柏に復帰した鈴木大輔は、コンディション向上への手ごたえを口にしている [写真]=Getty Images
■柏レイソル 鈴木が早くもディフェンスリーダーとして存在感
【プラス材料】
最終ラインを中心にけが人が相次いでいたが、今週のトレーニングから小池龍太が完全合流し、夏から離脱中の中山雄太も部分合流を果たしたのは大きなプラス材料だ。リーグ前節が復帰戦になった鈴木大輔も、3カ月ぶりの実戦をこなしたことで「コンディションも上がってきた」と話している。さらに鈴木は、清水戦の90分間を通じて、自分が感じた問題点を他の選手に伝えるなど、早くもチームリーダーとしての存在感を示している。最終ラインやボランチの選手は、その鈴木の提言によって気づかされた点もあるという。
前節の清水戦では非常に痛い敗戦を喫したが、最後の最後まで勝負を諦めずにアディショナルタイムに1点を返した執念は評価していい。あのような勝負への飽くなきこだわりを試合開始直後から90分間貫き通せるかだ。
【マイナス材料】
準決勝へ勝ち進んだルヴァン杯の2試合を含めて公式戦は6試合連続で先制を許している。そのうち4試合は開始から15分以内の失点と入り方が非常に悪い。依然としてその課題を改善できず、同じことを何度も繰り返している状態だ。
試合展開的にも、前々節の横浜FM戦と前節の清水戦は同じパターンだった。2点差から1点を返し、流れが傾きかけた時間帯に守備の緩さを露呈して3失点目を決められ、試合をさらに難しくしてしまった。
また、前からプレスに行くというチームの約束事があるが、そのプレスがはまっていないにも関わらず前からプレスに行きたい前線と、はまっていないゆえに割り切って引いて守りたい守備陣との意思疎通ができていない点も大きな問題である。
文:鈴木潤
■サガン鳥栖 好調の要因は守備、直近9試合中7試合で完封達成
【プラス材料】
リーグ前節は、首位・広島を相手に臆することなく見事な勝利を飾った鳥栖。得失点差ながら15位に順位を上げた。後半戦に入り4勝3分2敗と勝ち点を確実に上積みしている。例年にない混戦模様だが、上位との対決もあった中での4勝は、降格圏からの脱出を確信させるものがある。
攻撃陣の活躍が要因の一つだが、9試合中7試合が無失点で終えていることも見逃してはならない。失点した2試合で敗れはしたものの、無失点で抑えていることが好調の要因と言えるだろう。今節は、同じ勝ち点の柏が相手。柏は失点が多いだけに、最近の鳥栖の戦い方ができれば勝ち点を上積みできるだろう。
【マイナス材料】
無失点で終える試合が多い鳥栖だが、けがやコンディション不良がディフェンス陣に集中していることが気掛かりでもある。GK権田修一を中心に期待しておきたい。
得点こそ少ないが攻撃陣は好調なので、文字通り“攻撃は最大の防御”で臨むしかないだろう。左右関係なく、DFもMFもこなすことができる安在和樹をどのような形で使うのか……。先発で起用し、流れによってシステムを可変することもできるし、不測の事態に備えてベンチで温存させるのかが悩みどころでもある。
文:totoONE編集部
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