[写真]=兼子愼一郎、清原茂樹
■横浜FC ルヴァン杯の勢いと布陣変更で巻き返しを図る
【プラス材料】
グループステージ敗退に終わったが、JリーグYBCルヴァンカップを戦った選手たちは好パフォーマンスを披露。リーグ戦5連敗中と苦しい状況にある中で5日のサガン鳥栖戦に勝利し、12日の北海道コンサドーレ札幌戦は引き分けて勝ち点を積んだ。ここからリーグ戦に専念できることをプラスに捉え、巻き返しを図りたい。
ルヴァンカップ第2節の鳥栖戦から採用している4バックシステムが機能を見せる。昨季の基本フォーメーションであったため、そこまで戸惑いなく対応できていることもプラス要素。安定感ある戦いぶりから勝ち点につなげたい。
10日に横浜F・マリノスから期限付き移籍での加入が発表されたMF杉本竜士は攻撃の切り札として期待される存在。下平隆宏監督は「3バックならウイングバック、4バックならサイドハーフ」とサイドで起用することを明言しており、鋭い突破からのチャンスメイクが求められる。
【マイナス材料】
前節のガンバ大阪戦は後半に追いつき、逆転できるチャンスを作りながらも決めきれずラストプレーで失点して敗戦。ダメージの残る敗れ方で5連敗となり、チームはいまだに苦境を脱せない。
そのG大阪戦を受け、下平監督は選手たちに厳しい言葉を投げかけたという。勝利への執念やそこに対する気持ちなど、主にメンタル面について言及した。今こそチーム一丸となって戦わないといけない状況なだけに、メンタルをリフレッシュしてゲームに臨みたい。
順位は変わらずに17位のままだが、一番下が見えていることも確か。そんな中で今節は最下位・湘南ベルマーレとの“裏天王山”。負ければ順位が入れ替わるだけに、慎重かつ大胆に戦って勝利をつかみたい。
文:totoONE編集部
■湘南ベルマーレ 若手の躍動は朗報。懸念は大黒柱・齊藤の不在
【プラス材料】
フレッシュな躍動が小気味よい。先日のJリーグYBCルヴァンカップ・ガンバ大阪戦は、高卒ルーキーのDF畑大雅やユース所属で2種登録のMF田中聡ら若手をはじめ、リーグ戦で出場機会の少ない選手もメンバーに名を連ねて随所に特徴を発揮した。試合に敗れてグループステージ突破とはならなかったが、個々に表したプレーは今後のリーグ戦にきっとつながるだろう。
加えて、G大阪戦ではハイプレスからボールを奪い、素早く攻めに転じる迫力が示された。彼らの持ち味である攻守の淀みない切り替えとダイナミックな展開が今季取り組む遅攻とうまくかみ合えば、求める結果へより近づくに違いない。
今節、3年ぶりに横浜FCと対戦する。通算対戦成績は18勝7分13敗とリードしている。
【マイナス材料】
勝てない状況が続いている。現在リーグ戦3連敗、ルヴァンカップを合わせると公式戦5連敗を喫している。GKからつないで相手の攻略を図る今季の取り組みや元来備えている粘り強い守備など、一定の感触は内容に得られており、今は何よりも結果が欲しい。
今節は開幕から唯一先発出場を続けているMF齊藤未月が、累積警告のため出場停止となる。これまで存在感を放ってきた生え抜きの不在は決して小さくないだろう。反面、これまで出場機会の限られているメンバーにとってはチャンスとも捉えられる。総力戦となる過酷な連戦の中で、ルヴァンカップで示したようなフレッシュな台頭が期待される。
横浜FCには通算対戦成績で勝ち越しているものの、相手のホームゲームでは6勝3分9敗と黒星が先行している。
文:隈元大吾