12月21日放送の#87では、番組MCの岩政大樹がプロデュースするインタビューコーナー「~サンフレッチェ広島 青山敏弘篇 前編」が放送された。
岩政は12月初旬、シーズン終了後にサンフレッチェ広島の練習場を訪問。キャプテンである青山との対談が実現した。
「非常にサッカーがうまい選手。立ち位置の取り方も上手ですし、ボールを持ってからの判断もいい。遠くが見えるボランチという点では、最近、減ってきたタイプの選手ですね」。岩政がそう評する青山は、2004年に岡山県の作陽高校から広島に加入。3度のJ1制覇などに貢献し、来季は在籍15年目を迎える。
2018シーズンの広島は、ロシア・ワールドカップの中断に入る前は12勝1分2敗、得点22、失点8という快進撃を見せたが、中断明け後は5勝5分9敗、得点25、失点27と失速。最終的には2位でシーズンを終えた。まずはそのシーズンを振り返った。
■今シーズンの戦いを振り返って
岩政大樹(以下、岩政) 今シーズンが終わったところで、2位で終わりましたけど、非常に浮き沈みのあったシーズンになりました。今、2位ということについては、率直にどのようにとらえています?
青山敏弘(以下、青山) 難しいですね、評価は。自分たちでも評価するのが難しいシーズンだったと思っています。やっぱり、前半あれだけポイントを稼いだ中で、後半失速という現実は、ポジティブではないかな、と思っています。
岩政 (前半戦の好調は)チーム内でも少し驚きだったんですか?
青山 驚きはなかったですね。しっかりトレーニングができていましたし、やることはすごく明確だったので。ただやっぱり、あの流れ、勢いというのは、自分たちでもすごいな、とは思っていましたね。
岩政 チームとしても状態がよく、結果が出て、非常にいい前半戦でしたけど、監督が替わった年って、(過去にも)いろいろな監督さんがいたと思いますけど、いつも難しいじゃないですか。その中では素晴らしかったですけど、チームの作り方の段階で、青山選手はこれからもサッカー人として生きていくんでしょうけど、何が良かったと考えています?
青山 まずは前年(2017シーズン)の、残留争いをした苦しさ、悔しさ、危機感、そういうところが、今年の結果にこだわるところに入ったと思うんですけど。監督も新しくなって、まずは守備から、というところをはっきり言われていたので、そこは非常に分かりやすかったですし、守備がイコール、そのまま結果に結びついてきたので、それが自信になりましたし、その2つ、メンタルの部分と、グラウンドでのはっきりとしたコンセプト、その2つかな、と思っています。
■不振に陥った後半戦、チーム内で起きていたこと
岩政 前半戦の好調時から、青山選手ぐらいの経験があると、当然、後半戦のどこかで苦しい時期が来ると分かっていたと思うんですよね。そこに突入する前に、いろいろな準備ということもたぶん考えていらっしゃったと思うんですけど、そのあたりは、勝っている時も少し冷静に見るところもありました?
青山 勢いがある時は、そのまま考えていましたね。僕よりも先に、監督から「このままじゃ勝てなくなるよ」と言われて中断期のキャンプを過ごしたんですけど、それに対して今までは、このサッカーだけで勝ちを取ってきた、その(守備重視の)サッカーしか選択肢はなかったんですけど、でも、このサッカーじゃダメだよって考え出した時に、またもう1個、ボールを持つ時間であったり、チーム全体としてのボールの動かし方、スキルもそうですけど、そういったところに目を向け始めた。その両立というのができなくなってきたなというのは、うまくいかなくなった時にはちょっと感じていましたね。
岩政 結果としては、そこでうまくいかなかったという形になるんでしょうけど、とは言え、いずれそこにトライしなければならないところはあるじゃないですか。これはもう仕方のないところの中で、今シーズンは最後に結果が出なかった、これは結果として仕方がないところなんですけど、その時に、両立を目指した時に、もう一つ、加えようと思ったところがうまくいかなかったのか、もしくは加えようとしたがために、元々あったところが少しおろそかになってしまったのか、これはどちらだったと今、分析しています?
青山 チームの中では、後者(元々あったものがおろそかになった)だと思っています。今までよかったものに対して、プラスアルファのものを目指したんですけど、目指している間に、今までよかったものがおろそかになってきた。それはみんなで確認し合いましたね。
■来シーズンに向けて
岩政 そのあたりはまた来年に向けて、そのあたりをうまくバランスを取りながらやっていくという作業になるんですかね。
青山 本当にそうだと思っています。今年の、成功なのか失敗なのかはちょっと難しいところですけど、これを来年に生かすべきですし、結局はまだ監督が替わって1年目、サッカー自体もでき上がっているとはまだ言えてないと思うので、ここからの伸びしろはきっとあると思いますし、正直、去年よりも今年のほうが悔しさは大きいので、この思いは絶対に来年、ぶつけないといけないな、とは思っています。
毎週金曜日21時から放送されている『スカサカ!ライブ』。次回は12月28日(金)21時スタートの予定となっており、アジアカップ特集や「今まさに聞く~サンフレッチェ広島青山敏弘篇~後編」などが放送される。
By サッカーキング編集部
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