齋藤学(左)と阿部浩之(右)が白熱バトル!
世界中で人気を博しているサッカーゲーム『FIFA』シリーズ。大好評発売中のシリーズ最新作『FIFA19』で、Jリーグ連覇を果たした王者・川崎フロンターレの選手同士による夢の対決が実現した。
『FIFA19』は引き続き、J1リーグのチーム・選手が実名で登場。世界の名だたるチームとの対戦や、お気に入りの選手を自分で作り上げるチームに組み込むことができる。また、シリーズ初となるファン待望のUEFAチャンピオンズリーグモードを搭載。あのアンセムを聞いての高揚感に浸りながら試合に臨むこともできるようになった。オリジナリティあふれるルールを自分で設定して試合を楽しむモードが追加された他、プレイ面でもより細かく選手を動かせるスキル、戦術が進化し、リアルな試合・ストーリーを体感できる。
第1弾のガンバ大阪(https://www.soccer-king.jp/news/japan/jl/20181107/856591.html)、第2弾のFC東京(https://www.soccer-king.jp/news/japan/jl/20181113/862475.html)、第3弾の名古屋グランパス(https://www.soccer-king.jp/news/japan/jl/20181120/866083.html)に続き、今回登場となったのは、阿部浩之と齋藤学の2選手。まずは対戦前に練習としてプレイ。両者ともにサッカーゲーム経験者ということもあって、操作はスムーズ。出てくるチームメートの姿や動きを見て、「似てる!」、「本物すぎる」と感動しながら操作性を確認していた。
テストプレーが終わると、いよいよ阿部vs齋藤による川崎vs川崎の勝負が始まる。「ボコボコにしてやります。5-0でいきます」と、強気な姿勢を見せる余裕の阿部に対して、「本当にボコられるやつじゃないですか。マジ嫌だ」とやや弱気の齋藤というという構図だ。試合前に組まれた円陣を見ながら、「すごいリアル」と齋藤が驚きつつも、「阿部くんがめっちゃ指示出してる!」と笑うと、「俺、そんな(指示を)出さへんよ。恥ずかしい」と阿部が照れる場面も。
キックオフ時に「まず5分以内に一点取る」と宣言していた阿部は、その言葉通りに、開始直後に先制パンチを浴びせる。阿部が操る齋藤の突破から小林悠がポストプレー。そこから家長昭博が抜け出して、電光石火の先制弾が決まる展開に。「ウソでしょ?」と茫然自失の齋藤に対して、「その前の、学のドリブルやな。アキさん(家長昭博)の体が強い」と味方を絶賛する阿部。一方、失点シーンを振り返る齋藤は、「奈良(竜樹)ちゃん、負けんな!(チョン)ソンリョン止めてくれよー!」と、うなだれるしかなかった。
反撃に出たい齋藤だが、阿部が見せる攻守の切り替えの早さと、巧みな操作の前に思うように攻め込めない。突破を仕掛けた齋藤がファウルを受けて倒れた自分を見て、「危ないよー」と自らの身体を気遣って、笑いを取る一幕も。すると、一瞬の隙をついて阿部の操作する家長がオフサイドギリギリで抜け出し、右サイドの阿部が流し込んで追加点。自らの得点に「誰?誰が決めたの?」と、とぼける阿部。アップになった自分の姿に、「阿部くん、めっちゃかっこいいじゃないですか」との齋藤の声に、「確かに」と応え、すっかりご満悦のようだった。
2点のビハインドを負った齋藤は猛反撃。阿部を使って左サイドでドリブル突破を仕掛けるも、そこからの切り返しを読んで阿部が操作するエウシーニョが対応するという、サイドでの熱い攻防戦を展開。チョン・ソンリョンに好セーブでしのがれてしまうが、小林の惜しいシュートもあり、「(スタジアム)湧いたね?」(齋藤)と、ようやく見せ場を作ることができた。
ところが試合の流れは再び阿部に。パスワークで崩したこぼれ球を拾った齋藤がドリブルで無人のゴールへ……のはずが、必死に戻ったチョン・ソンリョンにかき出されるも、最後は詰めていた家長がゴールネットを揺らす。「えっ、入った?」、「オウンゴール?」、「何これ?」と二人も困惑する得点だったが、これでスコアは3-0に。
思わぬ大差でハーフタイムに。「学の撮れ高、ないんちゃう?」と心配した阿部は、後半になると、やや重心を下げてカウンターを狙う試合運びを意識。互いに見せ場はあったが、スコアは動くことなく、このままタイムアップとなった。「強かったー。前半の戦い方ですね」と反省の弁を述べる齋藤に対して、「フロンターレらしいサッカーができたかな」と試合内容に胸を張る勝者・阿部。実に分かりやすいコントラストであった。
『FIFA19』では対戦するだけでなく、協力プレイも楽しめる。第2試合では阿部&齋藤でコンビを結成し、サッカーキングチームとの対戦に臨むこととなった。
協力プレイということもあり、「試合と一緒でドリブルに期待します」(阿部)、「パワフルなゴールを期待します」(齋藤)とお互いを生かすコメントを述べた二人。序盤から主導権を握った阿部&齋藤チームは、小気味良いパスワークで攻め込んでいき、先制に成功する。シュートの跳ね返りをゴール前に詰めていたのは大島僚太だ。協力プレイによる得点に、二人は試合さながらに肩を組んで喜びを表現していた。
サッカーキングチームも簡単には負けられない。絶妙な抜け出しから齋藤が、GKとの1対1を落ち着いて決めて、試合を振り出しに戻す。自分に決められた得点に、「いいシュート、持っているな。普段、出せよー」と齋藤は自虐を言い放ち、周囲を笑わせていた。
二人のコンビネーションは、試合が進むにつれて冴えを見せ始める。右サイドを抜け出した阿部のクロスに、中央で小林が合わせて追加点。「悠くんの動きを見てよ?」とリプレイを確認していると、実はオフサイドだったと判明。「オフサイドかい!」と落胆する二人。前半は1-1で終わったが、「締まったいい試合」(阿部)でハーフタイムで迎えた。
リードを奪ったのは、またも阿部&齋藤チーム。スルーパスに抜け出した阿部が、正確な左足を振り抜き、鮮やかにゴール。「スーパーゴール!……誰?」、「……俺~!」と喜び、「完璧やな」と自画自賛。ゲーム内の阿部による両手を広げるゴールパフォーマンスを見た齋藤が「今度、点を取ったらお願いしていいですか?」と頼むと、「FIFAのやつって、言うてな」と、思わぬゴールパフォーマンス宣言(?)も飛び出していた。阿部&齋藤チームは、さらに細かいパスワークからゴール前を崩して追加点。そのまま3-1で勝利し、凱歌をあげた。
試合後、「勝っちゃいましたね、サッカーキングに」(齋藤)、「勝つっていいね」(阿部)と喜びを噛み締めていた二人。ディフェンスの操作にはやや苦戦していた印象だが、「リアルすぎて慣れるまで少し時間がかかったけど、本当に面白かった。うまい人たちがやったら、本当の試合みたいになるんじゃないですか」(齋藤)と、「シュートもドリブルも、やりやすかった。オフェンスに関して言えば、フロンターレらしいサッカーができたかな」(阿部)と総括。すっかりゲームを堪能してくれていたようで、笑顔のまま取材部屋を後にしていった。
文=いしかわごう
写真=野口岳彦