[写真]=兼子愼一郎、金田慎平
■浦和レッズ 攻撃のアイデア不足が深刻。エースの早期復帰が待たれる
【プラス材料】
前節の名古屋グランパス戦は2-6の大敗。そこから1週間で精神的な面も含め、どれだけ立て直すことができるかが焦点のゲームになる。
浦和レッズが5日にJリーグYBCルヴァンカップのグループステージの全試合を終えた一方、サンフレッチェ広島は12日にサガン鳥栖戦が行われて中2日でのゲームとなる予定だった。しかし、新型コロナウイルスの影響で試合が中止となったため、その点では同条件になった。
対戦成績の相性の面でも特別な差はなく、プラス材料は非常に乏しい。強いて言えば、前節の大敗からのリバウンドメンタリティに期待することくらいか。チームに対して何らかの刺激を与えるような策が期待されるゲームであり、ズルズルといくことは避けたい。
【マイナス材料】
前節の名古屋戦は前半で0-5と完全に守備が崩壊。これまで直接的な失点をしないできたセットプレーでも陥落するなど、すべてにおいてワーストゲームだった。
新型コロナウイルスの影響で中断されたリーグ戦も再開されて1カ月以上が過ぎ、今季から新たなことに取り組んでいる浦和の弱点が研究されていることは名古屋戦からも明らかになっている。相手の研究を上回る上積みを見せなければ、苦戦が続くことは避けられないだろう。
エースのFW興梠慎三は水曜日の時点で別メニュー調整であり、復帰は期待しにくい。攻撃のアイデアを欠いてFWレオナルド頼みになりつつなる中、リーグ戦8試合で5失点の堅守を誇る広島守備陣と対峙するのは厳しいと予想される。苦しい要素が非常に多い試合と言えそうだ。
文:totoONE編集部
■サンフレッチェ広島 チームは復調傾向。今季初の3連勝を達成できるか
【プラス材料】
水曜日のJリーグYBCルヴァンカップ・サガン鳥栖戦が中止に追い込まれてしまったのは非常に残念ではあるが、出場予定だった選手たちがコンディションを整えることができたのはチーム全体にとって悪くはない。
横浜FC、湘南ベルマーレとスタイルが違う相手に内容を伴った結果を残し、チーム全体としても自信を回復させている。
また、昨年来から1.5列目の選手の得点が少ないことが悩みの種になっていたが、MF森島司やMF浅野雄也といった若いシャドーストライカーが得点を記録していることは非常にポジティブ。そこにMF東俊希やルヴァンカップ・北海道コンサドーレ札幌戦で躍動したMF土肥航大、さらにFWドウグラス・ヴィエイラが絡んでくれば、連戦を乗りきるだけの層の厚みは生まれる。
【マイナス材料】
前節・湘南戦はシュートを20本も浴びせ、決定機の山を築きながら得点はわずか1点。もちろん1-0でも勝利は勝利で、「1-0で勝てるチームが最も強い」と森保一元監督(現日本代表監督)もかつて語っていた。
ただ、例えば湘南戦の後半アディショナルタイムにCKから失点してしまう可能性もあったわけで(セットプレーはすべからく危険)、チャンスの数に見合った得点がやはり欲しいところ。
最も得点の可能性を持つFWレアンドロ・ペレイラのコンディションがまだ万全でないのは確かだが、こういう時はセットプレーに活路を見出したい。今季はまだ直接FKからのゴールはなく、そういうシーンが生まれればバイタルエリアのスペースは空いてくる。
文:紫熊倶楽部 中野和也