長らく日本代表で活躍した京都のDF田中マルクス闘莉王 [写真]=J.LEAGUE
■岡山と松本で象徴的な選手に成長した、流通経済大学出身の二人
リーグ戦3連勝で一気に首位まで駆け上がってきた松本が、前節で7試合ぶりに白星を手に入れた8位の岡山とシティライトスタジアムで対戦する一戦。両者の対戦は2016年のJ1昇格プレーオフでも実現しています。この90分間からは大学時代の同級生が再会する可能性に言及したいと考えています。
今まで70人を超えるJリーガーを輩出してきた茨城の名門・流通経済大学。もともと松本と岡山には同校のOBが数多く在籍してきたこともあり、現在でも松本では飯田真輝、中美慶哉、岡山でも澤口雅彦、塚川孝輝、関戸健二、椎名一馬と複数のOBがプレーしていますが、なかでも飯田と澤口は2004年入学の同期にあたります。
阿部吉朗や塩田仁史、栗澤僚一といった実力者を招き入れ、着実に県リーグからステップアップしてきた流通経済大が、関東2部で優勝を果たし、初めて1部へ昇格した年に入学してきたのが飯田や澤口の世代。流通経済大柏高校出身の飯田は、高校3年時のインターハイで同校にとって初めての全国大会に出場した経験を持ち、鹿島高校出身の澤口は2年時に高校選手権で全国ベスト16まで躍進。ともにさらなる飛躍を誓って、大学の門を叩きました。
タレント揃いだった彼らの同級生も鎌田次郎、武井択也、武田英明、赤井秀行、清水慶記とのちのJリーガーが7人も名前を連ねており、1つ下の学年はさらに三門雄大、宮崎智彦、池田圭、染谷悠太など13人が、2つ下からは林彰洋や船山貴之、宇賀神友弥など6人がプロへと進むなど、流通経済大史上の中でもとりわけ個人の質が高かった時代にあって、飯田と澤口はJFLでの実戦経験も生かしつつ、実力を伸ばしていきました。
濃密な4年間を過ごした後、2008年に飯田はJ1へ復帰したタイミングの東京Vへ、澤口はJFLの琉球へそれぞれ加入。カテゴリーも含め、2人は別々の道を歩み出します。ただ、当時の東京Vは那須大亮、土屋征夫、富澤清太郎などDFラインに実力者が多く、飯田もルーキーイヤーのリーグ戦出場は2試合のみ。逆にフィリップ・トルシエが総監督を務めていた琉球で確実に存在感を高めていった澤口は、フィールドプレーヤーのなかでリーグ戦最多出場時間を誇るなど主力としてチームを牽引。2009年にはJFLからJ2へ昇格したばかりの岡山からオファーを受け、プロへの挑戦を決断します。
一方、東京Vで出場機会を得られなかった飯田は、2010年の夏にまだJFLを戦っていた松本へ期限付きで加わると、完全移籍に移行した2011年はディフェンスリーダーとしてチームを支え、悲願のJ2昇格を達成。以降は頼れるキャプテンとして、松本の象徴的な選手へと成長し、2015年シーズンは7年ぶりにJ1でもプレー。また、澤口は今シーズンで岡山在籍10年目を数えるなど、こちらももはやレジェンド級の貢献をクラブにもたらしており、唯一にして絶対的な目標でもあるJ1昇格を見据えながら、出場機会が訪れればきっちり仕事をやり切る姿勢が、サポーターからも高く支持されているのです。
澤口は4月以降、メンバー外のゲームが続いていましたが、第20節で久々にベンチ入りを果たすと、ここ2試合もベンチメンバーには名を連ねており、このタイミングでにわかに再会の可能性が。一方の飯田はチームのフィールドプレーヤーでは唯一のリーグ戦フル出場を続けるなど、変わらず今シーズンの松本も牽引しています。そんな両者の再会に期待しつつ、今の勢いは『やはり松本にあり』かなと感じ、ここはアウェイチームが勝ち点3を獲得するという予想の「2」で勝負したいと思います。
■日本代表の最終ラインを支えた男がブレイクした水戸時代
前節の福岡戦が延期になり、1試合消化が少ないとはいえ最下位に沈む京都が、讃岐から5得点を奪う快勝を収めたばかりの14位・水戸と西京極で対峙する一戦。このゲームでは水戸でキャリアの重要な時期を過ごした、古都の闘将をフィーチャーします。
