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【広島vs名古屋プレビュー】リーグ戦2連敗中の広島に秘策あり!?…負傷者続出の名古屋は無敗を守れるか

2020.07.25

[写真]=兼子愼一郎、三浦彩乃

サンフレッチェ広島 理想のスタイルを体現して連敗脱出へ

【プラス材料】
 たしかに連敗を喫した。しかし、前節・ガンバ大阪戦の内容は決して悲観するべきものではない。城福浩監督も、選手たちも、相応の手応えを持っている。

 前半は立ち上がりからボールを支配し、相手を押し込んだ。もちろんピンチもあったが、特に後半はチャンスの数や決定機の数でも上回った。今季初めてボール支配率でも相手を凌駕し、相手陣内に押し込んでサッカーをするという今季のコンセプトを具現化したと言っていい。後半に1トップから2トップに変えてギアチェンジした展開も、これからの方程式となりえる。

 個人に目を移してもMF川辺駿が躍動を取り戻し、MF茶島雄介が右サイドでも左サイドでも安定した攻守を表現してくれたことは大きな収穫だ。

【マイナス材料】
 サンフレッチェ広島にとってのエースストライカーは、間違いなくFWレアンドロ・ペレイラだ。彼の技術や得点能力に疑いはない。それはシーズン当初の爆発でも証明されているが、さすがに疲労の色が濃い。ここまで全試合に先発し、途中交代は第4節・サガン鳥栖戦の1試合だけ。前線からの守備でも頑張りを見せている彼の心身の疲労は、シュート精度がブレている現実を見ても分かる。

 他にも、ここまで全試合に先発しているMF森島司や最終ラインの選手たちにも疲労感は拭えない。フレッシュな選手たちとの入れ替えも現実的だが、攻守にわたる連動性と組織を大切にする広島のスタイルを考えると、中3日のスケジュールでは厳しい。コンディションとクオリティ、そこのバランスをどう考えるかが肝要となる。

文:紫熊倶楽部 中野和也

名古屋グランパス 一体感が快進撃の原動力。無敗記録を伸ばせるか

【プラス材料】
 現状で無敗のチームは東の川崎フロンターレ、西の名古屋グランパスの2チームのみ。3試合連続クリーンシートという守備の安定感と、試合ごとに高まる得点力はその形の多彩さにおいてもチームの強みになってきている。

 前線が守備を助け、守備陣がそれに応えて得点を重ねた前節・大分トリニータ戦の戦いぶりは、今後も続く過密日程に必要不可欠な総合力の大きさを如実に感じさせるものだった。

 相手にしてみれば押さえどころが絞りにくく、対策が煩雑になることは間違いない。その前提こそが名古屋にアドバンテージを与えていくことになるだろう。前節がそうだったからと警戒心が散らばれば、FW金崎夢生やFW前田直輝、FW相馬勇紀ら得点を狙うハンターたちが牙をむく。その対応のしにくさがチームの武器になりつつある。

【マイナス材料】
 連勝を伸ばしている中、前節の大分戦では不安要素も噴出した。代えの利かない主力であるMF阿部浩之、MF米本拓司、MF稲垣祥がことごとく負傷交代したのである。

 それぞれの体の状態は全くもって不明だが、3人のうち1人でも欠ければ戦力ダウンは否めないほどに存在感が大きい選手たちだ。とりわけ米本と稲垣が同時に欠場となると、専任のボランチがMFジョアン・シミッチひとりとなり、チームはフォーメーションを含めて再考を余儀なくされる。

 大分戦の後半をその予行演習にできたところはあるが、ベンチメンバーを含めて全体的な戦力が落ちるとなれば、相当の覚悟と奮起、チームの統率力が必要になってくる。

文:今井雄一朗

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