[写真]=清原茂樹、金田慎平
■清水エスパルス 平岡体制無敗のホームで過去2試合の借りを返せるか
【プラス材料】
平岡宏章監督が就任してからホームでは2勝1分と負けがなく、『IAIスタジアム日本平』の雰囲気も良くなっており、サポーターの後押しを受けて選手がパワーを発揮するという良い循環ができている。特に後半は平岡監督の的確な交代策が効いて試合の流れが変わることが多いため、スタジアムがより盛り上がっている。
前節の湘南ベルマーレ戦ではそれが勝ち越し点にはつながらなかったが、62分に同時投入された2人の高卒ルーキー(MF鈴木唯人とFW川本梨誉)が試合の流れを変える働きを見せたことはプラス材料と言える。川本は3カ月ぶりの出場だったが十分に力を発揮し、選手間の競争という意味でもチームを活性化させた。
また、エースのFWカルリーニョス・ジュニオがここ4試合で2得点を挙げて9ゴールとし、目標とする二桁得点に向けてさらにモチベーションを上げている。
【マイナス材料】
湘南戦の前半はそれまでの勝利した3試合と比べると、パフォーマンスやエネルギッシュさが低下していたことは否めない。その意味では、監督が交代した後によく生まれるブースト効果が弱まってきたという見方もできるだろう。後半は試合の主導権を握って攻め込んでいた中で、同点ゴールは取れたものの勝ち越すまでには至らなかった。そこは運も加わる要素だが、それも含めた“勢い”という面はやや低下しているように見えた。
また、対川崎フロンターレという意味では、今季はJリーグYBCルヴァンカップも含めて2度対戦し、どちらも5失点を喫して敗れている。失点は以前より減ってきているものの、平岡監督に代わってから無失点の試合はなく、川崎Fの攻撃をゼロに抑えきるのは容易ではない。特に先に点を取られてしまうと、非常に苦しい戦いになるだろう。
文:totoONE編集部
■川崎フロンターレ ここからは記録への挑戦。若手の出番が増える可能性も
【プラス材料】
前の試合は2位・ガンバ大阪との直接対決を5-0で大勝。これにより、2年ぶり3度目のリーグ優勝を達成した。リーグ戦4試合を残している状態だが、試合後の鬼木達監督は「一戦必勝と言ってましたが、今度は記録というものにチャレンジするべきだと考えています」と語っている。となれば、残り試合は新たな記録を打ち立てることも視野に入れて臨みたいところ。
更新したい数字で言えば、やはり得点記録だろう。リーグ戦の過去の最多得点は、2006年に自身で打ち立てた84得点だ。現在は79得点で、あと5得点で並ぶことになる。そして、ここまで12得点のMF三笘薫は、あと1点取ればJ1の新人得点記録に並ぶ状況だ。勝利を目指す中でゴールは必要不可欠。今まで以上に貪欲に狙っていく姿勢を示したい。
【マイナス材料】
連戦による疲労の蓄積もあったのだろう。11月に関して言えば毎試合失点を重ねていたが、G大阪戦はキャプテンであるDF谷口彰悟の出場停止があった中でもクリーンシートを達成。中盤でアンカーを務めるMF守田英正は手応えを口にする。「後ろの安定感もありました。前に入った時のサポートもスムーズにできたし、そこの兼ね合いは1試合だけで改善できたのは大きかった」。
1週間半以上のインターバルを経て迎える今節は、コンディションは十分だ。週初めの練習を見る限り、離脱者が出ていたのは気がかりだが、逆に若手に出番が巡ってくる可能性もある。2年目のMF原田虹輝、新人のDFイサカ・ゼインやDF神谷凱士は虎視眈々とベンチ入りを狙ってアピールを続けている。彼らにチャンスはあるのか、注目だ。
文:いしかわごう