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【土屋雅史氏のJ2展望】勝利が欲しい岐阜と岡山が長良川で激突…3位町田と首位大分のビッグマッチも注目

2018.10.12

今節、岐阜の竹田忠嗣は古巣の岡山と対戦する [写真]=J.LEAGUE

■10年の時をともにした古巣と対戦する、岐阜の竹田忠嗣

 第34節の東京V戦では、悪夢の連敗を10でストップしたものの、その後再び2連敗を喫してしまい、残留争いを強いられている20位の岐阜が、こちらも5戦未勝利と勝ち点を積み上げられず、昇格プレーオフ圏内が遠のきつつある12位の岡山と、長良川で激突する第37節。このゲームは、JFL時代から10シーズンを過ごした岡山を後にし、今季から岐阜へ加わった竹田忠嗣にとって、意識せざるを得ない“古巣対決”にあたります。

 ジュニアユース舞浜からユースへ昇格するなど、もともとは市原の下部組織で育った竹田。ジュニアユース時代は2つ上に小宮山尊信、ユース時代は2つ上に工藤浩平、1つ上に八角剛史も在籍していた環境下で、高校3年時はキャプテンも任されていた竹田は、川淵勇佑、金東秀とともにトップチーム昇格を勝ち獲ります。

 当時の市原はオシム監督体制3年目を迎え、リーグ優勝を明確にその視野へ捉えていた時期。最終ラインは斎藤大輔、ストヤノフ、水本裕貴、結城耕造と実力者で占められており、竹田の主戦場はJFLに所属していたリザーブズに。トップチームでの公式戦出場は果たせぬまま、在籍4年目の2008年夏にはリザーブズ同様にJFLを戦っていた岡山へと完全移籍することになりました。

 Jリーグデビューは、岡山もJ2参入1年目だった2009年4月15日のC大阪戦。乾貴士や香川真司がスタメンに名を連ね、柿谷曜一朗が途中出場したゲームで、竹田もJリーガーとしての第一歩目を記すと、以降はボランチや3バックの中央を兼任しながら主力に成長し、2011年にはプロ7年目でとうとうリーグ戦初ゴールを記録。2014年以降は一貫してチーム最古参選手の立場で、チームをピッチ内外でまとめる存在になっていったのです。

 そんな竹田も2017年シーズンはリーグ戦で10試合の出場にとどまり、シーズンオフには契約満了に伴って岐阜への完全移籍を決断。多くのサポーターに惜しまれながら、10年の時をともにした岡山を離れることになり、大木武監督の下で新たなスタイルのサッカーへ挑戦します。

 印象深いのは今季序盤、第7節の甲府戦後に話を聞いた時のこと。岐阜の特異とも言うべきサッカーへの順応について尋ねると、「本当に新しいサッカーの視点が広がりましたし、自分の可能性というのも広がっています。僕はプレースタイル的にも岐阜に合っていると思うので、自分の良さをこの中で出していかないといけないし、守備がちゃんとできればもっと順位は上に行くと思います」と答えつつ、「1人でどうのこうのできればいいですけど、サッカーはチームで、22人でやるスポーツなので、まだまだやれることはいっぱいあると思います」と続けた言葉の意味合いの深さに、「面白いことをいう人だなあ」と強く感じたことを記憶しています。

特異なスタイルを打ち出す岐阜へと加入した竹田は「本当に新しいサッカーの視点が広がった」と話す [写真]=J.LEAGUE

 ちなみにこれも甲府戦の話ですが、攻撃的なスタイルを標榜するチームだけあって、「なんかこうスペースが見えてくるので、そこがなかなか難しい所で、思わず上がり過ぎてしまって、プレシーズン中に大木さんに『ちょっと危ない』って言われました。今日も1回前に出ちゃいましたけど(笑)」と明かした竹田。“リスク上等”の大木監督から『ちょっと危ない』と言われるあたりに、彼のアグレッシブな姿勢が窺えます。

 前々節までは6試合続けてスタメン起用されていたなかで、ベンチスタートとなった前節は1点ビハインドの状況で投入されるも、チームはそこから山口に2ゴールを奪われ、1-4で完敗。苦しい時期が続いているものの、こういうタイミングでこそ様々な艱難辛苦を蓄積してきた竹田の経験値が生きるはず。スタメンでも途中出場でも、3番を背負う32歳のプレーに注目して損はないでしょう。

 これ以上負けられないのは岐阜も岡山も同じ。ヒリヒリする90分間が予想される今節ですが、双方が有する最近の得点力を考慮すると、おそらくはロースコアの勝負に。ここはお互いに1点ずつを取り合ってのドローをピンポイント予想。「0」にマークします。

