FC東京がXFLAGと共に目指す「サッカー観戦」の形について語ってもらった(左:家木大輔さん 右:柴篤志さん)
2019シーズンからパートナーシップ契約を結んだ株式会社ミクシィのエンターテインメント事業を担うブランドXFLAGとFC東京。東京ヤクルトスワローズや千葉ジェッツなどのスポーツチームと関わり、「モンスターストライク(以下、モンスト)」をはじめとするエンターテインメントの分野で活躍するXFLAGがFC東京とどのように関わり、そしてどのようにFC東京が変わったのか。
株式会社ミクシィ スポーツ事業推進室 第2マーケティンググループマネージャーでありながら、FC東京イベント・プロモーション部を兼任する柴篤志氏と FC東京広報部兼イベントプロモーション部の家木大輔氏に話を聞いた。
XFLAGは2019年2月1日よりFC東京とのマーケティングパートナーシップをスタートし、青赤パークの運営や、選手紹介映像の制作など、様々な分野でFC東京とのコンテンツづくりを進めている。FC東京がXFLAGと共に目指す「サッカー観戦」の形とは。
ゲーム、アニメーションとスポーツの共通点
――なぜXFLAGがプロスポーツチームとパートナーシップを結ぶのかお聞かせいただけますか。
株式会社ミクシィ 柴篤志(以下、柴):まず、XFLAGは、元々「モンスターストライク」というスマホゲームアプリや、それに通じるアニメーションなどのサービスを提供しているのですが、スポーツとゲームやアニメといったコンテンツには通じるものがあり、みんなで集まってワイワイ楽しめるものというところで、楽しみ方は違えども、大きな傘の中では一緒だと思っています。その中でXFLAGは、「一人じゃできない熱狂を。」をスローガンに、スポーツチームや選手のスポンサー活動をしています。そのスローガンはXFLAGの戦略コンセプトである「B.B.Q.(バーベキュー)*」から派生したメッセージで、友だちや家族とみんなで集まってワイワイできる場をスポーツでも作ることを我々のミッションとしています。XFLAGがこれまでエンターテインメント事業で培ったノウハウを、スポーツ観戦の場に注入することによってスポーツの場で起こる熱狂をもっと最大化できると思っています。その考えを実現するため、FC東京や千葉ジェッツといったプロスポーツチームとマーケティングパートナー契約を結び、日々サポートさせていただいています。
*”B.B.Q.(バーベキュー)”
XFLAGが掲げる戦略コンセプト。ミッションを実践する上で、 屋外で楽しむ “バーベキュー”のように《友達や家族と集まって、熱く盛り上がれる場所》を創ることが重要な価値として示したもの。
――確かに、スポーツもゲームも、みんなでワイワイできるという共通点がありますね。柴さんと家木さんはそれぞれの立場でどのようにチームに関わっているのでしょうか。
柴:XFLAG、FC東京イベントプロモーション部の両方の立場からスタジアムに来ていただくお客様に試合以外も楽しんでいただけるよう、主にコンテンツ制作を担当しております。
――ありがとうございます。家木さんはいかがでしょうか。
東京フットボールクラブ株式会社 FC東京 家木大輔(以下、家木):もともと僕は広報を担当していたのですが、現在ではイベントプロモーション部という部署を兼任しています。
――柴さんは実際に、どのようなコンテンツ制作を行っているのでしょうか?
柴:選手紹介の映像などのスタジアム内の映像演出や「青赤パーク」のイベント企画を行わせていただいています。
XFLAGとFC東京が起こしたサッカー観戦のイノベーション
――XFLAGとFC東京、それぞれのチームで新たに行ったコンテンツ制作で、一緒に関わっていくことで起こった変化はどんなものだったのでしょうか?
