[写真]=大木雄介、金田慎平
■セレッソ大阪 ホームでの成績はリーグ屈指。強みの堅守を再構築できるか
【プラス材料】
前節の清水エスパルス戦を終えた段階で、昨季の得点数(39得点)に並んだ。今季は今節のサンフレッチェ広島戦を含めて7試合あるので、まだまだ数字は伸ばせるだろう。昨季の課題だった得点不足という面に関しては、改善できていると言える。勝利するためには、攻撃陣のさらなる活躍が必須だ。
今季のホームでの成績は、13試合を戦って7勝3分3敗と白星が先行している。勝率は53.85パーセントを記録しており、これはリーグ3位の数字(1位は川崎フロンターレで86.67パーセント、2位は名古屋グランパスで76.92パーセント)。現在ホームゲーム3試合負けなし(2勝1分)と調子は悪くないので、その勢いに乗ってシーズンダブル達成といきたい。
【マイナス材料】
広島とのJ1での対戦成績は16勝5分18敗と負け越している。カップ戦やJ2を含めての通算対戦成績も18勝5分23敗と黒星が先行。7月の前回対戦こそ勝利しているが(2◯1)、その前は3試合勝ちがなかった(1分2敗)。相性がいいとは言えない。
直近の3試合で7失点と守備が崩壊気味(第24節・浦和レッズ戦と前節・清水戦は3失点、第26節・ガンバ大阪戦は1失点)。27試合で32失点を喫しており、7試合を残して早くも昨季の失点数(25失点)を超えてしまった。今一度、自分たちの強みである守備を見つめ直したい。
前節の清水戦に敗れ、他のチームが勝利したこともあり、順位は5位に転落した。来季のACL出場権や天皇杯への出場権が絡む上位争いは混沌としているため、本拠地『ヤンマースタジアム長居』で白星をつかみ取って残りたい。
文:totoONE編集部
■サンフレッチェ広島 日本人選手の得点が増えれば、さらなる躍進もあり得る
【プラス材料】
5試合連続不敗、最近10試合で5勝3分2敗と調子を上げていることは確か。10試合での複数失点は清水エスパルス(第21節:3◯2)と川崎フロンターレ(第22節:0●2)に2失点したのみで、1試合平均失点は「0.90」。一方の1試合平均得点は「1.50」にとどまっているが、複数得点を挙げた試合は5試合あり、そのうち3試合で3得点を決めている。
MF青山敏弘が「ようやく自分たちのサッカーを自信を持って表現できるようになった」と断言するなど、選手たち自身もサンフレッチェ広島のハイプレスとハイスピードの切り替えをベースにした目指すサッカーが実感として理解できてきた。
先制されると追いつけない試合が続いていた。その悪癖も第26節の浦和レッズ戦(1△1)と前節の横浜FC戦(1△1)で同点に追いついて勝ち点1をもぎ取ることで、解消されつつある。
【マイナス材料】
以前は上位チームと戦うとなかなか勝ち点が取れない試合が続いていたが、最近は逆になっている。横浜F・マリノスやヴィッセル神戸、名古屋グランパスといった強豪に快勝できても、ベガルタ仙台や横浜FCといった勝ち点を挙げることに苦労しているチームに対して苦戦。自陣深くに整備された守備を構築するスタイルを打破することができていない。
また、最近5試合の得点を見ると、流れの中でゴールできているのはFWレアンドロ・ペレイラとMFエゼキエウだけ。日本人選手が組織だった攻撃の流れからゴールを決めたのは、10月10日に行われた第21節の清水戦(3◯2)におけるMF川辺駿のゴールまで遡る。チャンスは決してないわけではなく、むしろ以前よりも増幅しているが、最後にゴールネットを揺らさないと意味がない。
文:紫熊倶楽部 中野和也