[写真]=金田慎平
■サガン鳥栖 攻撃面の好調はプラスだが、失点の止まらない守備に不安あり
【プラス材料】
直近の5試合で1敗しかしておらず(1勝3分1敗)、順位も14位まで上げてきた。相変わらず勝ちきれない試合が続くものの、調子自体は悪くない。前節の横浜FC戦も先制されながら試合終了間際に同点に追いついた。打たれたシュートも多かったが、打ったシュートも多かった(横浜FCは14本、サガン鳥栖は12本)。これも今季の鳥栖らしい戦い方と言える。
ここ5試合のうち敗れた第29節のベガルタ仙台戦(0●1)以外は得点を取れているので、攻撃面は好調を維持していると言っていいだろう。その中でも、MF本田風智が頭ひとつ抜け出している。昨季2種登録でデビューし、今季がルーキーイヤーにもかかわらず、ここまで24試合に出場。ラストパスの精度は高く、自身もフィニッシャーとなるなど、攻撃の核となっている。
優勝を決めた川崎フロンターレにひと泡吹かせたい。
【マイナス材料】
直近の5試合で1敗とはいえ、すべての試合で失点している。GK朴一圭が加入して落ち着きが見え始めたディフェンス陣だが、失点が止まらない。センターバックのDFエドゥアルド以外は試合が始まるまで誰がピッチに立つのか分からない。ケガやコンディションの問題もあるが、核となるDFが定まらないところがマイナス材料で、ここまで連勝がない要因とも言える。
リーグ最多得点の川崎F相手ではあるが、しっかりとした守備から入ることで勝機も見えてくるだろう。まずは先制点を与えないこと。攻撃に耐える時間帯も長くなるが、集中を切らさずワンチャンスを逃さないことが大事。当たり前のことではあるが、メンバーが固定されていないからこそ、求められる課題でもある。4試合ぶりの白星を見たい。
文:totoONE編集部
■川崎フロンターレ 記録更新への準備は万全。負傷者の増加は気になるところ
【プラス材料】
前節は清水エスパルス相手に2-2のドロー。最終的に同点に追いついたものの、なかなかリズムが作れず、相手にリードを許して追いかける難しい試合展開となった。
鬼木達監督は今週のメニューで後方からの組み立てを中心に攻撃面を改善。「前から見るのがカギになる。前線の動き出しだったり、ビルドアップで良いトレーニングができた」とFW小林悠は手応えを口にする。サガン鳥栖のハイプレスが想定できるだけに、ボールの運び方を改善したことを示し、得点に結びつけたい。
清水戦で2得点を挙げたことにより、現在の総得点は「81」となった。リーグ戦の過去最多得点「84」にあと3得点で並ぶ数字だ。残りは3試合。記録更新に注目を集めているだけに、今節も複数得点に期待がかかる。
【マイナス材料】
リーグ戦は残り3試合。そして天皇杯が残っている日程だが、ここにきてケガ人が増えてきているのは気がかりだ。清水戦を欠場したMF大島僚太は右腓腹筋肉離れで全治2~3週間程度、DF車屋紳太郎も右大腿骨骨挫傷と右脛骨骨挫傷で全治3~4週間程度。清水戦の序盤に腰を痛めて途中交代したDF登里享平も欠場が濃厚で、左サイドバックのレギュラーを欠いた中で臨む一戦となっている。候補としては清水戦で同ポジションに入ったMF旗手怜央か、DFイサカ・ゼインやDFジオゴ・マテウスといった面々が候補として予想でき、誰が起用されるかは注目となる。
鳥栖と対戦したのはリーグ戦の開幕戦のみ。この時はスコアレスドローに終わっており、今季の公式戦で唯一勝利していない相手となっているだけに、勝利を収めたいところだ。
文:いしかわごう