強力な浦和FW人のなかで存在感を示した武藤(写真は昨年のACL北京国安戦の物) [写真]=Getty Images
7月4日のJ1再開を3週間後に控えた13日、浦和レッズは本拠地・埼玉スタジアムで活動再開後初のテストマッチ・FC町田ゼルビア戦に挑んだ。無観客試合や新型コロナウイルス対策の重要なシミュレーションと位置付けられたこの一戦では、キックオフ前の写真撮影で社会的距離を保ったり、飲水ボトルの共用を回避するなどざまざまな対策が講じられた。
とはいえ、普段とは異なる環境、約4カ月ぶりの実戦という難しさが影響したのか、興梠慎三やレオナルド、関根貴大、西川周作ら主力級が出場した30分ゲームの1本目は極端に動きが悪かった。J2再開が1週間早い町田の方が明らかにコンディションがよく、高江麗央の先制弾以外にも数々の決定機を作られてしまった。2本目以降は徐々に調子が上がってきたものの、決定機らしい決定機が作れず、3本目終了時点で0-2という苦境に追い込まれていた。
そんな浦和に光明をもたらしたのが、4本目に満を持してピッチに登場した武藤雄樹。2019年10月18日の大分トリニータ戦で右肩関節脱臼の重傷を負って以来の埼スタのピッチで、背番号9はここぞとばかりに躍動する。「全体として背後への働きかけが、運動量を含めて少なかった。武藤が入ってスイッチを入れてくれたのはありがたかった」と大槻毅監督も絶賛したように、相手の嫌なところを狙った動き出しとポジション取りを再三再四、披露した。
そして20分には、大型新人・武田英寿の左CKの流れから豪快な左足ボレー弾をゲットする。コロナ対策で派手なゴールパフォーマンスはお預けとなったものの、本人としては非常に嬉しい一撃だったはずだ。4本終了時の最終結果は1-2とチームとしての改善点も数多く残されたが、背番号9の一矢報いるゴールが、最大4万7000人のYouTube視聴者の多くを占めた浦和サポーターの留飲を下げたことだろう。
「今日は僕たちがボールを持ったときになかなかいい攻撃を見せられなかった。ここまでフィジカル的な練習が多かったり、ゲームをする機会が少なかったので、フルコートで相手がいるといい距離感やコンビネーションを出すのが難しかったと思います。
今年は『しっかりとした守備から速い攻撃』というのが狙いの一つ。相手をハメに行く部分でもっともっと精度を上げ、相手に怖さを与えるような勢いを出せれば、そういうサッカーができると思います。個人としてもコンディションを上げてキレのあるプレーを見せられるようにしていきたいです」唯一の得点を叩き出した男は課題を口にしつつも、自信と手ごたえをにじませた。
今季の浦和FW陣は、昨季まで8シーズン連続2ケタ得点を挙げているエース・興梠を筆頭に、新加入のレオナルド、移籍2年目の杉本健勇、若手の伊藤涼太郎などが優れたタレントが揃っていて、実績ある武藤といえども出番が保証されているわけではない。再開後は超過密日程になるため、多彩な組み合わせで戦っていくことになるだろうが、それでも2トップ争いは存在する。自身の序列を上げていくためにも、やはりゴールという結果は必要不可欠だ。町田戦で他のストライカー陣が苦しむ中、数字を残せたのは、彼にとって大きな前進と言っていい。
「今年から2トップになって、そのポジションを任されているので、よりゴールに近いところでプレーできる。真ん中にいることで得点チャンスも確実に増えると思いますし、ゴール前でのよさを発揮したいという気持ちは強いです。ライバルである他のFW陣が2月21日の開幕戦(湘南ベルマーレ戦)で結果を出しているので、僕も再開したときにみんなに負けないように結果を出して、争いに加わっていけるように頑張りたい」と武藤は中断期間突入直後の3月にも野心を口にしていたが、その存在価値や序列は当時よりも上がっているのではないか。
「個人で状態を上げていくのは当たり前のこと。そのうえでチームでのコンビネーションを積み重ねていく必要があると思います。大槻監督も前の選手、横の選手との関係性を重要視しているので、もっといいテンポでボールを回したり、守備面でもいい距離感でボールを奪いに行くとか、そういう練習を積み重ねていく必要があると思います。リーグ開幕時にはそういうシーンが多く出ていた。それを思い出して再開後に同じようなパフォーマンスができるように頑張っていきます」
武藤がこう話したように、町田戦の浦和は攻守両面の連携不足が確かに目立った。長期間のブランクを取り戻すのは簡単なことではないが、急ピッチで完成度を高めるしかない。そういうなかで、FW陣の組み合わせも確立されていくだろう。武藤の主たるパートナーがこの日のように伊藤になるのか、他のFWになるのか分からないが、誰と組んでも最高のパフォーマンスを発揮することが肝要だ。
「レオナルドはゴールを取れる選手。彼がいるだけでみんなのゴールへの執着心が高まってくる。涼太郎もすごく技術の高い選手。昔は好きなことだけをやってる傾向があったけど、チームにとって有効なプレーを選択できるようになった。そういう仲間の特徴をよく理解しながら連携を深め、結果を出しながら競争していけるといいですね」
「FW陣の生かし生かされる関係」を築き上げるためにも、献身性と運動量、戦術眼に秀でた武藤の役割がより重要になるのは間違いない。3週間後の再開初戦は2019年J1王者、横浜F・マリノスいう難敵との激突となるが、彼らの一挙手一投足が本当に楽しみだ。
文=元川悦子
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By 元川悦子