[写真]=黒川真衣
世界中で支持を集めるサッカーゲーム『FIFA』シリーズ。9月に発売された最新作『FIFA 20』で、昨年に引き続き名古屋グランパスの選手同士による対戦が行われた。
『FIFA 20』には明治安田生命J1リーグのチーム・選手が実名で登場。世界の名だたるチームとの対戦や、お気に入りの選手を自分で作り上げたチームに組み込むこともできる。また、今作から世界中の街を舞台にしたストリートサッカーを楽しめる『VOLTA FOOTBALL』モードを搭載。操作性やAIも進化を遂げており、あらゆる点において“リアル”なサッカーを味わうことができる。
今回、『FIFA 20』での対戦に参加したのは、FWガブリエル シャビエル、FWジョー、DF丸山祐市、MF米本拓司の4選手。ジョー、丸山は昨年に続いての参加となった。
1戦目はシャビエル&丸山チームとジョー&米本チームが激突。『FIFA』シリーズのファンとして知られるシャビエルとチームメイトになった丸山は「パス、ドリブル、シュート、すべて任せた」と相方に絶大な信頼を寄せた。ジョー&米本チームは、ゲーム内でも抜群の決定力を誇るジョーを軸に攻撃を仕掛けていくと意気込み、名古屋グランパスvs名古屋グランパスの試合が幕を開けた。
Jリーグでも屈指の攻撃陣を擁するグランパス同士の対戦だけに、激しい撃ち合いが予想されたものの、ゲームは膠着した展開に。ジョー&米本チームは、現実のグランパスさながらに強固な守備陣形を形成し、相手の攻撃を封じ込める。米本は「しっかりとブロックを敷いているからね」と狙い通りの戦いぶりにニヤリ。試合はスコアレスのまま、前半を折り返す。
ゴールを奪えなかったシャビエル×丸山チームは、後半に攻勢を強める。無得点ながら「いい連係が取れていた」(丸山)と手応えをつかんでいたチームは、徐々にリズムをつかんでいくと、試合終了間際に値千金の先制点をマーク。「シュートを打つ勇気がなかったからパスを選んでいただけ」とは丸山の試合後談だが、その結果として華麗なパスワークからシャビエルの得点が生まれることになった。背番号10を操作して見事にゴールを陥れたシャビエルは、「シャビエ~ル、シャビエ~ル♪」と自身のチャントを口ずさむなど上機嫌。試合はこのまま終了し、第1戦はシャビエル&丸山チームに軍配が上がった。
日本人vsブラジル人という構図になった2戦目は、『FIFA』のプレイ経験で大きくリードするシャビエル&ジョーチームの優位が予想された。「この二人は相当強い」と対戦相手を警戒した丸山&米本チームは、「ワンチャンスを生かして守りきる戦い」を選択。終始、試合の主導権を握られながらも、GKランゲラックのスーパーセーブにも助けられ、無失点で前半をしのぐ。
しかし、スコアレスで迎えた後半は無情にもワンサイドゲームとなる。ブラジル人チームは52分に前田直輝の得点で先手を取ると、ゲームプランが崩れ、「先制された。終わった……」(米本)と意気消沈する日本人チームを横目にゴールラッシュを披露。「素晴らしい試合だった。すごく楽しかったよ」とジョーも大満足の試合内容で、ブラジル人チームが4−0で圧勝した。丸山は「完敗でした。正直、勝てる気がしなかったです(笑)」とコメントし、相手チームを讃えた。
2試合を戦い終えた選手たちが次に臨んだのは、“王者”とのスペシャルマッチ。2019eJリーグチャンピオンで、今年6月からグランパスの「eスポーツアンバサダー」を務めるミノ選手との夢の対戦が実現する。
3人が協力してミノ選手に挑むことになったグランパスチームは、「絶対にジョーとシャビはプレイしたほうがいい」という丸山の発案で、日本人の2選手は前後半で交代して参戦することに。実績十分のミノ選手を前に、“実力者”シャビエルも「彼にテレビ画面を見せないようにはできませんか?」と弱腰。ミノ選手に「すごい技は使わないでくださいね(笑)」と“大人の対応”を望んで王者を笑わせた。
試合はシャビエルの注文もむなしく、立ち上がりからミノ選手が相手を圧倒する展開となった。グランパスチームは3人でボールホルダーを囲い込む連係プレーで圧力を掛けるが、ミノ選手は華麗なテクニックとパスワークでプレッシャーをかいくぐり、いとも簡単にゴールを奪う。ミノ選手の神懸かり的なコントローラーさばきに対し、観戦していた米本は思わず感嘆の声を上げ、身を持って強さを体感した3選手は「今のゴールはオフサイドじゃないですか?」といちゃもんをつけるしかなかった。
圧倒された前半を振り返り、「ひたすら相手を追いかける展開になってしまいました」とジョーはがっくり。シャビエルは「これでも本気で戦っていないんですよね? 僕らは汗をかくほど頑張ってやっているのに(笑)」とうなだれる。「相手を恐れてワンタッチプレーしかしていない」と米本に指摘された丸山は、「言わないでくれ……」と返すのがやっとだった。
グランパスチームは後半、丸山に代わって米本がプレーヤーとして参戦。“選手交代”で反撃を狙いにいく。しかし、交代策も実らず、後半も押し込まれる状況を打開できずにいると、79分にGKまでかわされる屈辱の失点を献上。その後にダメ押しの3点目を奪われ、タイムアップを迎えた。
グランパスチームとの対戦を終えて、感想を求められたミノ選手は「1対3での対戦は初めてで、すごく難しかったです。守備に関しては特に集中してプレイしました」と振り返った。選手たちの腕前について問われると、「ジョー選手、シャビエル選手はすごくうまかったですね。プレイする機会がないと聞いていた丸山選手もうまかったです。米本選手は……もう少し練習が必要ですかね(笑)」と答えて笑いを誘った。
“王者”とのスペシャルマッチを終え、ジョーは「プロの方と対戦することができ、すごくいい経験になりました」と大満足。前作に比べ、自身のフィジカル能力が上がったことについても「すごくうれしい」とご満悦の様子だった。ミノ選手との対戦後に「ピッチでリベンジをさせてください(笑)」と悔しさをにじませたシャビエルは、今作から搭載された『VOLTA FOOTBALL』にも言及。「ブラジルで盛んなストリートサッカーをゲーム内で楽しめるのはうれしい」と語り、やり込みを匂わせた。また、現実さながらの熱いプレーはもちろん、ガヤでも対戦を盛り上げた丸山は「自分やチームメイトを操作できるのはやはりいいですね。シンプルに楽しかったです」と『FIFA』シリーズの魅力を再確認。自身の力量不足を露呈した米本は、「リアルすぎますね。ゲーム内でも“僕”のパスミスが多いところとか(笑)。とにかく練習します!」と自虐ネタをまじえ、今後の巻き返しを誓っていた。
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By サッカーキング編集部
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