福岡の井原正巳監督(左)と、町田の相馬直樹監督(右)は、1998年フランス大会で主力として活躍した“元W杯戦士”だ [写真]=J.LEAGUE
■世界の扉をこじ開けた“元W杯戦士”が、指揮官として対峙する
新潟と大分に連敗を喫して4位へ後退した福岡と、前節は新潟に引き分け、リーグ戦の連勝こそ3で止まったものの、3位をキープしている町田がレベスタで対峙する今節。ここでの注目は、現在開催中のW杯を選手として経験している、指揮官同士の対決です。
今シーズンのJ2を戦う22クラブ。その各クラブの指揮官を見ていくと、日の丸をつけてW杯を戦った経験を有するのはわずかに2人。1人が福岡の井原正巳監督で、もう1人が町田の相馬直樹監督であり、揃って日本が初めてW杯に出場した1998年フランス大会を、予選から主力として戦い抜いた2人でもあります。
井原監督は筑波大学2年時に日本代表の初招集を受け、1988年1月27日にUAEと対戦した国際親善試合で代表デビュー。オフトジャパンでは井原監督と最終ラインでコンビを組むことになる柱谷哲二も、同じ試合でやはり代表初キャップを刻むという偶然もありながら、すぐさまチームの中心としての地位を確立していきます。ただ、言わずと知れた“ドーハの悲劇”をピッチで体験し、世界への挑戦は幻に。1998年フランス大会の予選に懸ける想いは並々ならぬものがあったはずです。
一方の相馬監督は、1995年5月28日に行われたキリン杯のエクアドル戦で代表デビュー。当時は鹿島入団2年目の23歳ながら、クラブでのパフォーマンスを評価され、加茂周監督がピックアップ。最終ラインには井原監督も名前を連ねていましたが、3-5-2の布陣が敷かれたチームの左ウイングバックが相馬監督の定位置となり、以降は代表でも鹿島でも生命線へと進化していく右の名良橋晃との両翼は、このデビュー戦で既に実現。長く日本の左サイドに君臨していきます。
1997年3月に開催されたW杯アジア一次予選では、井原監督、相馬監督ともに全6試合にスタメン出場を果たし、最終予選進出にきっちり貢献。9月からスタートした最終予選でも井原監督が出場停止となったホームのUAE戦を除き、すべての試合で揃ってキックオフからピッチに立っており、もちろん日本サッカー界の伝説となった“ジョホールバルの奇跡”でおなじみの、イランと激闘を繰り広げた第3代表決定戦も2人はスタメンフル出場。まさに日本にとって世界の扉をこじ開けるに至った当事者が、監督として対峙するのが今節の構図ということになります。
今シーズンはスタートダッシュに成功した町田に対し、序盤戦こそなかなかエンジンの掛からなかった福岡でしたが、ここ最近は自動昇格圏内を窺う位置まで勝ち点を積み重ねており、一時は首位に立ったことも。町田も大崩れのないスタイルで、常に上位をキープし続けてきました。
比較的堅いスタイルの両者という特徴も踏まえ、拮抗した展開が予想されるなかで、指揮官の采配も勝敗を左右する大事な要素。このゲームは井原、相馬両監督の意地の張り合いにも注目しつつ、ホームの福岡が勝利を手繰り寄せると予想。「1」にマークします。
■プロになるべく大宮を離れた、愛媛の背番号2
第18節の大分戦では12試合ぶりの勝利を手にしたものの、ここ2試合はともに勝ち点を獲得できずに最下位に沈む愛媛が、怒涛の3連勝で7位まで順位を上げてきた大宮のホームに乗り込む一戦。このゲームからは、大宮の下部組織で育ったルーキーの“古巣対決”にスポットを当てたいと考えています。
大卒ルーキーながら開幕スタメンを勝ち獲ると、以降も第19節までスタメンを張り続けてきた愛媛の山﨑浩介は、大宮のジュニア1期生。同期では今もトップチームでプレーしている大山啓輔がエースとして存在感を示し続けるなかで、山﨑もジュニアユース、ユースと順調に昇格します。
背番号23を背負った2年時から右サイドバックとして試合出場を重ね、3年時もやはり右サイドバックのポジションを確保していたものの、彼の代のトップ昇格者は大山のみ。プロになるという目標を叶えるべく、4年間での成長と飛躍を誓い、山﨑は強豪の明治大学へと進学することになりました。
当時も今も明治は関東屈指のタレント集団。山﨑が入学した1年時のディフェンスラインには室屋成、山越康平、小出悠太、松藤正伸、高橋諒とのちのJリーガーがずらりと居並ぶ陣容で、なかなか公式戦の出場機会は巡ってこない日々が続きましたが、ようやく3年時の関東大学リーグ1部第15節でスタメンに抜擢され、チームも早稲田大学に完封勝利を収める上々のデビューを飾ります。最高学年となった昨シーズンも第4節以降はコンスタントにゲームへ登場し、第18節の日本体育大学戦ではリーグ戦初ゴールも記録。11月末には愛媛へ加入することが発表され、とうとうプロの世界へ足を踏み入れます。
迎えた2018年シーズン。ニンスタで金沢と対峙した開幕戦。間瀬秀一監督が送り出した11人のスタメンの中には、山﨑の名前がありました。第2節以降も右に林堂眞、左に池田樹雷人を配した3バックの中央を任され、安藤淳が中央に入った第7節以降は左にスライド。さらに川井健太監督が就任した第15節以降は右での起用と、きっちり3バックの一角という定位置を確保。フィールドプレーヤーの中では最多出場時間を誇るなど、早くも愛媛の主力選手として奮闘を続けています。
大宮の降格を受けて、実現の可能性が出てきた山﨑の“古巣対決”。ただ、前節の水戸戦では初めてスタメンを外れ、出番は最後まで訪れず。楽しみな一戦を前に、少し出場するか否かは不透明になってきているものの、大宮の対戦相手の選手として訪れるNACK5スタジアム大宮を、誰よりも楽しみにしているのが山﨑であることに疑いの余地はないでしょう。
今シーズン2度目の3連勝を飾り、ようやく昇格プレーオフ圏内が近付いてきた大宮では、山﨑にとって下部組織同期の大山や、大学の先輩に当たる山越や河面旺成も前節はフル出場。そういう因縁も含めて、山﨑を巡る視点で考えれば注目ポイントの多い試合といえそうです。まずはその山﨑がナクスタのピッチに立てることを願いつつ、今の勢いは大宮が上回っており、ホームでの4連勝達成が濃厚と予想。「1」にマークしたいと思います。
文=土屋雅史
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※本文中の「1」はホームチーム勝利、「0」は引き分け、「2」はアウェイチーム勝利。
■明治安田生命J2リーグ第21節
2018年6月30日(土)18時キックオフ
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■明治安田生命J2リーグ第21節
2018年6月30日(土)19時キックオフ
大宮アルディージャvs愛媛FC(NACK5スタジアム大宮)
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