リーグトップの34得点を挙げている横浜FM。ウーゴ・ヴィエイラ(中央)に頼り切らずともゴールを奪えている [写真]=J.LEAGUE
■川崎フロンターレ 前節の浦和戦は敗れるも、多くの決定機を創出
【プラス材料】
リーグ前節の浦和戦は無得点で敗れたものの、何度も決定機は作っており、鬼木達監督もそこは一定の評価をしている。ならば、あとは決めるべき人が決めるかどうかだ。試合後、相手GKとの一対一を2度決めきれなかった小林悠は、自分の責任を認めながら、それでも強気の言葉を口にした。「自分としてはあれだけ外しても、最後までゴールに向かって要求できた。自分の中では、以前よりも成長できている」。
連戦のため、現時点でのメンバー編成ははかりかねる部分もあるが、浦和戦で阿部浩之が欠場したことにより、長谷川竜也が起用された左サイドハーフは変更される可能性が高いだろう。選択肢として可能性が高いのは、浦和戦で途中出場を果たした齋藤学となる。横浜FMを相手に移籍後初ゴールとなれば、チームにも勢いを与えることになる。
【マイナス材料】
前節は浦和に0-2で敗戦。昨年からリーグ戦で17試合続いていた敵地での負けなし記録も途切れ、連勝も4で止まった。これで今シーズン5敗目となり、昨年の負け試合数を超えたことになる。首位・広島との勝ち点差を考えると、これ以上の黒星は命取りとなる。
浦和戦の反省点を挙げるならば、夏場における早い時間帯の失点は、試合展開を左右するということだ。「安い失点をしてしまった。試合を崩してしまった」と猛省を口にしていたのは谷口彰悟。夏場の連戦は、ペース配分に特に気を配る必要がある。先に失点をすると、そこからひっくり返す試合展開に持ち込むために、かなりの労力が必要になる。ゲームの入り方を含めて、意思を合わせていく必要がある。
対戦相手となる横浜FMは、得点も失点も多いチームだが、派手な殴り合いには応じず、したたかに勝ちきりたい。
文:いしかわごう
■横浜F・マリノス リーグトップの34得点を叩き出している攻撃力が武器
【プラス材料】
ここまで挙げた34得点はリーグトップの数字で、破壊力ある攻撃が今季の売りになっている。J1再開後の3試合で計11得点を固め取りしているように、今は試合展開や状況に関係なくゴールを奪えるようになっている。
ここまでウーゴ・ヴィエイラがチームトップの8得点を挙げているものの、特定の選手に頼っているわけではない。リーグ前節の広島戦は0-4で敗色濃厚となっている状況ながら、途中出場の伊藤翔が一人気を吐く得点を決めた。伊藤自身は「結果にまったく関係ないゴール」と表情を変えなかったが、コンディションの良さはアピールできた。J1再開初戦の第16節・仙台戦ではハットトリックを記録しており、ここへきて上り調子なのは間違いない。伊藤を中心とした攻撃陣の爆発で、良い流れを引き戻せるか。
【マイナス材料】
J1再開後は台風で順延になった第18節・清水戦を除き、1勝2敗と負け越している。その最たる要因が守備面にあることは誰の目にも明らかだろう。3試合で合計11失点しているようでは、いくらゴールを奪っても勝ち点が伸び悩んで当然だ。
ディフェンスに関しての課題は多岐に渡るが、まずは試合の立ち上がりと終了間際という時間帯に気をつけたい。前節の広島戦は前半終了間際の失点と後半最初のセットプレーによる失点で主導権を失った。さらにセットプレーの守備にも改善の余地を残す。ゾーンディフェンスを中心とした戦術が機能しているとは言い難く、マンツーマンに戻すのも一考の価値がありそう。破壊力ある川崎の攻撃を封じないことには活路を見出せない。
文:totoONE編集部
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