スタジオゲストだった現役Jリーグ選手の中町公祐(横浜F・マリノス)が、自身が手掛けるプロジェクト「PASS ON PROJECT in Africa」について説明した。
これは「アフリカの子どもたちのために何かアクションを起こしたい、子どもたちのサッカーの可能性を少しでも広げてあげたい」という中町の思いが形になり、アフリカにサッカーボールを送るなどの取り組みを行っているプロジェクト。すでに5年目に突入し、所属チームが公式戦で1試合勝利するごとに、ボール5つを送っているという。
中町がこの取り組みを始めたのは、慶應義塾大学時代の友人との会話がきっかけだったという。
「大学の同級生と他愛もない話をしている時に、『街でおばあちゃんが困っていたらどうする? 助けるよね?』と。僕は最初、ケニアからこの取り組みを始めたんですけど、『ケニアって場所によってはサッカーボールがなくて、ビニールを丸めたものでサッカーをしている。そういう子がアフリカにたくさんいる。どうする? 』と言われて、『いや、そらならボール送るよ』みたいな。そんな感じでしたね」
このようなブロジェクトに賛同していても、実際には日本からボールを送るだけにとどまる選手も多いと思うが、中町は実際には現地に赴き、直接、交流しているそうで、「ワールドカップの中断期間に、ロシアではなくガーナに行ってきました」と、現地の様子を紹介した。
現地では「『日本からプロサッカー選手が来た』っていうことで本当に喜んでもらえた」そうで、訪問したスクールはグラウンドを整備して中町を待っていてくれたという。
中町はこの活動をする意義について、このように語っている。
「僕はたまたまきっかけがアフリカでしたけど、プロサッカー選手が公人として、社会的な立場においてどう評価されているのかというのをすごく考えていて。子どもたちがサッカーのうまいカッコいい選手に憧れて、W杯を目指すようになるのは分かるんですけど、社会の方々が『プロサッカー選手、Jリーガーってすごいよね』って思ってくれるのって、サッカーだけじゃない別の部分にあると思っていて。そういった思いが形になったのがこのプロジェクトです」
活動を通じて、自分に還元されることも多いという。
「シンプルに、モチベーションにつながると思ったんですよ。アフリカに行って、自分が送ったボールで楽しそうに笑顔でボールを追いかけるのを見るだけで、『サッカーやっているのは自分だけじゃないな、頑張らなくちゃな』って思いますし、今回はアフリカに行くことができましたけど、行けない時も写真や動画を送ってくれるので、それでサッカー選手としての自分のモチベーションにつながるので、本当にプラスしかないですね」
今後について、中町はこのような希望を語った。
「できれば、様々な活動をしているJリーガーが大勢いるので、そういう部分がフォーカスされるような取り組みをしていきたいと思います。より大きな輪にしていきたいですね」
スタジオゲストだった安永聡太郎氏が「感動しますね。マチ(中町)の英語力を生かして(現地の子どもたちと)会話してきたんだろうな、と想像しながら聞いていました」と感想を述べると、中町は「いやいや、ボールだけですよ」と返答。「ボールがあれば十分です」と、サッカーボールを通じて現地の子どもたちと交流できる喜びを改めて語った。
毎週金曜日21時から放送されている『スカサカ!ライブ』。次回は7月13日(金)21時からの放送で、日本代表特集や天皇杯3回戦注目試合レビュー、サンフレッチェ広島キャンプレポートなどをお届けする予定となっている。
By サッカーキング編集部
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