■かつて大分U-18で活躍した、町田の井上裕大と大分の小手川宏基

 前節はホームで山形とスコアレスドローを演じ、2試合消化が少ないとはいえ、3位が続く町田と、逆にここに来て5連勝と絶好調の域に突入し、とうとう首位に立った大分が、町田のホーム野津田で激突する今節きってのビッグマッチ。この一戦では高校時代の同級生にスポットを当てたいと思います。

 西川周作に梅崎司と攻守の2枚看板が揃ってトップチームへ昇格した年に、彼らと入れ違う格好で大分U-18でプレーすることになった井上裕大と小手川宏基。前者はU-15からの昇格であり、後者は大分屈指の街クラブとして知られるカティオーラFCからの加入。同期にはともにトップ昇格を果たすことになる清武弘嗣や石田良輔、2つ上にはU-18在籍中にトップデビューを果たす福元洋平や梶原公など、かなりのメンバーが揃う環境の中で、プロを目指す日々を送ることになります。

 先に頭角を現したのは小手川。加入して最初の公式戦にあたる、1年時のプリンスリーグ九州開幕戦で、国見高校を相手に清武との2トップでスタメンに抜擢されると、九州クラブユース選手権ではゴールを量産し、秋の高円宮杯への出場権獲得に大きく貢献。着々とチームの中での立ち位置を確立していきます。

 また、井上も主に途中出場で実戦経験を積み重ねていくと、小手川より先にプリンスリーグ九州でゴールを記録。夏過ぎからはスタメンで起用されるゲームも増えていき、既にチームの得点源になっていた清武も含めた1年生トリオは、実力でその存在感を高めていきました。

 1学年下には東慶悟や清武功暉、岸田翔平、岸田和人、越智亮介などプロまで辿り着くタレントが居並ぶ中、3年時には井上がキャプテンに就任する一方で、トップチームのキャンプで当時のシャムスカ監督へのアピールに成功した小手川は、2種登録選手としていきなり開幕2戦目のアウェイ磐田戦でJ1デビュー。福元が持っていたクラブの最年少出場記録を更新し、一躍脚光を浴びることになります。

 前述したように井上と小手川は2008年シーズンにトップチームへと昇格したものの、クラブ史上最高位の4位に食い込んだこの時の大分は精鋭揃い。森重真人、金崎夢生、高松大樹と日本代表クラスの選手に加え、ホベルト、エジミウソン、ウェズレイのブラジリアントリオと強烈なメンバーが活躍しており、なかなか2人に出場機会は回ってきません。加えて、2010年にはJ2へと降格したことに加え、ともに負傷などもあって、レギュラーを掴むまでには至らず、2013年に井上は長崎へ、小手川は北九州へと新天地を求めることになり、別々のクラブでリスタートを切りました。

 それから5年。一昨季に完全移籍で加わった町田で不動のボランチという地位を築き上げた井上は、今季からキャプテンに就任。開幕からフル出場を続け、チームの上位進出を中盤で支えていたものの、8月18日に行われた第29節の松本戦で無念の負傷。全治6週間の診断を受け、早期復帰が待たれる所です。そして4年間に渡る北九州でのプレーを経て、2017年に大分へ帰還した小手川は、今季も夏過ぎからスタメン出場の機会が増えると、前節の京都戦では2ゴールを挙げて逆転勝利の立役者に。好調を維持したまま、今週末の重要なゲームに向かいます。

井上(左)は町田でキャプテンを務めるなど、チームの中心として活躍。小手川(右)は古巣の大分へ帰還し、スタメン出場の機会を増やしている [写真]=J.LEAGUE

 井上の負傷により、“同級生”がピッチで再会する可能性は限りなく小さいものの、この好カードを語る上で欠かせない要素として、この2人の関係性にフィーチャーしてみました。そんな楽しみなゲームですが、チームとしての勢いはやはり大分に分が。ここはアウェイチームが勝ち点3を奪い取る「2」で勝負します!

文=土屋雅史

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※本文中の「1」はホームチーム勝利、「0」は引き分け、「2」はアウェイチーム勝利。

■明治安田生命J2リーグ第37節
2018年10月13日(土)15時キックオフ
FC岐阜vsファジアーノ岡山(岐阜メモリアルセンター長良川競技場)

■明治安田生命J2リーグ第37節
2018年10月14日(日)15時キックオフ
FC町田ゼルビアvs大分トリニータ(町田市立陸上競技場)

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