[写真]=清原茂樹、兼子愼一郎
■湘南ベルマーレ 相性面は優勢。前回対戦からの進化を見せることができるか
【プラス材料】
サガン鳥栖との連戦はいずれも引き分けで決した。勝ち点3には届かなかったものの、第23節の柏レイソル戦の勝利(3○2)以降は着実に勝ち点を積み上げており、最下位も脱した。
ゲームの内容にも湘南ベルマーレらしい積極性や粘り強さが示されている。アウェイで臨んだ前節の鳥栖戦は序盤のうちに先制し、前半終了間際に追加点も挙げた。2度追いつかれた展開は反省材料だが、相手に先んじてゴールを奪い、失点しても崩れなかった戦い自体はポジティブに捉えられる。2-2で決したこの試合、つけ加えればゴールは、MF茨田陽生とFW指宿洋史の今季初得点だった。負傷離脱が相次ぐ中で、チャンスをつかんだメンバーが結果を残したこともまた心強い。
横浜FCとの通算対戦成績は18勝7分14敗。さらにホームでは12勝4分4敗と、湘南が優位に立っている。
【マイナス材料】
2-2で引き分けた前節の鳥栖戦は、取っては取られる展開だった。ことに後半は相手に押し込まれ、終盤に同点に追いつかれた。ゴールシーン以外にも相手に幾度か決定機があったことを思えば、粘り強い守備で2失点にとどめたとも言える。その反面、シュート数にも表れているように、相手に比べて決定機は少ない。得点の確率を高めるためには、ゴールに迫る回数を増やしたいところだ。
プラス材料で触れたとおり、今節戦う横浜FCとは通算対戦成績で湘南がリードしているが、8月の前回対戦は2-4で敗れている。プレッシャーがかからず、幾度も背後を狙われ、前半20分で0-4という厳しい展開を強いられた。それから2カ月あまり、今節はチームとしての進化を示し、結果をつかみたい。
文:隈元大吾
■横浜FC 完敗を喫した前節のダメージを引きずっていなければいいが
【プラス材料】
前節・北海道コンサドーレ札幌戦でMF中山克広が戦列に戻ってきた。7月の第5節・川崎フロンターレ戦以来のメンバー入りと出場を飾り、わずか10分程度だったがプレー。ルーキーイヤーとなった昨季は右サイドの槍として攻撃を引っ張っていたスピード豊かなドリブラーの復帰はチームに光をもたらす材料となりそうだ。
今節戦う湘南ベルマーレは前回対戦で4ゴールを奪って大勝した相手。ゴールを奪った形や90分をとおしてのゲームメイクなど、試合内容も今季のベストゲームの候補のひとつに挙げられるほど充実しており、今回も再現を狙いたい。
第23節・FC東京戦でJ1初ゴールを決め、札幌戦で今季初先発を飾ったFW草野侑己。本職のFWではなく左サイドハーフでのプレーが続いているが、チームに活力をもたらすエネギッシュなプレーとどこからでもゴールを狙う貪欲な姿勢は今のチームに必要不可欠だ。
【マイナス材料】
後半戦に入ってもなかなか成績が安定せず、波に乗りきれていないのが現状だ。第23節・FC東京戦で勝利を挙げ、今季2度目の連勝を目指して戦った前節・札幌戦は0-3の完敗。同勝ち点で同じように攻撃的なサッカーをスタイルとして持つチームに敗れたダメージは大きいだろう。
第22節・ベガルタ仙台戦、FC東京戦と2試合連続無失点で守備に安定感が備わってきたかと思ったが、札幌戦で3失点。これで10月は3点を奪われての敗戦が3試合目となった。これまでも何度か指摘してきたが、守備の改善は不可欠である。
今季ここまでの“連敗”は4度を数えるが、その“連敗”を阻止できたのはリーグ戦再開直後の第2節・札幌戦に敗れた直後だけ。それ以外は1度敗れるとその次の試合も敗れて連敗となっているだけに、今回は何としても阻止したい。
文:totoONE編集部