選手たちの体調管理を行う西形浩和フィジカルコーチ [写真]=板垣晴朗
2018年の春は、何だか慌ただしい。3月から4月にかけて急に気温が上がってソメイヨシノの開花が早まったと思ったら、5月になったら急に気温が下がって冬着を引っ張り出さなければいけない日もある。季節の変わり目が、極端な気温の変化とともに進んでいる。
アスリートも体調管理が大変な季節だ。2015年にベガルタ仙台に加わって4シーズン目を過ごしている西形浩和フィジカルコーチは、特にこの時期の過ごし方には細心の注意を払っているという。一日の寒暖差が大きい時期であり、仙台とアウェイの地との気温差が大きい時期でもある。
そして今季についていえば、3月31日から5月20日まで、リーグ戦とカップ戦の試合間隔が詰まった15試合の日程、通称“15連戦”が組まれている。この間、メンバーをあまり変えないで進めるチームもあれば、選手を入れ替えながら進めるチームもある。仙台は、後者のかたちでこの試合日程を戦っている。
こうしたパフォーマンスを支える上で、西形コーチらコーチングスタッフ陣は、日々様々なデータと格闘している。日々の練習では選手たちの着けた計測器から西形コーチの手元にある端末に各種データが届けられ、公式戦ではJリーグが公開するデータの他にも、クラブとして独自に契約しているデータ管理会社からの数値が届けられる。ドイツ・ブンデスリーガの事例なども参考にしながら、これらを分析し、どの選手が出ても最高のパフォーマンスを発揮できるようにする。選手から自身のデータに向き合う機会も増えた。“連戦”中の4月10日に加入した32歳の関口訓充は、今季それまで無所属で試合勘に不安を残していたが、心拍数などのデータについて西形コーチのもとへ頻繁に問い合わせ、このチームで求められることと合わせて理解を深めていたという。
そして、この数値としてのデータを生み出すのは、血の通った人間であることを忘れてはならない。試合間隔が短い“連戦”では、結果が出れば勢いに乗ることもあるし、結果が出ないときは引きずりかねない。心理面の変化が、体調にも変化を及ぼすことも少なくない。
仙台はJ1第9節と第10節で、今季初のリーグ戦連敗を喫した。この状況を変えるアプローチのひとつとして、スタッフ陣はスプリント(時速24キロ以上のランニング)に注目した。総走行距離や総スプリント数以上に、仙台ではスプリントでの走行距離や、時間帯別のスプリント数を重視している。量が多いに越したことはないが、それ以上に“質”の部分が大事だった。
「前に行くパワーを増やそう、という意識付けがあらためて必要と感じました」
そう語る西形コーチらスタッフは、第10節・セレッソ大阪戦ではチーム全体に守備から攻撃へ切り替える際に押し上げが足りなかったところを改善するため、「ゴールに向かうスプリントを増やす」という意識付けのもと、スプリント数の目標数値を選手に与えた。渡邉監督は「C大阪戦では、守備で引いたのではなく、攻撃で前に出ていかなかったんだ。しんどいときこそ、矢印を前に向けよう」という言葉でもチームに呼びかけたという。
細かい数字には企業秘密も含まれるのでここでは記さないが、続く第11節と第12節ではその目標とするスプリント数、中二日や中三日でも増えていたという。ただし1分1敗と結果が出なかったことで目標を見失わないためにも、現行のスタイルを続けようという呼びかけはスタッフから続き、選手も応えた。数値だけでもコンディショニングは成立せず、心理的にも働きかけることによってデータは活きることになる。
「最終的には、どれだけいいかたちで選手たちを送り出せるかです。先発の選手もサブの選手も、出番のなかった選手もそう。どういうとき、どういうかたちで鼓舞するかも、私の大きな仕事です」。選手を“乗せる”ことも、厳しい連戦下ではいつも以上に意識しているという。
第13節では、走力の高い湘南ベルマーレを相手に、仙台は敵地で3-1の勝利をおさめた。苦しいときに走り、大声を出して盛り上げられる関口のコンディションが上がり、先発起用するタイミングもここで合致。勝点3以上に大きなものを得た。この試合に刺激を受けたか、続く2018 JリーグYBCルヴァンカップ第5節・横浜F・マリノス戦で4-2と勝利した試合のメンバーも、質の高いスプリントの数値を見せていたという。
“15連戦”も残り3試合となった。中断期間を前にJ1リーグ戦で少しでも上に行くために、そしてルヴァン杯ではグループステージ突破のために、西形コーチは今日もデータと、人と、向き合う。
文=板垣晴朗
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