家木:「青赤パーク」でいうと、昨年までは「青赤横丁」という形で、ケータリングカーを呼んでお客様に飲食をしていただくスペースをご用意していたのですが、どうしても長年やってきて伸び悩みは感じていました。XFLAGさんが入ってくれたことでサッカー以外の視点というか、サッカー以外のスポーツをサポートしたり、エンターテインメントを手掛けている方々と一緒に取り組むことで、「サッカー+他の体験を持って帰ってもらう」といったことをクラブとして提供できるようになったのは大きな変化であると思います。サポーターの方のなかには、早めにスタジアムに行って仲間とご飯を食べたり、雑談をして試合までの時間を過ごし、試合を観て帰る方もいます。ただ、東京では、スタジアムが駅から近いので、「どこかに寄って、美味しいものを食べてスタジアムに来ようか」ということがあり、スタジアムでの過ごし方がサッカー観戦だけになりがちだったと思うんです。そこで、「青赤パーク」がXFLAGさんとのリニューアルによって早めに飲食売店を開けるようになり、子供も楽しめるコンテンツが増え、サッカーを観る以外の思い出を持って帰って経験してもらうようなことも出てきました。
サポーターの人も「早く行って楽しかったね」や、試合を見た後に「勝った余韻に浸りながらお酒飲むのもいいよね」とか。今年やっている施策として、有名店を呼んだり、アウェイチームに関するメニューを出店したりして何かいつもと違うものを感じてもらいたい。試合後のアンケートを見ても「美味しかった」、「楽しかった」、「この店をもっと増やして欲しい」、「こういうの食べたい」という意見などを頂いています。100パーセントそれにお応えできるかというとそうではないかもしれないけれど、まだまだ改善して楽しませることができる部分もあり伸びる可能性を秘めているコンテンツだと思っています。
――スタジアムに滞在する時間が長くなっているというのは変わったことの一つ、いろんなコンテンツを楽しんでもらって、FC東京をもっと好きになってもらうということですね。
家木:おっしゃる通りです。サッカーのコンテンツは、週末に開催して、例えば家族連れであれば、休みの日に「遊園地に行きましょう」、「買い物に行きましょう」という選択肢の一つとして、選んでもらわなきゃいけないポジションだと思っているんです。遊園地やテーマパークって、入場するまでの間に、「キャラクターのマークのバスに乗った」とか、「グッズのショップがあって新商品を買えた」みたいな。「会場の中で遊んで楽しかったよね」という話だけじゃなくて、「スタッフも面白かったね」、「ホスピタリティがあるね」という話になって、それが一番思い出に残りやすいと思うんです。サッカーは、勝った負けたが絶対にあるので、僕らの力で絶対勝たせられることはないんですが、楽しい思い出を作って、お客さんたちが「楽しかった」、「もう一回行ってみよう」、「もっと応援してみよう」といったような動きを作ることは一つのきっかけでできると思っています。
――柴さんは、サッカーというコンテンツに対してどのようにお考えですか?
柴:去年、スポンサーとしてご一緒したなかで、XFLAGとしてサポートできることと考えていたところがまさに家木さんが言ったところだったんです。「一日を通じてスタジアムの中も外もサッカーを楽しんでもらう」というコンセプトを立て、FC東京の皆さんと一緒に取り組むなかで去年とは違う体験を提供していけているのではと感じています。
――映像の演出はいかがでしょうか?
家木:今までは自分たちだけでやっていたので、変化を加えにくかったというか。今までの流れでやっている部分があって、変化させたかったけれど、そこを踏み越えられなかったということがあるんですね。XFLAGさんが入って、クリエイティブ力を持っている人達と一緒にやることで、すごい変化をチームとして進めていると思います。お客さんの反応もいいですし、今年のホーム開幕戦で、選手紹介の映像が流れた瞬間に大歓声が起きるくらいだったので。それを見るとこっちも良かったなと思うし、選手とやることの何がいいって、選手と意見を出し合って、自分たちの好きなポーズとか、好きなプレーをする。選手たちはそれに出るだけじゃなくて、モチベーションになってこういう演出をやってくれているから、俺らも頑張ろうよとか。クラブと選手をつなぎとめる役割も果たしていると思うんです。お客さんも喜んで、クラブとしてもいいものを作って、選手たちも喜んで、となると相乗効果になっていいものになっていくと思います。去年よりクオリティも高くなり、演出も良くなり受けも良くなりましたが、一番変わったことはみんなで一緒に作って気持ちを動かしたというか、みんなで一緒にやるということを動かせていることが大きなプラスになっていると思います。
柴:今回自分が選手紹介映像やクラブ紹介の映像の企画を行わせていただいたのですが、選手紹介映像ではファン・サポーターの文化を大事にしました。選手紹介の時にコールされる掛け声を昨シーズンのうちから録音していて、今までの選手紹介のテンポと同じテンポで今年のムービーを作っているんです。サポーターからすると映像は変わっているけれど、声出しのタイミングや応援をするときの発声のタイミングなどは変わらないように配慮しました。また、映像に使う選手たちの撮影を沖縄キャンプで行った際、全く勝手がわからない中でしたが、家木さんが粘り強く選手と調整してくれて、すごく僕らは助かりました。
家木:時間かかりましたけどね(笑)。途中で合流してくる選手がいるとまた組み直すし、大変なんですよ、調整って。キャンプでやるのは、選手たちも時間があるし、それに集中してくれるのでいいことだと思ってやりました。選手たちも初めてのことばかりだったので、「こんなことやるの」とか。例えばメイクだったり、汗みたいに顔や身体に水滴をつけたりっていうことはきっとテンションも上がったと思います。
――選手紹介の映像制作を通じて、チーム全体としても意識は変わったのでしょうか。
家木:変わっていると思いますね。特に、新しい取り組みに対する受け入れ方が大きく変わってきていると感じています。今回の映像制作の反応を見ればチーム側も新しい取り組みに対して、「それはやらないよ」とはならないじゃないですか。それはいいことだと思っています。
