[写真]=清原茂樹、兼子愼一郎
■湘南ベルマーレ 負傷者の復帰は朗報。攻撃の機能度上げて4試合ぶりの勝利へ
【プラス材料】
前節の川崎フロンターレ戦はDF舘幸希とDF石原広教、2種登録のMF田中聡という若き面々が最終ラインに並び立った。負傷離脱の多い中、初めて送り出された3バックは堂々とプレーし、球際の強さや運動量などで個々に特長を発揮した。ゲームは前半のうちに先制を許して0-1で敗れており、失点シーンにはチームとして反省材料が浮かぶものの、リーグ屈指の攻撃力を誇る首位チームを相手に最少失点で切り抜けた事実は評価されよう。
最終ラインとは対照的に、これまで離脱していた中盤や前線のメンバーが徐々に復帰していることも朗報だ。川崎F戦ではFWタリク、MF中川寛斗、MF鈴木冬一がベンチ入りし、それぞれ出場を果たしている。左膝内側半月板損傷で戦列を離れていた元日本代表のMF梅崎司の復帰も心強い。
【マイナス材料】
前節は首位の川崎Fに0-1で敗れ、第17節の清水エスパルス戦から連敗は「3」に伸びた。得点力に優れる相手を最少得点に抑えたように、個々の頑張りとともに粘り強い守備は機能しているだけに、一瞬の隙を許さぬよう改めて突き詰めたい。
攻撃面も幾度かチャンスを作っている点はポジティブだが、シュート3本はいかにも少ない。シュート数は第10節の横浜FC戦(12本)を最後に毎試合1ケタにとどまっており、フィニッシュの精度はもとより、ゴール前の勝負に持ち込む回数をチームとして増やしたい。
FC東京との通算対戦成績は2勝4分10敗。湘南ベルマーレのホームでも1勝2分5敗と、黒星が大きく先行している。いまだ2勝にとどまっている今季の成績を思っても、ホーム連戦となる今節はサポーターに歓喜を届けたい。
文:隈元大吾
■FC東京 休養十分のエースに期待大。連勝でカップ戦の大一番につなげられるか
【プラス材料】
9月30日に行われた第29節は、エースのFWディエゴ・オリヴェイラを出場停止で欠く中、アウェイ『埼玉スタジアム2002』で2003年以来となる勝利をつかんだ。これまで苦手としてきた浦和レッズに対して今季は2勝を挙げ、“ダブル”を達成できたこともチームの士気を高める大きなプラスだ。長谷川健太監督は「内容としてはまだまだ」と省みたが、“1-0でリードした状態”でのゲームの締め方に過去の反省が生かされていた。自陣に引きすぎることなく、集中して無失点に抑えたことも明るい材料と言えるだろう。
また、故障を抱えていたMF髙萩洋次郎が5試合ぶりに復帰。途中出場でトップ下を務めたが、攻撃的なアクセントをつけるだけでなく、ボールを収めて時間を作るなど、判断の良いプレーを連発した。彼の復帰により、チームの選択肢は大きく広がる。
【マイナス材料】
9月中の成績は5勝1分2敗。決して悪くはない結果だが、下位の大分トリニータ、サガン鳥栖に敗れたことは気がかりな材料だ。特に第17節・鳥栖戦はチームの良さを全く出せずに完敗を喫した。DF森重真人は「シーズンをとおして波があるのは仕方がない」と割りきるものの、個々のコンディションのバラつきを組織としてカバーするまでには至らず。また、チーム戦術以前に、元来のFC東京が強みとする攻守の切り替えや球際の強度など、最低限のベースが失われるゲームもあり、不安定さは否めない。
今節終了後は中2日でJリーグYBCルヴァンカップ準決勝の大一番に臨むこともあり、この湘南ベルマーレ戦のメンバーは流動的だ。若手の起用も考えられるが、「試合中に課題を見つけ、修正をするためには経験が必要」と森重。それができなければ勝ち点を落とす可能性もある。
文:totoONE編集部