[写真]=J.LEAGUE
■鹿島アントラーズ レジェンドのラストマッチ。チームの目標は勝利のみ
【プラス材料】
20日にDF内田篤人が現役引退を表明し、このホームゲームのガンバ大阪戦がラストマッチになる。鹿島のレジェンドを勝利で送り出す意思は、チームの随所から感じられる。引退は選手の終着点であり、日本ではネガティブな受け止められ方が存在するが、この試合に向かうチームにとっては間違いなくプラスに働く。
アウェイゲームだった前節の横浜FC戦はハンドを見逃されて決勝点を献上したが、後半からは相手を押し込み、チャンスの質も高かった。リーグ戦も再開から10試合を数え、チーム内の連係は攻守において向上していることがうかがえる。
相変わらずの過密日程で体力勝負になるが、走る、決める目的がより強い試合。勝利で内田の花道を飾る。
【マイナス材料】
チャンスを作り、その質も確実に上がってはいるが、ゴールを仕留められない。0-1で敗れた前節の横浜FC戦は、決定力不足が敗因の一つに挙げられる。
アントニオ・カルロス・ザーゴ監督は「チャンスは作れている。それを決められるか、決めれないかは、個々の落ち着きと精度にかかっている」と話している。ゴール前で落ち着きをもたらすのは、やはり先制点を与えないこと。劣勢になると過密日程も相まって逆転が困難になるだけに、しっかりとした守備から試合に入りたい。
また、守備時のセットプレーで変わらず危ない場面を作られており、集中力をもって対応できるかがカギで、試合前の現状は不安点に挙げられる。G大阪との伝統の一戦。隙を見せたほうが底に落ちる戦いになる。
文:totoONE編集部
■ガンバ大阪 守備を立て直し、苦手の敵地で4年ぶりの勝利を
【プラス材料】
前節の浦和レッズ戦は今季最多の3失点を喫して敗戦。若手主体で臨んだJリーグYBCルヴァンカップの湘南ベルマーレ戦後、第10節のサガン鳥栖戦が急遽中止になったことで主力選手にとっては約10日ぶりの公式戦となったが、「試合勘は問題なかったし、入りも悪くなかったと思う」と宮本恒靖監督。
ただ、立ち上がりの決定機で枠を捉えられなかった中、前半のうちに2失点を喫したことが重くのしかかり、最後まで堅い守備を敷いた浦和に手こずった印象だ。とはいえ、後半に喫した1失点も含め、すべて自分たちのイージーミスが招いた失点だと考えればそこまで悲観するものではない。
体調不良で離脱したDFキム・ヨングォンの復帰が濃厚な今節は、右肩上がりの状態にあった“守備力”を今一度取り戻し、仕切り直しといきたい。DF昌子源の初の古巣対決も楽しみだ。
【マイナス材料】
前節の浦和戦は2点を先行された流れもあり、後半からは4バックを敷いた。選手の話を聞く限り「ぶっつけ本番」の色が強く、残念ながら機能したとは言いがたい。もちろん過去には長く取り組んできたシステムで、今季の連戦では……特に夏場の戦いはアクシデントにも揺るがない対応力が必要だが、復帰して間もない昌子を加えた4バックは公式戦では初めて。今後もシステムの併用をしていくのであれば、チーム・組織としての成熟が必要だろう。
対鹿島アントラーズの戦績を振り返ると、ここ3年間は一度も勝てていない。いずれも僅差のゲームではあるものの、最終的には鹿島の勝負強さに屈してきた印象が強い。今節でその嫌な流れを止めるためにも、昨季のアウェイゲームでゴールを決めたFWアデミウソンあたりに一発が出れば勢いに乗れそうだが……。
文:totoONE編集部