■FC東京 チャン・ヒョンスの不在を丸山がカバー、選手層に自信
【プラス材料】
FWのD・オリヴェイラがノッている。FW永井謙佑との連係やMF髙萩洋次郎との呼吸もピタリと合い、前節2得点を挙げて再び得点ランクのトップに立った。その活躍もあり、首位の広島に今季リーグ初の土をつけたことはチームの大きな自信になっている。
また、第5節・G大阪戦(3月31日)では2点を先行しながら、一時同点に追いつかれたが、その反省を生かせたことも進歩の証といえるだろう。髙萩も「狙いどおりにカウンターから3点目を取れたことが大きかった」と手応えを話した。
前節は、第9節・清水戦で足を痛めたDFチャン・ヒョンスが出場を回避したが、その不在をDF丸山祐市がしっかりと埋めたことも明るい材料だ。中2日のため、今節のディフェンスラインのメンバーは流動的だが、誰が出場しても大きく崩れることはないはずだ。
【マイナス材料】
次節の対戦相手、名古屋は7連敗中と、チーム状況は対照的だ。FC東京に死角はないと言い切りたいところだが、「反対に名古屋には、何をしてくるかがわからない怖さがある」と永井。特にここ2試合の連勝も、「攻守にわたる全力」発揮の結果で、余力のある試合運びで勝ちきってきたわけではない。もし慢心や気の緩みが出てしまうと、足元をすくわれる可能性がある。
また、現在の好調は、全員のハードワークに支えられている。それだけに、連戦の影響が徐々に出始めていることも気掛かりだ。ほぼフル出場が続くMF東慶悟や、MF大森晃太郎は、本来の運動量やキレが落ちている。彼らは“替えの効かない”選手であり、致し方ないともいえるが、不安材料となりうる。
文:totoONE編集部
■名古屋グランパス 得点力不足に悩むなか、青木の欠場は大きな痛手
【プラス材料】
チームは好材料を見つけるには困難な状況にあるが、強いて言うならDFホーシャの復帰によるセットプレーの威力向上か。前節でも清水に一矢報いるヘディングでのゴールをCKから挙げており、闘争心満点のプレースタイルも低迷するチームを鼓舞する存在として頼もしい。FWジョーも同様に空中戦での存在感を高め続けており、本来のチームスタイルとは異質の高さという武器をもたらす2選手が力を発揮することは一つの突破口になり得る。
彼らを活かす選択肢を持つMFのG・シャビエルやMF小林裕紀のゲームさばきにも試合の流れは左右されるだろう。また試合展開を変える役割を担う者として、FW押谷祐樹や最近は前線での起用が増えてきたDF内田健太の活躍にも期待したい。
【マイナス材料】
なかなか得点が奪えない現状ではMF青木亮太が欠場濃厚なのは何とも痛いところ。複数失点を続ける守備陣にも安定感が足りておらず、チーム全体としてもボールを奪うという作業にもっとパワーが欲しい。ホーシャが戻ったことでDF櫛引一紀をサイドに回せる利点を生かし、より人に強いディフェンスを構築していきたいところだが、指揮官の指示やいかに。
連戦の最中で運動量が減ってきている部分をどのようにカバーするかはポゼッション傾向の強いチームとしては悩みどころ。17歳のDF菅原由勢もプロの壁にぶち当たっており、ここで一皮むけられるか、周囲もそれをフォローしてやれるかも連敗脱出への大きなキーポイントになってきそうだ。
文:今井雄一朗