■川崎フロンターレ 前節はしたたかに勝ち切り、リーグ戦の無敗を19に更新
【プラス材料】
リーグ前節は名古屋に勝利。3勝1分と開幕から無敗をキープし、首位につけている。再び連戦が続いていくだけに、約2週間のインターバルがあったことで、代表組以外の選手たちはコンディションを整えることができたのが何よりの好材料と言える。
現在の川崎の強みは、“試合巧者”としてのゲーム運びができていることだろう。前節の名古屋戦では、拮抗した試合をセットプレーの1発でモノにして、したたかに勝ち切ることに成功した。
「らしくない勝ち方でしたが、こういう勝ち方は去年もできていた。こういうゲーム運びができれば、もっと強くなっていける」とは試合後のMF谷口彰悟の言葉。昨年の優勝経験を含めて、リーグ戦では19戦無敗と負けていない事実は選手たちにも自信を与えている。ここから過酷な連戦が始まるだけに、勝利で飾りたい。
【マイナス材料】
懸念材料は、帰国したばかりの代表組のコンディションになる。29日、代表組のFW小林悠、DF車屋紳太郎、MF大島僚太はチームに合流。小林と車屋は別メニューで調整して切り上げ、左ふくらはぎを痛めている大島は回復に努めた。小林と車屋は広島戦には出場できる算段だが、コンディションは万全ではないだろう。そのなかでどれだけのパフォーマンスが出せるかどうかがポイントとなる。
一方、代表で左ふくらはぎを痛めた大島は欠場の可能性がある。MFのE・ネットの相棒となる選手の選択肢としては、ACL第4節メルボルン戦で先発したMF森谷賢太郎か、桐蔭横浜大学との練習試合で1本目に入ったMF守田英正になるだろう。守備での貢献度はもちろんだが、中盤の底からどれだけ前線の攻撃に厚みを加えることができるか。そこは注目となる。
文:いしかわごう
■サンフレッチェ広島 中断期間中は代表組不在で紅白戦もままならず
【プラス材料】
リーグ前節の磐田戦に引き分け、公式戦の連勝は5で止まったものの開幕以来の不敗記録は継続中。その原動力はなんといっても守備だ。公式戦6試合で失点はわずかに2。リーグ戦では4試合中3完封と見事な結果を生み出している。
その要因は、なんといっても前線も含めた全員守備の徹底。常にハイプレスを仕掛けるわけではないが、メリハリの利いた判断でプレスとリトリートを使い分け、全員が連動することでコンパクトゾーンを維持。常にインテンシティの高い守備を表現して相手から自由を奪っている。
押し込まれている時間は長いかもしれないが、決定的なピンチは決して多くはなく、鹿島戦を除いてGK林卓人のスーパーセーブが必要なシーンはほとんどない。サッカーのベースである守備の強さが、広島の躍進を支えている。
【マイナス材料】
FWティーラシンがタイ代表に招集され、キングス杯に出場。22日、25日と連戦をこなして広島に戻ってきたのが28日。さすがに疲労は隠せず、トレーニングでもその日はフルに参加することはできなかった。29日からは全メニューをこなしていたが、先発して長い時間をプレーするのは厳しいか。
それはU-21日本代表やU-18日本代表に招集された5人の若者たちも同様。彼らの不在時は紅白戦もままならず、城福浩監督は調整と強化に神経を使っていた。
MF川辺駿も体調不良に襲われ、練習復帰は今週になってから。コンディションは上がっていて先発出場の可能性はあるが、絶対ではない。勝っているチームはメンバーをいじらないのが原則ではあるが、そうせざるをえない状況ではある。
文:紫熊倶楽部 中野和也