DAZNと18のスポーツメディアで取り組む「DAZN Jリーグ推進委員会」が、メディア連動企画として「DAZN Jリーグ推進委員会 月間表彰」をスタートさせた。サッカーキングでは今シーズンの明治安田生命J2リーグにおいて、月間MIP(Most Impressive Player)を選定し、その受賞者へのインタビューを掲載する。11月のJ2リーグ月間MIPには、モンテディオ山形に所属する藤嶋栄介選手を選出した。
取材=三島大輔
写真=モンテディオ山形
——2020シーズンも終盤戦を迎えています。今シーズンは新型コロナウイルス感染症の影響による中断など、Jリーグには様々な出来事がありました。藤嶋選手自身もシーズン途中での移籍を決断しています。シーズンの最初にはモンテディオ山形の正GKとしてチームを支えている姿はきっと想像できなかったと思います。
藤嶋 そうですね。自分でも全く想像できなかったです。それでも山形の地に来て、今まで積み重ねてきたものが発揮できている。そう感じられていることに喜びを感じています。
——昨シーズンから今シーズン途中までは川崎フロンターレに在籍していました。快進撃を続けるチームとは裏腹に、藤嶋選手は負傷離脱を含めてピッチに立てない悔しさやもどかしさがあったのではないでしょうか?
藤嶋 昨シーズンはコンディションが上がってる時期にケガをしてしまいました。今年はケガが回復して「勝負の年だ」と臨んでシーズンインしたのですが、なかなか自分だけ試合に絡めなかった。ただそんな中でも、(チョン)ソンリョンが僕を励ます声をかけ続けてくれたんです。「シュートストップが良くなっているよ」「1対1の対応が改善している」と。そのおかげで練習から自信を持ってプレーすることができたし、ずっと積み重ねることができました。とはいえ、試合に関われないことに対する歯がゆさはありました。「どうにかピッチに立ちたい」という気持ちを強く抱いていましたね。
——9月末に川崎Fと契約を解除し、10月に山形へ加入。短い期間ですが、無所属という状況になりました。
藤嶋 次のチームで自分の持てる力を100パーセント出し切りたい、チャレンジしたいと思いながら過ごしていました。
——今シーズンの過密日程の中で昇格争いをしている山形に加入。シーズン終盤戦で新しいチームに適応していく難しさはありましたか?
藤嶋 昇格争いの真っ只中という状況だったので、ポジションを勝ち取るのは簡単じゃないと思っていました。とはいえ、チームのGKが負傷離脱していたので、自分にもチャンスがあるかもしれないとも考えていましたし、当然レギュラーを奪いたいという気持ちもありました。今回は通常の移籍とは違って残り期間が短い中での加入でした。その期間の中でどうやって自分を表現するかについては、練習の中で自分のパフォーマンスを上げていくしかないと割り切れていたと思います。加入後はチームメイトと積極的にコミュニケーションを取ったりと、なるべく早く溶け込もうと行動していました。
——藤嶋選手はこれまで6クラブに在籍しています。チームの輪にうまく入るために心がけていることはありますか?
藤嶋 GKというポジション柄、会話するというコミュニケーションを大事にしています。積極的に話しかけないと、自分を出せずにずっと溶け込めないままで時間が過ぎてしまいますから。そうなるとGKとして自分のプレーを出しづらくなると思いますし、練習だけじゃなくてプライベートな時間でも、積極的に自分から話しかけたり、うまくコミュニケーションを取ろうと意識して生活しています。
——山形のチームメイトでもともと交流のあった選手はいらっしゃいましたか?
