[写真]=金田慎平、兼子愼一郎
■北海道コンサドーレ札幌 前節見せた得点力と粘り強さを継続できるか
【プラス材料】
前節はホームで順位が下のベガルタ仙台を相手に引き分けてしまったとはいえ、3連敗中に挑んだ試合だったことを考えれば、勝ち点1を獲得して連敗を止めたことはプラスに考えたい。
しかも、3連敗中は得点もなしで、攻撃的なサッカーを標榜するチームとしては非常に厳しい状況だった。そうした中で前節は3得点を挙げて勝ち点を奪ったのだから、前向きに捉えたいところ。
一時は1-3と2点ビハインドになりながらも、そこから粘り強さを見せて同点にしたところも評価できる。連敗中とあって、そのままずるずるいってしまう可能性があった中で強い気持ちを出して勝ち点をつかんだのは大きく、この試合にもつながるはずだ。
【マイナス材料】
ここ8試合は1勝1分6敗。4試合勝ち星がなく、戦績としては非常に苦しい状況であることに変わりはない。3得点を挙げた前節の仙台戦はさておき、それ以外の試合ではシュートこそ打つものの、決して相手の守備を崩してという場面ではなく、強引に攻め入ってふいにしている印象が強い。攻撃面での質が不足していると言うしかない。
また、前節2得点のFWアンデルソン・ロペスはスタメンが4試合ぶりで、その前の試合(第19節のヴィッセル神戸戦)はベンチ外という立場だった。攻撃の形というよりも、メンバー選考のところがいまひとつ定まっていない印象もある。
守備面でもフィジカルで相手に簡単に負けてしまう場面が多く、リズムに乗っている時間帯とそうでない時間帯との波が大きいように見える。それが勝ち点を取りきれない要因とも言える。
文:totoONE編集部
■湘南ベルマーレ 上位勢と互角に渡り合う力はある。決定力向上で白星奪取へ
【プラス材料】
ここまで2勝しかしていない現実に厳しい評価が下されるのは致し方ないことだろう。ただ、選手たちの姿からは年月をかけて積み上げてきた自分たちの良さを発揮し、なんとか現状を打破したいという意思が伝わってくる。鹿島アントラーズ、川崎フロンターレ、前節対戦したFC東京と上位をいく強豪に対し、敗れこそすれ0-1という僅差の結果が続いている事実は、その意思の表れとも受け取れる。
前節のFC東京戦では、第19節の川崎F戦を欠場していたDF大野和成がスタメンに入り、同じくDF坂圭祐も途中出場で復帰した。また、川崎F戦で復帰していたFWタリクが14試合ぶりに先発を果たし、加えてMF鈴木冬一も川崎F戦に続いて途中出場している。これまで多くの負傷離脱に悩まされていたチームにとって、これもまた明るい材料だ。
【マイナス材料】
前節はホームにFC東京を迎え、0-1で敗れた。相手が先発メンバー全員を前の試合から入れ替えた中での悔しい敗戦だった。これで4連敗と、依然厳しい状況が続いている。
特に気になるのは得点力だ。この4連敗中はゴールがなく、FC東京戦はシュート1本に終わっている。総得点「14」はリーグ最下位で、各チーム試合数に違いがあるとはいえ、攻撃は喫緊の課題と言えるだろう。こうした現状を踏まえ、今週はクロスの精度やゴール前に入るタイミングなど、アタッキングサードの質を磨いていると聞く。トレーニングの成果を結果に表したいところだ。
今節アウェイで対峙する北海道コンサドーレ札幌との通算対戦成績は12勝12分16敗。相手のホームでも6勝6分8敗と黒星が先行している。前回対戦はスコアレスドローだったが、今節やいかに。
文:隈元大吾