[写真]=兼子愼一郎、J.LEAGUE
■大分トリニータ 最終局面の精度を上げられなければ足をすくわれる可能性も
【プラス材料】
上位チームとの3連戦を終え、川崎フロンターレ(第28節:1◯0)と名古屋グランパス(前節:0△0)から勝ち点を得た。90分間走りきり、集中力を保ち、良いパフォーマンスを維持できている。攻守の狙いも明確で、最近は前線からのアグレッシブな守備が浸透。コンパクトな陣形を保てており、安定感が増した。
最終節までスケジュールが厳しい5連戦となるが、前節から中7日を使ってコンディションを整え、対戦相手や自分たちのメンバー構成によってボールの奪いどころを定めることを確認できた。
今節の対戦相手となるベガルタ仙台は前回の対戦で3-0と快勝しており、良いイメージを持って戦えそうだ。
【マイナス材料】
直近3試合での得点数はわずか「1」。枠内シュートの数は増えているが、決定力不足は積年の課題。片野坂知宏監督が「プレーに関わる当事者の意識、クオリティの問題。決定機の数を増やすしかない」と語るが、FWの得点数が少ないのは明らか(FW髙澤優也の5得点が最多)。FW陣の奮起に期待したいところだが、来季への不安は募る。
片野坂監督の6シーズン目の続投が決まったが、選手との交渉はこれから。来季の契約など、ピッチ外のことで試合に集中できない時期となる。上位争いもなければ、降格もない状況で試合の向き合い方が難しい。モチベーション低下が気がかり。
文:totoONE編集部
■ベガルタ仙台 好調の長沢に期待大。アウェイ戦連勝中の勢いを生かせるか
【プラス材料】
ホームでの成績が振るわないが、アウェイについて言えば11月14日の第27節・ガンバ大阪戦と25日の第29節・サガン鳥栖戦で連勝中。今節からアウェイゲームが2試合続くものの、このプラス材料を生かしたい。
個人としては、FW長沢駿が好調なことが頼もしい。連続ゴールは1日の第26節・柏レイソル戦で途切れたものの、攻撃陣が苦戦したこの試合でも3本のシュートを放った。長沢は昨季の第33節で、大分トリニータ相手に得点を決めている。今回も期待したい。
また、一時は多かったケガ人も少しずつ戻ってきており、選手の組み合わせに幅ができたこともプラス。DF蜂須賀孝治は柏戦でフル出場できるまでになり、FW西村拓真は柏戦で約2カ月ぶりに出場した。彼らは調子を上げ、チームの勝利に貢献できるか。
【マイナス材料】
大分との前回対戦である第16節は、0-3と完敗。内容も悪く、苦手意識が強く残った中でこのカードを迎えるのは大きな不安材料だ。
日程面で不利なこともマイナス材料。大分は直前の公式戦が11月28日で1週間の準備期間を得られるのに対し、ベガルタ仙台は直前の公式戦が1日。中4日でアウェイの地に赴くことになる。コンディション調整には細心の注意が必要になりそうだ。
さらに、その直前の試合である柏戦に0-2で完敗。連勝や今季ホーム初勝利を逃したというショックも残る中でこの一戦を迎える。メンタル面が立て直せているかどうか、ということについても不安を残す。
文:totoONE編集部