せは早いけど、その中でもやれないことはないと感じている」という。「チャンスを掴むかどうかは自分次第。積極的に自分を出していきたい」とスタメン再奪取へ決意を述べた。

「まだ模索している段階(クルピ監督)」の中でも、66分と67分にルーキーたちが見せたプレーに確かな“可能性”を見出したG大阪ファンはきっと多いはずだ。

取材・文=三島大輔

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