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「満男さんのような存在に」…常勝軍団の新キャプテンが思い描く絶対的リーダー像

2020.03.09

今季から鹿島の主将を担う三竿健斗 [写真]=Jリーグ

「キャンプって普通、戦術とコンディションの両方をやるんだけど、ウチはオフが短くて、選手の合流もバラバラで、すぐにACL(AFCチャンピオンズリーグ)もあってコンディションを上げることしかやっていなかった。休止期間の今、戦術的なところにすごく時間をかけてやれているので、チーム完成度や理解度を高めるいい期間になっています。練習試合も沢山できているし、再開した時に全然違う姿を見せられる自信もあります」

 新型コロナウイルスの感染拡大でJリーグの試合延期が決まってから約10日。鹿島アントラーズは3月に入ってからジェフユナイテッド千葉、ザスパクサツ群馬、いわてグルージャ盛岡と練習試合を行って、ザーゴ新監督の目指すサッカーを浸透させている。新キャプテンの三竿健斗も「練習でやっている形が試合をこなすごとに増えている」と手ごたえをつかみつつあるようだ。

 指揮官が変わり、メンバーも大幅に入れ替わった今季の鹿島は非常に難しいスタートを強いられていた。1月28日のACLプレーオフ・メルボルン・ビクトリー戦でまさかの苦杯を喫して本戦出場権を逃したのを皮切りに、2月16日のYBCルヴァンカップ初戦・名古屋グランパス戦と23日のJ1開幕・サンフレッチェ広島戦も連敗。ここまで公式戦3戦勝ちなしという苦境に立たされていたのだ。

「正直、キャンプでは1試合もやっていなかったので、試合数っていうのが今の僕たちに一番必要だった。どれだけ練習で戦術に取り組んでも、相手がいる中でやらないと身に着かない部分もあるから、今の時間はすごく貴重ですね。ザーゴ監督は主導権を握って攻撃も守備もやるっていうのが1つのコンセプト。ボランチの僕もあまり前に飛び出さず、ボールより後ろでサポートし続けることが求められてます。サイドバックが高い位置を取る分、カバーする時の横の移動距離も増えたり、去年までよりやることが多くなっている。でも楽しいし、充実感もあるし、成長してるなと感じます」と三竿は明るい表情を見せていた。

 Jリーグ再開がいつになるか分かず、どのチームにとっても難しい状況ではあるが、公式戦が始まったら鹿島はここまでの出遅れを一気に取り戻し、急浮上しなければならない。そのためにも、ボランチの軸を担う男には力強くチームをけん引することが要求されてくる。それが常勝軍団のリーダーたる男に課せられた責務なのだ。

「今年からキャプテンをやっていて、『(小笠原)満男さん(現アカデミーアドバイザー)みたいな存在になってほしい』というのは、クラブからも求められていること。自分がチーム全体を見渡せるようになれば、鹿島は勝てると思うし、僕自身も大きく成長できると思うんです。すごく難しい1年になるけど、それを乗り越えれば大きくジャンプできる。まずはプレーで示すことが大事ですね」

 こう語る三竿の脳裏には、窮地に追い込まれば追い込まれるほど図太さとタフさとクレバーさを発揮し、チームに数々のタイトルを取らせてきた偉大なリーダーの姿が刻み込まれている。2016年から3年間ともに戦い、ボランチでコンビを組んできた小笠原の一挙手一投足を常に意識しながら、彼は今季の苦境を跳ね返していくつもりだ。

「満男さんは経験値が僕とははるかに違うし、くぐり抜けてきた修羅場の数も多い。挫折や悔しい思いもあっただろうし、優勝した喜びも知っていますよね。代表でもワールドカップや予選を経験して、ギリギリの緊張感も味わってきたと思います。だからこそ、常に冷静でいられたし、『こういう時はこうすればいい』という判断の引き出しが多かったんじゃないかな。僕も個人としてレベルアップして、もっとろいろんな経験をしていかないといけないと痛感しています」

 小笠原の領域に到達し、それを超えようと思うなら、鹿島での成功はもちろんのこと、日本代表復帰とレギュラー獲得は至上命題になってくる。2018年のロシアワールドカップをあと一歩のところで逃した三竿のことを森保一監督も高く評価していて、新体制発足時にはメンバーに招集。鹿島の先輩・柴崎岳とボランチコンビを組ませたいと考えていたはずだ。けれどもその後、負傷が重なったうえに、遠藤航や橋本拳人らの成長、山口蛍や井手口陽介の復調もあって、三竿の代表定着は叶っていない。

「ケガさえしなければ、代表に呼ばれる自信はあるし、他の人にはないものを持っているという自負もあるので。まずはこのクラブで結果を出して、自分の存在意義を示したい。去年の僕は鹿島で1試合も得点に絡めなくて、アシストもゴールも全くできなかったんですけど、今は練習試合でもアシストできていますし、そういう部分も伸ばして、攻守両面でアグレッシブにできるところを見せていきたいです」

 ボランチの大黒柱がピッチを縦横無尽に走り回り、周囲を鼓舞し、チーム全体のスタンダードを引き上げることができれば、鹿島はきっと本来の強さを取り戻せる。「今はちょっとみんなの意識が緩くなっている」とあえて苦言を呈する三竿が手本となって、常勝軍団のプライドを示してほしいものだ。

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By 元川悦子

94年からサッカーを取材し続けるアグレッシブなサッカーライター。W杯は94年アメリカ大会から毎大会取材しており、普段はJリーグ、日本代表などを精力的に取材。

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