[写真]=金田慎平、兼子愼一郎
■柏レイソル 負傷離脱者の復帰で守備が安定。攻撃陣は勢いを取り戻せるか
【プラス材料】
ケガ人が多発して一時はチームに5人いるセンターバック全員が負傷離脱という苦しい時期もあったが、第17節のサンフレッチェ広島戦でDF山下達也が復帰。続く前節の北海道コンサドーレ札幌戦ではDF大南拓磨が戻ってきた。本職のセンターバックの復帰によって最終ラインは安定感と力強さを取り戻し、札幌戦ではFWジェイ、FWアンデルソン・ロペス、FWドウグラス・オリヴェイラといったパワーのある外国籍選手を封じ、チームも3試合ぶりの勝利を収めた。これまで戦列を離れていた選手が徐々に復帰し始め、陣容が整いつつある。MF戸嶋祥郎やDF北爪健吾という今季J1初挑戦の選手たちも最近はよく順応し、躍動感あふれるプレーを見せている点も大きなプラス材料だ。
また、連戦の中でネルシーニョ監督の詳細にわたる戦術の落とし込みが浸透し、対戦相手に応じて複数のシステムを使い分ける柔軟さも身についた。
【マイナス材料】
直近3試合の気がかりな点は、チャンスで仕留めきれない決定力だ。第16節・サガン鳥栖戦と第17節・広島戦は多くのチャンスを作ったにもかかわらず、そこで決めきれずに1分1敗と勝ち点を落とした。前節の札幌戦も勝利こそ収めたが、前後半に作り出したいくつかのビッグチャンスを決めてさえいれば、もっと楽な展開に持ち込めていたはずである。
柏レイソルの得点源であるFWオルンガとMF江坂任は、対戦相手からのマークが明らかに厳しくなっている。札幌戦ではFKからMF大谷秀和が決めて勝つことができたように、オルンガと江坂のホットライン以外の攻撃パターンの構築が必要か。
FWクリスティアーノ、MFマテウス・サヴィオ、FW瀬川祐輔、FW神谷優太ら攻撃陣は依然として欠場が続く。劣勢時に流れを変えられるサブが少ないのも現時点でのマイナス材料だ。
文:鈴木潤
■横浜F・マリノス 前線の柱J・サントス欠場のダメージを最小限にとどめたい
【プラス材料】
3試合連続の3得点で3連勝中。今季リーグ戦の成績も9勝3分8敗と勝ち越した状況で今節を迎える。最近は3バックのシステムが機能し、攻守ともに歯車がかみ合ってきた印象だ。
システム変更後、特に輝いているのがFWエリキだろう。現在4試合連続得点中と目下のところ絶好調で、ここまで7ゴールを挙げている。チームが15年ぶりに優勝した昨季、夏の移籍ウインドーで加入して12試合で8得点を挙げたスコアラーが完全復活したと言っていい。
さらに、ここまでチームトップの11ゴールを挙げているFWマルコス・ジュニオールも2試合連続得点中と決定力が光る。リーグ屈指の攻撃力で今季初の4連勝を狙う。
【マイナス材料】
3バックのシステムが機能しているのはポジティブ要素だが、それを支えるセンターバックの駒が不足しているのは不安材料だろう。9月9日の第15節・名古屋グランパス戦でDF實藤友紀が負傷離脱し、9月16日の第24節・清水エスパルス戦の開始早々にはDF畠中槙之輔も負傷交代を余儀なくされた。現在は右サイドバックが本職のDF松原健やボランチのMF喜田拓也を起用しながらしのいでいる形だが、これ以上の負傷離脱では立ち行かなくなってしまう。
さらに今節は、今夏に柏レイソルから期限付き移籍で加入したFWジュニオール・サントスが契約の都合で出場できない。ここまでチーム2位タイの7ゴールを挙げているストライカーを起用できないのは痛恨で、前線の組み合わせの再考を余儀なくされる。
文:totoONE編集部