[写真]=兼子愼一郎、Getty Images
■浦和レッズ 交代枠の有効活用で攻守の質を確保。懸念は守備陣の蓄積疲労
【プラス材料】
リーグ再開初戦の横浜F・マリノス戦に引き分け、前節のベガルタ仙台戦は勝利。無敗で進んでいることで、結果から自信を深められているのが好材料と言える。また、出場選手も少し入れ替えながら相手の特性に合わせた采配が行われている。
鹿島アントラーズ戦に限ったことではないが、今季の交代枠拡大ルールはチームにとって後押しとなっている。特にサイドハーフの人材は多様なタイプがいて豊富なだけに、試合中に2枚替えとなるのは日常だ。それによって、攻撃面でのキレと守備面での運動量を確保できている。
相手が連敗中であることを見ても、現時点でのメンタル的なコンディションも含めて優位にあるのは事実だろう。3連戦の最終戦となるため、ホームで勝利が欲しい。
【マイナス材料】
前節の仙台戦に勝利したものの、大槻毅監督は内容的にいい試合ではなかったことを吐露した。前線の選手たちによる個人能力の高さで2得点を挙げたが、毎試合それを期待するのは酷だろう。
また、中盤から前線の選手たちはローテーションしているものの、最終ラインの選手たちは連続出場が続いている。4カ月以上のブランクが明けていきなりの実戦で、気温や湿度が上がってきた中で迎えた3連戦の最終戦だけに、どれくらい肉体的なダメージが蓄積しているかの的確な判断が必要になる。
一般的に、連敗中のチームと対戦するのは嫌なものだと話す選手が多いのがサッカー界の常でもある。気後れしないような試合への入りが必要だ。
文:totoONE編集部
■鹿島アントラーズ 8年ぶりの最悪のスタート。ここからは上を目指すのみ
【プラス材料】
コロナ禍の中断明けで2連敗を喫し、2012年以来の開幕3連敗となった。結果だけを見れば最悪と言わざるを得ないが、内容に目を移すとそこまで悲観することはない。
得点機と言われるチャンスも作っており、守備が崩壊している訳でもない。判定面で不利を受けた川崎フロンターレ戦、個人的なミスで失点した北海道コンサドーレ札幌戦。それを乗り越えて勝つのが鹿島アントラーズというクラブと言われればそれまでだが、新指揮官にザーゴ監督を迎え、多くの選手を入れ替えた今季の初動は割り引く必要がある。
落ち着いてチャンスを生かせるか、高い集中力で相手の攻撃に対応できるか。現時点での課題はこの2つだけ。これがクリアされれば、本来の力を結果に表すことができるだろう。
【マイナス材料】
サッカーだけにあらず、どのスポーツでも結果が出ないとチーム全体が悪循環に回ることが往々にしてある。特に監督交替時や多くの選手が入れ替わった時は、より早く結果を手にしたいものだ。
戦術が変わり、監督からの指示も変わる。味方とのコミュニケーションも深められてない状況で、迷いや不信感が生まれていないか。監督を信じ、味方に期待して試合に臨めるチーム状況を保つことができているか。結果が出なければ、ベンチ組を中心に不満の種が芽をのぞかせることもある。
戦術的・戦力的に見ても大きな問題を感じない今、チームが崩れるとしたら、結果が出ないことによるメンタル面への影響に尽きる。
文:totoONE編集部