[写真]=兼子愼一郎、清原茂樹
■名古屋グランパス 持ち味の“堅守速攻”復活で安定感を取り戻せるか
【プラス材料】
前節・ガンバ大阪戦の負け方を考えればプラス材料は考えにくいところだが、希望的観測を言えば試合翌日に急きょ取ったオフが心身のリフレッシュにつながれば、といったあたりか。
ほぼ完璧にG大阪を抑え込んだ前半から、疲労感ありありの後半で逆転を許したことでも、切り替えが重要なのは明確だ。マッシモ・フィッカデンティ監督は決定力のなさを嘆いたが、ここ2戦3発のFW金崎夢生や復帰後コンディションを上げ続けるMF阿部浩之など、得点が期待できる選手は揃ってきつつもある。
堅い守備から速い攻撃、そして決めるべきチャンスを決める勝負強さ。これまで名古屋グランパスの快進撃を支えてきた要素を復活させることが、やや安定感を欠いている昨今のチームを蘇らせる。
【マイナス材料】
とかく負傷者の状態が気がかりなチームだ。前節・G大阪戦で負傷退場したMF米本拓司の状況は不透明で、7月の離脱からようやくコンディションを上げてきたところだっただけに、軽微にかかわらず負傷は残念なところ。同じくFW前田直輝、FWマテウスも状態の悪さが目立ち、全体的な疲労感は中2日の準備期間のうち1日をオフとしたのも合点がいく。
かと言って入れ替えるべきメンバーも限られており、ここでも希望的な見方としてMFジョアン・シミッチやFWガブリエル・シャビエル、FW山﨑凌吾らバックアップメンバーの奮起を見たいところ。思いきってMF石田凌太郎など若手のモチベーションに賭けてみる手もあるが、果たして知将の決断やいかに。
文:今井雄一朗
■清水エスパルス ブラジル人2トップ+ルーキーの活躍で連敗回避へ
【プラス材料】
水曜日の前節・浦和レッズ戦に敗れたものの、第17節・湘南ベルマーレ戦に3-0で快勝して連敗を「7」でストップしたことは、まず精神面で大きなプラス要素。そこで初めて採用した3-5-2の布陣がうまく機能し、浦和戦も同じ形で序盤は良いサッカーを展開したため、選手たちも手応えを感じているはずだ。
特にFWカルリーニョス・ジュニオとFWジュニオール・ドゥトラの2トップは呼吸が合っており、浦和戦でも彼らの連係で惜しい形を作れていた。また、浦和戦では18歳のMF鈴木唯人が好プレーを見せ、あと一歩でプロ初ゴールというシーンを何度も作った。このところ再び先発出場が増え、自信や試合勘を増しているはずだ。
中2日の連戦ではあるが、彼ら3人は今後も期待が持てそうだ。守備に関しても、浦和戦は2失点したものの流れの中からのピンチは少なく、連敗中よりも安定感は増している。
【マイナス材料】
前節・浦和戦でセンターバックのDFヴァウドが今季4枚目のイエローカードを受けて出場停止になったことは、DF陣にケガ人が多い中での連戦ではかなり痛い。もし今節も3バックで臨むとすれば、湘南戦のMF六平光成のように他のポジションの選手を起用せざるを得ない。また、3バックに良い感触が出始めた中でヴァウドの一対一や空中戦の強さを欠くと、守備組織全体に影響を与える可能性も出てくる。
連敗は止めたものの湘南戦で1勝しただけで、浦和戦の負け方は今季のパターンどおり。あっさりした形で先に複数失点し、終盤に盛り返すが反撃は1点止まりというという負け方を、今季は何度も繰り返してきた。名古屋グランパスは守備が堅いので、自分たちのペースで試合を進めてもなかなか崩しきれないと、そのパターンにはまりやすい相手と言える。
文:totoONE編集部