[写真]=兼子愼一郎、金田慎平
■浦和レッズ エース興梠の復帰は朗報。ホームで昨季の雪辱を果たせるか
【プラス材料】
プラス材料はエースのFW興梠慎三が前節のヴィッセル神戸戦で復帰したこと。2回のビッグチャンスは逃してしまったが、動きそのものにはキレもあり復調の気配がある。最終的にゴール前で仕事のできるストライカーが戻ってきたのは喜ばしい。
直近の3試合は2勝1敗だが、内容的には3連勝の可能性もあった。特に2試合目のガンバ大阪戦(3○1)では噛み合わない3バックの相手に対しても4バックを維持し、自分たちの狙いをピッチ上に反映する姿勢を見せた。それはこの大分トリニータ戦でも継続したい姿勢だ。
これまで大勝する試合はなく、勝利は接戦の末に奪ってきた。その集中力をこのゲームでも発揮して、再び勝利の流れをつかみたい。
【マイナス材料】
昨季の大分戦はホームでもアウェイでも敗戦。特に高温多湿の環境下で迎えた6月のアウェイゲームは相手の効果的なポゼッションに対し、背中を追いかけるように走らされて先に体力的にも厳しくなった。積極的なプレス戦術を標榜する今季の戦術だけに、それを外され続けると夏場の苦しさが襲ってくるだろう。
シーズンをとおして見た時に、失点シーンがサイドからのクロスをファーサイド側で合わせられるものに偏ってきたのは懸念材料。当然のように相手チームが狙いとする場所になり、3バックでサイドに相手が余りがちになることが予想される試合だけに、どれだけその弱点をトレーニングから修正できたがポイントになる。
文:totoONE編集部
■大分トリニータ 点取り屋の覚醒とジョーカーの登場が巻き返しのカギ
【プラス材料】
5連敗以降は1勝2分で負けなし。低迷していた時期を脱した感はあるが、予断を許さぬ状況であることに変わりはない。それでもケガ人が復帰し、コンディションが全体的に整ったことでメンバーをある程度固定できたことは大きく、連係ミスからの失点は防げそうだ。今後は監督からの信頼を得た大枠のメンバーでのマイナーチェンジはありそうだが、大崩れする心配はなさそう。
GKムン・キョンゴンは試合を重ねる度に安定感が増している。GK高木駿ほどのフィードの精度はないが、高さやボールストップで補っている。ゴール前に立つ迫力、守護神としての佇まいは、これからの経験で備わってくるだろう。
【マイナス材料】
直近の3試合で失点は「1」。守備陣は立て直しに成功したが、攻撃陣は復調していない。決定機逸が目立ち、決定力不足を露呈している。前節の柏レイソル戦はシュート本数では劣った(大分トリニータは8本、柏は10本)が、決定機の数では勝っていた。それでもスコアレスで終わったことは反省材料。FW知念慶、FW髙澤優也らストライカーの奮起が必要だ。
今季は交代枠が5人に増え、途中投入の選手が試合の流れを変える役割を担うが、現時点でジョーカー的な存在はいない。個の力で打開できるような選手が少なく、新加入のMF野村直輝、MF小林成豪らに期待したいところだが、試合に絡めていない。まだまだ連戦は続くため、厳しい試合を強いられるだろう。
文:totoONE編集部