2001年に広島へ高卒ルーキーとして加入した、マルクス・トゥーリオ・リュージ・ムルザニ・タナカ。彼にとってのJリーグデビュー戦はプロ1年目のJ1開幕戦。スタメン出場していたポポヴィッチの予期せぬ負傷もあって、前半10分からピッチに送り出されたトゥーリオは、投入からわずか6分後にフリーキックのこぼれ球を体で押し込み、記念すべきJリーグ初ゴールをデビュー戦で叩き出してみせます。
以降も上村健一、奥野僚右といったベテラン選手とポジションを争いつつ、コンスタントに出場機会を掴んでいったトゥーリオは、2年目の2002年シーズンもリーグ戦22試合に出場するなど、一定のパフォーマンスを維持していたものの、チームの降格を受け、昇格を唯一の目標に掲げて臨む新シーズンの外国籍選手枠に入れず、水戸への期限付き移籍を余儀なくされることになりました。
すると、この移籍は結果的にトゥーリオのサッカー人生において大きなターニングポイントに。福岡の本拠地に乗り込んだ開幕戦で終了間際に決勝ゴールをマークし、チームの勝利にきっちり貢献すると、チームもJ2参入後は初となる開幕3連勝を達成し、堂々の首位に。トゥーリオにとっては古巣対決となった第5節のアウェイ広島戦こそ、0-3と完敗を喫しましたが、第8節の鳥栖戦、第9節の横浜FC戦でシーズン2度目の連勝を飾り、第1クール終了時では自動昇格圏内の2位をキープ。トゥーリオも前半戦だけで5得点を記録し、前田秀樹監督の厚い信頼を得ながら、次々と新たな歴史を刻むチームの中心選手として、圧倒的な存在感を放ち続けます。
そして、その年の10月。念願の日本国籍を取得し、登録名も“田中マルクス闘莉王”に変更されると、翌年にアテネオリンピックを控えたU-23日本代表の招集を受け、以降はレギュラーとしてオリンピック本大会にも出場するまでに。結果として2003年シーズンのリーグ戦は警告累積による出場停止の2試合を除く42試合にスタメンで登場し、何とチームトップの10得点をマーク。その存在はサッカーファンの多くが知る所となり、言うまでもなくその後はフル代表にも選出され、W杯出場というキャリアを辿っていく訳ですが、間違いなく水戸での1シーズンが彼の成長曲線に大きな影響を及ぼしたことは、事実として特筆されるべきことだと思います。
2004年に浦和へ完全移籍を果たし、2010年からは名古屋でプレーしていた闘莉王が、古巣の水戸と初めてリーグ戦で対峙したのは昨シーズンのJ2第14節。京都の一員として西京極に水戸を迎えた一戦は、1-1のドロー決着でした。また、アウェイのKsスタに乗り込んだ第28節のゲームは、0-2と黒星を突きつけられる結果に。ただ、今シーズン最初の対戦となった第11節では、1点ビハインドの終盤に闘莉王が途中投入されてから、2得点を奪って劇的な逆転勝利。過去3度の“古巣対決”は1勝1分1敗と、まさに五分の星となっているのです。
試合はなかったものの、週明けから3日間のオフを挟むなど、ややイレギュラーな1週間を過ごした京都に対し、前述したように讃岐戦で異なる5人のアタッカーがゴールを陥れた水戸の勢いは最高潮。ここ3試合はベンチからも外れている闘莉王の復帰にも期待しつつ、ゲームはアウェイの水戸が流れをそのまま手放さない結果を予想。「2」にマークします。
文=土屋雅史
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※本文中の「1」はホームチーム勝利、「0」は引き分け、「2」はアウェイチーム勝利。
■明治安田生命J2リーグ第23節
2018年7月16日(月)19時キックオフ
ファジアーノ岡山vs松本山雅FC(シティライトスタジアム)
■明治安田生命J2リーグ第23節
2018年7月16日(月)18時キックオフ
京都サンガF.C.vs水戸ホーリーホック(京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場)
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