[写真]=Jリーグ
第33節のセレッソ大阪戦、柏レイソルは今季のベストパフォーマンスと言っていい内容で3−0の快勝を収めた。しかし残留争いのライバルチームが揃って勝利を収めたため、勝点差4は縮まらず、9年ぶり3度目のJ2降格が決まった。
ただし、前述の通りC大阪戦の柏はそれまでの32試合とはまったく別のチームだった。11月10日に加藤望監督が解任され、トップチームとアカデミーとの兼任コーチを務めていた岩瀬健コーチが就任した。岩瀬監督は、わずか2週間という限られた時間の中で、どのような蘇生術を施したのだろうか。
C大阪戦前、岩瀬監督は、今季の低迷の原因のひとつに「選手が迷ってプレーをしている」ことを挙げ、選手たちの持つパワー、スピード、アイデアを発揮させるために、まずはその迷いをなくさせることに着手した。攻守両面において、ぼやけていた戦術を明確にし、各局面における選手ごとに与える役割をはっきりさせる。例えば、守備面ではボールの位置によってどこにポジションを取るか、どのエリアで相手選手がボールを持ったら誰がアプローチに行くかなど、その指示はかなり詳細に渡って伝えられたという。
さらに戦術面と同等に、岩瀬監督が選手に要求したのが球際と切り替えの部分だ。以下は、C大阪戦前々日の岩瀬監督の言葉である。
「こういう緊迫したゲームだと、ちょっとした球際、切り替えで点を取れたり、ずれたりということがある。ボール1個分身体を寄せて、前に転ぶか後ろに転ぶかというボールは、できるだけ前に行くようにという練習もしてきました。戦術と同じぐらい球際、切り替えは大事だと思っています」
その言葉を体現するかのごとく、柏は明らかに球際と切り替えでC大阪を上回っていた。53分の中山雄太の素晴らしいミドルシュートも、58分の江坂任の追加点も、直前のプレーを振り返れば相手選手への果敢な寄せと、そこからのルーズボールが柏の攻撃の発端となっている。
岩瀬監督が練習で厳しく選手に要求し、それを選手自身がやり続けてきた。だからこそ、試合のピッチでも同じことが表現できる。大谷秀和はその点をこう語る。
「練習でできないことは試合でもできないというのは、改めてこの2週間で感じました。最後の体を張る、ゴールを入れる意識を持つというのは当たり前のことですけど、練習の中でその一歩を出すことができなければ、ゲームでは出せない」
そして、「そういうところが日々の練習を含めて(今年は)足りなかった」と付け加えた。
実はこの点に関しては、大谷と栗澤僚一が、すでに一昨年の時点で「練習から厳しさが足りない」と指摘していた部分でもあった。練習で味方選手にケガをさせてはいけない、試合に向けて疲れを残してはいけない。もちろんそれは大切だが、近年はその意識が先行しすぎることで試合同等の強度で練習が行われていなかった。誰も試合に負けようと思って練習をしていない。下平隆宏監督も加藤監督も間違いなく勝つために取り組んでいた。しかし低強度の“こなすだけ”の練習では、試合を想定した万全の準備ができていたとは言い難かった。
そして何より、岩瀬監督は“戦う”ということを貪欲に求めた。11月10日の監督就任時の取材でも、試合前々日の囲みでも、岩瀬監督は「勝ちたい」「勝つためにはなんでもやる」と、勝利を意識したフレーズを我々の前で何度も発し、“勝つこと”に対する強いこだわりを露わにしていた。
中川寛斗が「健さんは、選手のモチベーションを上げることを言ってくれる。言葉の使い方もうまい」と話していたが、ミーティングでも練習でも、岩瀬監督は常に「勝つためにやっている」という目的を説き、選手の勝利に対する意欲を煽った。
戦術を整理し、試合同等の強度と厳しさを持って練習を組み、さらに勝利を追い求める飽くなき欲求を煽った。C大阪戦の3−0というベストパフォーマンスは、こうして引き出された。
降格という結果は変えられない。だが、自力残留のない難しい状況下で監督を任され、2週間という短い期間でチームを蘇らせた岩瀬監督の覚悟と情熱は、敬服に値する。
文=鈴木潤
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By 鈴木潤