[写真]=三浦彩乃、金田慎平
■清水エスパルス 攻撃面の成熟はプラスも、守備面はテコ入れの必要あり
【プラス材料】
水曜日の前節・横浜F・マリノス戦は3-4という激しい打ち合いの末に敗れたものの、昨季王者でスタイル的にも手本となるチームに対して互角に近い戦いができたことは、自信や励みにつながっている。
3得点はそれぞれ異なる形から生まれており、攻撃のバリエーションやチャンスの数も増えているので、自分たちのサッカーに対する信念はより強くなっている。MF西澤健太がチーム通算1300点目の鮮やかなゴールを決め、MF金子翔太もチャンスメイクに貢献するなど、両ウイングの活躍が目立ったこともプラス材料と言える。
また、JリーグYBCルヴァンカップでアピールしたDF金井貢史やDF奥井諒、MF鈴木唯人、FW川本梨誉らがリーグ戦でも出番を増やして持ち味を発揮している。その中で金井が加入後初得点を決めたが、若い鈴木や川本にもゴールが生まれればチームもさらに勢いづくだろう。
【マイナス材料】
前節・横浜FM戦で6試合ぶりの黒星を喫し、順位は16位に後退。逆に横浜FCは2連勝で14位に上がったため、チームの勢いという面では差があるだろう。
また、今節は唯一の土曜日開催で中2日での連戦に。スタメンを1人しか替えずに戦った水曜日の横浜FM戦は選手の消耗度が激しい試合だったため、コンディションの面で不安が残る。最近はスタメンを固定して結果を出してきたので、もしメンバーの入れ替わりが多くなった場合、連係やバランスの面でマイナス要素が出てくるかもしれない。攻守に大きな存在であるDFエウシーニョの欠場が続いているのも痛いところだ。
守備に関しては、横浜FM戦で以前からの課題である淡泊な取られ方が目立って4失点。ディフェンスラインがボールウォッチャーになる場面も多いので、そこは横浜FCも狙ってくるはずだ。
文:totoONE編集部
■横浜FC 伊野波&ヨン・ア・ピンの復帰とシステム変更が追い風に
【プラス材料】
第10節・湘南ベルマーレ戦で4ゴールを奪って連敗を止めた勢いのまま前節・鹿島アントラーズ戦は戦いたかったが、ビルドアップでのミスが多く、苦しい時間を多く過ごした。それでも前半にゴール前の混戦からFW皆川佑介が今季初ゴールを決め、最後はそれを守りきって今季初の連勝を飾っている。
鹿島の精度不足に助けられた面はあったが、リーグ戦11試合目にしてチームは今季初のクリーンシートを達成。DF伊野波雅彦とDFカルフィン・ヨン・ア・ピンがチームに復帰後、4バックにシステムを戻して守備が安定してきたと指揮官も手応えを語る。
今節の清水エスパルス戦に勝てば3連勝となり、チームは浮上のきっかけをつかむことになる。それに加え、前回J1を戦った2007年に挙げた4勝に早くも並ぶことに。敵地で連勝を伸ばし、さらに上を目指したい。
【マイナス材料】
相手が前線からプレッシャーをかけにきたり、前線からの守備が緩くリトリートして守ってくるチームに対しては、ビルドアップで優位に立ち自分たちのリズムでボールを動かせる時間帯を多く作れている。しかし、相手が強度高く激しく潰してくる相手に対しては、受けてしまう傾向も見られる。
2連勝を振り返ると、前半に先制して試合を優位に運べている一方で、後半は押し込まれる時間が長い。相手がゴールを目指して前に出てくることを差し引いても、守勢に回りすぎている場面は目立つ。リード後も強気な姿勢を保ちたい。
徐々にチーム内の序列もはっきりとし、ある程度固定したメンバーでの戦いが続くが、この夏の連戦で溜まる疲労は相当なもの。選手のコンディションは気がかりである。
文:totoONE編集部