[写真]=J.LEAGUE
■大分トリニータ 知念の初得点は朗報。守備の立て直しがカギを握る
【プラス材料】
リーグ戦3連敗を喫し、試合内容も決してよくはない。不協和音が生まれそうなものだが、監督や選手たちの言葉からは前向きな言葉が出ていることはプラス材料。頑なに自分たちのスタイルを貫く信念の強さを感じる。連戦ではあるが中5日空き、意思疎通の時間を図れるのは大きい。
前節の清水エスパルス戦では期待の新加入FW知念慶に待望のゴールが生まれた。チームの狙いとする形での得点ではなかったが、DFの裏を取る知念の良さが存分に出た得点だった。周囲の期待が大きかっただけに、肩の荷が下りたに違いない。今節からの得点量産に期待したい。
【マイナス材料】
複数失点が続いている。前節・清水戦の4失点はすべてセットプレーによるものだった。ゾーンで守る弊害が浮き彫りとなっただけに、修正は急務となる。高さを補う工夫も必要だ。
コンディション回復を最優先しているため、戦術の落とし込みに時間を割けないのが現状。個の能力で劣るため、組織力で対抗してきたチームだ。狙いを明確にして、徹底する必要がある。
第6節・名古屋グランパス戦の前半で負傷交代したMF前田凌佑は、右肘関節脱臼で全治8週間と診断された。選手層の薄いボランチの台所事情は厳しさを増す。
文:totoONE編集部
■鹿島アントラーズ 役者は揃った。まずはアウェイゲーム初勝利を
【プラス材料】
昨年末の天皇杯準決勝V・ファーレン長崎戦で右足の小指を骨折し、リーグ中断期間中は治療とリハビリに充てていたMF土居聖真が前節のFC東京戦で今季初得点を挙げた。「チームも結果が出ていない中、個人としても結果が欲しかった」と話すとおり、ここまで1勝しか挙げられていないチームに勢いをもたらす得点になったと言える。
また、ベテランのMF遠藤康もこの試合で存在感を発揮。土居の得点をアシストするなど、頼れる存在になっているのもプラス材料だ。
FWエヴェラウドも得点を重ね、臨戦態勢が整いつつある。敵地での大分トリニータ戦は5試合連続負けなし(4勝1分)というデータの後押しを受け、今季2勝目をもぎ取りたいところだ。
【マイナス材料】
引き分けに終わった前節のFC東京戦では、セットプレーから2失点した。アントニオ・カルロス・ザーゴ監督も「練習しているが、すればするほど失点してしまう」と嘆き節。試合間隔が1週間あった中で対策を施しているが、現状ではまだ不安を払拭しきれていない。
また、FC東京戦では前半に押し込まれる展開が続いた。前線からの激しい守備を受けると、パスを前につないでいけない段階であることを露呈。相手の守備を評価する見方もできるが、前から守備に来られた時の対応にも課題を残している。ただ、後半はそれを押し返し、追いついて引き分けた。
この2つの課題を克服できるかが、勝利をつかめるかどうかの分かれ道になる。
文:totoONE編集部