■浦和レッズ 昨季連敗してる王者相手でも、負けるわけにはいかない
【プラス材料】
約4カ月ぶりの公式戦再開となる。プラス材料は負傷者がほぼいないと言えること。それだけにメンバー選考には困難があるものの、大槻毅監督は「組み合わせを考えていきたい」と話す。
2月のリーグ開幕戦、湘南ベルマーレ戦のメンバーをベースに、オーストラリアの五輪代表で主将を務めるDFトーマス・デンがデビューする可能性が高い。また、ボール保持に長ける昨季王者が相手だけに、右サイドにMF長澤和輝、ボランチにMF青木拓矢が起用される可能性も十分ある。その際はMF関根貴大が左サイドに回り、MF汰木康也とMF柏木陽介は勝負所での投入になるかもしれない。
いずれにせよ、無観客でのリモートマッチだけに不確定要素も多い。新システムの4バックを採用するシーズンだけに、声の通る環境になるのは良い部分もありそうだ。
【マイナス材料】
トレーニング再開からは、大槻監督が「フィットネスを作ること、筋力的なベースを戻すところ」を重点に取り組んだ項目として挙げた。一方で、戦術的な整理は少し遅れた感もあり、公開されたトレーニングマッチではJ2のFC町田ゼルビアに敗戦。FW興梠慎三も「練習試合では結果が出ていない」と、非公開の試合についても併せて言及した。
横浜F・マリノスには昨季のリーグ戦で2連敗。いずれもサイドから切り崩す攻撃に手を焼いた。今季はシステムを4バックに変更しただけに、マークの受け渡しやラインコントロールに精密さが求められる。
コンディションも試合が始まってみなければ分からない部分が多々ある。想定外のことに対応できるかどうかもポイントになりそうだ。
文=totoONE編集部
■横浜F・マリノス 昨季王者は研究される戦術をより進化させる一年に
【プラス材料】
中断期間中にDF實藤友紀、MF天野純、DF小池龍太の3選手が加入した。實藤は豊富な経験を生かしてセンターバックと右サイドバックをこなし、昨年7月に海外移籍して以来の復帰となる天野は中盤の層を厚くする存在。小池はDF松原健と右サイドバックのポジションを争い、チームの競争を活性化させるだろう。
また、3月上旬に負傷してブラジルに一時帰国していたDFチアゴ・マルチンスが再来日し、6月22日から全体練習に合流している。コンディション面での不安は残るものの、最終ラインに欠かせないスプリント能力を持つリーグ屈指のセンターバックの復帰は心強い。
すべてのポジションでディフェンディングチャンピオンにふさわしい陣容を揃え、再開ダッシュに全力を注ぐ。
【マイナス材料】
開幕戦のガンバ大阪戦は相手に研究され、自陣でのミスとロングボールを使った攻撃から2失点した。特徴的なサッカーをするだけに研究対象になりやすく、今季は昨季以上に難しいシーズンになるだろう。
ポジション別に見ていくと、GK朴一圭が右手の骨折で離脱しているのは大きな痛手だ。昨季は加入1年目ながら25試合に出場して守護神の座を奪取。的確な判断でハイラインの背後のスペースをカバーし、質の高い足技でボールポゼッションにも貢献できるだけに、穴埋め作業は簡単ではない。
代役は今季加入したGK梶川裕嗣が濃厚で、どれだけチーム戦術にフィットできているかどうか。AFCチャンピオンズリーグでは2連勝に貢献しているが、J1の舞台には今季初登場となる。
文=totoONE編集部