「強くて愛されるチーム」を作り上げるために XFLAG×FC東京 が目指す未来
――これからについて考えられていることはあるのでしょうか。
柴:もっと色々とやりたいと思っていますが、今年がスタートだと思っています。まずはファン・サポーターの人たちが喜んでいただけるようなことを色々やっていきたいと思います。
家木:やることはいっぱいあるんですが、それをやるためにクリアすべき課題が多くて、もちろんそれも楽しいです。例えば新しいことを一通りやるじゃないですか。すると次の課題が見つかって、もっと大きいことをやろうと思う。だから満足にできないというのはありますけど、時間はかかりますが、今までサッカーチームがやってこなかったことを、もっとやってみたいと思っています。今は、これまでやっていたものを変えただけなんですよ。これからは新たなコンテンツを生み出して、これがサッカー観戦のスタンダードっていうようなものを作り上げることが次のステップですね。
――近々で考えていることはありますか。
家木:例えば、アーティストを呼んでフジロックみたいなイベントをやる。こっちのステージやってるけど、こっちもやるみたいな。そうすれば、はしごもできますよね。サッカーなので、サッカーをやる時間はもちろんありますけど、その前に1日を使ってどこかでなにかやって、もう一か所でなにかをやって、そしてサッカーを観に来る、といったような。そちらを観に来る人がサッカーをついでに観るといったようなことでも全然良くて。そういう人たちを取り込みたいと思っていますね。「東京って、面白いことやってるよね」というのが日本に広がってくれれば。東京らしさ、日本の首都として、洗練されたものであったり、クリエイティブなものを生み出したいと思っています。
――サッカー観戦に普段来ない人も取り込んでいける。まさに「サッカープラスアルファ」の視点ですね。では、そのように多くのファンを取り込んでいって、今後FC東京として目指すクラブの姿はどんなものなのでしょうか。
家木:今年はラグビーワールドカップもあるし、来年には東京オリンピックがあって、サッカーの話題が他の話題に埋もれてしまうこともあるかもしれない。僕らのチームって「強くて愛されるチーム」を目指すことが一つの目標なので、強くなるというのはもちろん勝敗もですけど、成績が悪くてもファン・サポーターたちの動きが活発で、いつもカルチャーが話題として上がる。そういう動きがビジネスサイドから出せると選手たちも喜ぶし、勝っているから人気があるとかじゃなくて、クラブ全体の勢いとか盛り上げがチームの勢いを作っているみたいにしたいです。オリンピックなどの世間の話題や、チームの成績に左右されない「強さ」をチームとして作っていければ、と思っています。それには今がチャンスだと思います。クラブはもちろん、様々な企業さんの協力があって今年はいろいろなことができているので、一歩一歩進んでいきます。
――スタッフの意識の変化はいかがですか。
家木:あると思います。担当レベルでプラスに働いていることは間違いないです。
――柴さんの方で映像の演出で、今後作っていきたいものなどはありますか。
柴:しっかり表現できるものを作りたいと思っています。「クラブからサポーターに伝えるもの」というよりは、「サポーターもクラブも一緒になって作って、世の中に対して表現していく」ことをやりたいと思っています。これが僕らのFC東京だというところを、まだFC東京を知らない人や、FC東京をこれから知ろうとしている人たちに対して「こういうクラブなんだ」とか、「魅力的だ」と思ってもらえるものを作っていきたいと思っています。
――最後に、ファンの方やこれからファンになる方にメッセージをお願いいたします。
家木:一気にファンになってくださいというのは難しいかもしれませんが、例えば日頃ストレスを発散する場所がないとか、家族で楽しみたいけど、そういうコンテンツがあまりなくて、毎日ルーティーンに陥ってしまっているとか、日常では味わえないことの一つとしてFC東京のサッカーを観にきてもらうのも一つかなと思います。東京でJ1はFC東京だけなので、まずは1回騙されたと思ってきてください。試合運営に関わるスタッフ全員でおもてなしを大事にしているので、サッカーというものがエンターテインメントとして楽しいということを感じてもらえたらと思います。
柴:イベントも用意していますし、スタジアムを盛り上げるための映像であったり、照明の演出も一緒になって、目立たせるような、興奮できるような形の仕組みを入れています。まずは来場してもらって、見てもらって体験してもらって判断して欲しいと思っています。クラブ一丸となって準備しているので、ぜひ一度遊びに来てください。
XFLAG Day FC東京 vs ベガルタ仙台
XFLAGがスポンサードする、FC東京・東京ヤクルトスワローズ・千葉ジェッツの3チームが連動し、8月5日(月)~11日(日)の期間に開催するイベント「XFLAG SPORTS WEEK」では、スポーツの垣根を越えたコンテンツを7日間に渡り展開する。同期間中、FC東京、東京ヤクルトスワローズの2チームでは、XFLAGの冠試合となる「XFLAG DAY(Day)」を開催。FC東京では、8月10日(土)のベガルタ仙台戦で冠試合となる「XFLAG Day」を開催し、東京ヤクルトスワローズのつばみ、千葉ジェッツのジャンボくん、そしてFC東京の東京ドロンパが集結し、青赤パークのステージを盛り上げてくれる予定だ。
名称:XFLAG Day
試合:J1 第 22 節 FC東京 vs ベガルタ仙台
日時:8 月 10 日(土) 19:00 キックオフ
会場:味の素スタジアム(東京都調布市西町 376-3)
「XFLAG SPORTS WEEK」特設サイト:https://sports.xflag.com/event/2019/
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By サッカーキング編集部
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