番組MCを務める岩政大樹(東京ユナイテッドFC)がプロデュースするインタビューコーナー「今まさに聞く」~北海道コンサドーレ札幌・チャナティップ篇 後編~が放送された。
前編では日本に来た理由などを語った。2018シーズンのJリーグでは、昨シーズンから札幌でプレーするチャナティップを始め、サンフレッチェ広島のティーラシン、ヴィッセル神戸のティーラトンら、タイ出身の選手が活躍している。タイ国籍選手として初めてJ1のピッチに立ったチャナティップは、この現状をどう見ているのだろうか。
■タイ国籍選手の活躍について
岩政大樹(以下、岩政) タイもサッカーが発展してきて、人気もそうですけど、若い選手も非常にいい選手が出てきて、今年もジェイ(チャナティップの愛称)だけではなく、ティーラシンとかティーラトンも頑張っています。タイの選手たちも慣れれば日本でやっていけるというのは、ジェイの活躍も含めて手ごたえがタイサッカー界で出てきていると思うんですけど、タイ人が日本に来てプレーするということについて、やってみた感触はいかがですか?
チャナティップ (タイでやっていた時との違いは)技術以外では心と物事に対する態度です。日本では試合でプレーできるかは分かりません。なので、頑張るしかないです。一生懸命練習して、それをチームメートや監督に見てもらうことが大切です。日本にいると、タイにいる時のようなくつろいだ感じではなく、毎日、練習がキツいです。でも体は慣れていきます。コッチ、ツカレタ。エブリデイ(毎日)。
岩政 今、ジェイが気持ちとか意識、ハートの問題だと言っていましたけど、タイ人もタイで十分な名誉を受けて、スーパースターとしてすごく評価されるじゃないですか。その中で、それを敢えて捨てて日本に来るという気持ちの強さがないと難しいですよね。あと、今シーズンは札幌が非常に好調で、これまでにないぐらいいい順位で来ていますけど、攻撃的にサッカーを作っていて、ジェイとしてもやっていて非常に楽しいのかなと思うんですけど。ミシャ(ペトロヴィッチ監督)のサッカーはどうですか?
チャナティップ ソウ、タノシイネ。ミシャはプレーに対する僕の責務をよりはっきりさせてくれました。ただ(監督として)来たばかりの時は、彼のやり方がまだ分からなかったので、「このように走りなさい」、「このようにプレーしなさい」などとよく怒られました。コワイネ(笑)。コワイ。(練習の)アト、ヤサシイ。
■これからの目標、タイサッカーについて
岩政 半年経って、順位も落とさずいい順位で来ていますけど。最初は監督と選手、お互いにいろいろな探り合う中で、半年間経って、結果も出てきましたけど、これからプラスアルファ、自分でシーズン後半、あるいは来年に向けて、どうしていきたいと思っていますか?
チャナティップ 現在のチームの目標はAFCチャンピオンズリーグ出場です。僕もここに長く在籍していますので、自分を成長させてチームの成功に貢献したいです。
岩政 ご自身のプレーについてはどうですか?
チャナティップ チームメートに怒られるのが怖くて、ドリブルをするべき場面でも自分で行かなかったり、チームメートにパスを出したりする場面も多いです。そこを今後、修正していきたいです。
岩政 ボールを持った時に、僕からすると非常に自信満々にプレーしているように見えるんですけど、プレーする時の感覚としたら、比較的、感覚でプレーしている感じですか?
チャナティップ プレー中に軸やタイミングを変えたりするのは、ミシャが僕によく練習させています。ミシャは自信を持ってボールをキープし、楽しくプレーするように言います。
岩政 これからの夢はどのように描いています? まだ23歳ぐらい?
チャナティップ ニジュウヨン(※対談時は24歳。10月5日で25歳になった)。日本で成功したいです。その後は分かりません。どうなるにせよ、頑張るしかないですね。ガンバリマス。
岩政 (笑)。タイのサッカーはどうです? あれからまた変わっているような気もするんですけど。
チャナティップ 悪くなってきています。新しく代表に上がって来た子たちは、まだベトナムやミャンマーとまともに戦えない。難しいですね。
岩政 じゃあ、やっぱりジェイたちの世代が一番いい感じですか?
チャナティップ そうですね。僕がいた時代はかなりの成果を出すことができました。
岩政 今の世代が、ワールドカップの次の予選にいい年齢で戦えますし、ご自身の活躍もそうですけど、タイのサッカーもまた盛り上げてほしいと思います。
チャナティップ たくさんのタイ人が、J1でもJ2でもいいので日本に来てほしいです。お金や未来のことを考えると人それぞれだと思いますが、日本でサッカーをやったほうがいいです。
岩政 海外でサッカーをやることの意義のようなものを、こっちでプレーして感じたとうことですね。
チャナティップ そうですね。日本にいるほうがいいです。食事も練習も順応できますし。
岩政 毎日の生活が変えていくということですね。
チャナティップ (日本では)新しい人との出会いがあり、優秀な選手との出会いがあります。Jリーグはすべての試合が厳しいです。タイでは強いところは強いけど、弱いところは本当に弱いです。日本では強いチームばかり。どのチームの統率システムも優れている。(勝敗の差は)タイミングで選手個人が優っているというだけです。
岩政 なんか、今日はタイにいた時とは言うことが全く変わっていて、僕は非常に嬉しかったです。驚きましたけど(笑)。
チャナティップ ソウダネ(笑)。たぶん大人になったのでしょう。あの頃はまだ考え方が子供でした。
岩政 (爆笑)。
毎週金曜日21時から放送されている『スカサカ!ライブ』だが、次回は10月12日(金)の21時35分から23時5分までの放送となり、キリンチャレンジカップの日本対パナマ戦の試合直後レビューを大々的にお届けする予定。その他、ルヴァンカップ準決勝第1戦のハイライトなども放送される。
By サッカーキング編集部
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