[写真]=清原茂樹、兼子愼一郎
■サンフレッチェ広島 安定したパフォーマンスで不敗継続も、連戦の疲労が気がかり
【プラス材料】
第28節のセレッソ大阪戦は10人での戦いを強いられながらも、FWレアンドロ・ペレイラが奪ったゴールを守りきって勝利。11人総入れ替えで臨んだ前節の湘南ベルマーレ戦は、前半の不調をハーフタイムを挟んで劇的に好転させ、MF川辺駿のゴールで同点に追いついて勝ち点1を獲得。2試合とも前半と後半で大きく状況が変わった中、しっかりと勝ち点を取りきり、これで不敗記録を7試合に伸ばした。
特に湘南戦のゴールは中央でのコンビネーションを使った攻撃で相手の堅陣を崩した、価値あるもの。3列目からの飛び出し、3人目・4人目とつながってペナルティエリア内に侵入した精度も含め、ひとつの理想形に近い得点だった。L・ペレイラの破壊力に加え、こういうコンビネーションが頻発するようになれば、サンフレッチェ広島の攻撃力はさらに厚みを増す。
【マイナス材料】
11人総入れ替えという前節の湘南戦での大胆な起用は当然、中2日で迎える北海道コンサドーレ札幌戦を見据えたもの。しかし、MFエゼキエウの負傷や前半の不出来も相まって、MF森島司やMF浅野雄也、MF柏好文、川辺らの主力選手を長い時間起用せざるを得なかった。この影響は決して小さくない。移動を伴っていることもあり、リカバリーも満足に行うことができない可能性もある。第28節のC大阪戦は10人で戦う時間が長く、アウェイ遠征での疲労も彼らに重くのしかかるはずだ。
MFハイネルが膝の治療のため、すでにブラジルに帰国。また、前述したエゼキエウの負傷は長期離脱の可能性すら予感させるもので、札幌戦は戦力的な部分でも不安を残す。サッカーの内容は悪くないが、コンディションを整えることができるか、そこが心配だ。
文:紫熊倶楽部 中野和也
■北海道コンサドーレ札幌 荒野&チャナティップ離脱の影響をどこまで抑えられるか
【プラス材料】
前節は清水エスパルスに5得点で快勝。攻撃的な戦いを志向するチームが大量得点で勝利できたのは大きいだろう。終盤戦ながらもチームに勢いが生まれつつある印象だ。
加えて、清水戦では新加入のFWウーゴ・ヴィエイラが途中出場でデビュー。DF福森晃斗の直接FKを呼び込むファウルを得るなど、得点にも絡んだ。日を重ねるごとにコンディションが高まっていくことが予想されるため、この試合も含めて今後の活躍に期待が集まる。また、H・ヴィエイラの加入によってタイ人を除く外国籍選手が6名となり、外国籍選手枠内の競争はさらに過熱するはず。熾烈なアピール合戦も期待できるため、戦力アップにもつながりそうだ。
今節はアウェイゲームとはいえ、中2日のサンフレッチェ広島に対して北海道コンサドーレ札幌は中6日。日程的な優位性もある。
【マイナス材料】
前節の清水戦での接触プレーでMF荒野拓馬が左足首を負傷。即時交代となり、長期離脱も予想されるので、少なくともこの試合の欠場は決定的。荒野が今季推し進めているマンツーマンディフェンスの中心を担うハードワーカーだったため、この選手の不在は単なる戦力ダウンではなく、チーム戦術にも影響を与え得るものと言える。
加えて、MFチャナティップも負傷の治療のため母国タイに帰国したことが発表され、こちらも今季残り試合は欠場となる。個人でボールを持ち運べるタイのビッグネームは攻撃の中心だったため、こちらについても戦力ダウン。前節の5得点はPKやリスタートを含んでおり、流れの中からの得点機演出という意味ではチャナティップの存在が大きかった。荒野、チャナティップの不在は試合を難しくさせる可能性が多いにある。
文:totoONE編集部