藤嶋 ちらほらいましたね。まずGKの佐藤昭大さん。僕が松本と鳥栖を契約解除になった年はチームが決まらない期間がありました。僕の地元は熊本なので、ずっとロアッソ熊本の練習に参加していました。そのときにアキさんが熊本に所属していたので、僕の所属クラブが決まるまでの間は一緒に練習をさせていただいていました。あとは、センターバックの栗山直樹選手とは学生時代に大学選抜で一緒にプレーしたことがありました。
——その佐藤選手が今季限りでの引退を発表。第40節の岡山戦では87分に藤嶋選手と交代で投入されました。
藤嶋 前日にコーチから伝えられていたんです。「明日の試合で勝っていて交代枠が残っていたら、ちょっとでもピッチに出してあげたいと思っている」と。引退を決断するのは簡単ではなかったと思うので、僕自身もどうにか出場してほしかった。最後に気持ち良く送り出してあげたいという気持ちがありました。ホーム最終戦でGKを代えるというのは難しいと思ったんですけど、コーチからそう伝えられていたので「ゼロに抑えておけば、絶対にフィールドの選手が点を取ってくれる」と信じていました。ああやっていい形でバトンを渡すことができて、僕自身のミッションを達成できたと感じました。アキさんが最後にホームのピッチに立ったのは本当にうれしかったです。
——11月上旬、同じく昇格を争う京都、新潟に連敗。次節の千葉戦から藤嶋選手に出番が訪れました。
藤嶋 京都と新潟との2連戦は昇格争いにおいてとても大事な試合でした。その試合に連敗したので、僕自身は練習の中からより一層アピールしていこうと思っていました。実際に「千葉戦に行くぞ」と言われたのは前日練習の時だったので、それまではアキさんが出場するものだと思っていましたけど。ただそんな中でも、常にいつ出番が来てもいいようにという準備はできていました。「行くぞ」と言われた時も、いつもと変わりなく気持ちの部分でも準備ができていたと思います。
——山形でのデビュー戦は古巣・千葉との試合になりました。その試合を現地で取材をさせていただいたのですが、山形の今季ベスト3に入るようなゲーム展開だったと思います。あの試合を振り返ってください。
藤嶋 2年ぶりの公式戦だったので、試合前に多少なりとも緊張はしていました。だから、フィールドの選手には「4、5点取ってくれよ」と冗談で話していたんですけど、まさか本当に取ってくれるとは(笑)。古巣相手で一緒にプレーしていた選手がたくさんいたので、僕自身は緊張しすぎずに試合に入れたと思います。自分のデビュー戦が千葉で良かったと感じていますね。相手に決定的なチャンスは作られていなかったんですけど、ビルドアップやコーチングの部分など、自分のできることからしっかり入ろうと意識していました。うまくゲームに入れて、なおかつフィールドの選手たちがしっかりと点を取ってくれたので、落ち着いてゲームを運ぶことができました。本当にみんなに感謝したいです。
——千葉戦では試合後に川崎F時代のチームメイトである新井章太選手とユニフォームを交換されていました。新井選手は藤嶋選手にとってどのような存在ですか?
藤嶋 やっぱりすごい選手ですよね。ソンリョンは僕にとってすごく偉大な選手なのですが、それと同じくらい章太くんも素晴らしいGKだと思っています。フロンターレにいる時に横であの二人の姿を見て、僕のサッカー観やプレースタイルが変わりました。あの二人がいたから、今の自分があると思っています。本当に尊敬できる先輩たちです。
——千葉戦以降はレギュラーに定着し、11月の出場試合は3勝2分け1敗。11月の月間MIPに選出させていただきました。ご自身にとって11月はどんな月になりましたか?
藤嶋 僕自身は試合に出られるようになって、自分のプレーを試合ごとに出していけるようになった月でした。しかしそれと同時に、チームとしてはもっと勝ち星を取れたというのが正直な気持ちです。勝ち切れそうな試合展開の中で相手に押し切られた。チームとしてはもっともっと勝ちにこだわって、勝ち点を取れたら良かったという印象です。
——SNSでは勝利を収めた試合の後でも反省の弁を投稿していました。
藤嶋 そうですね。失点をしなければ負けはない。勝っているからといっても、失点をしていいということはありません。1試合を通して満足いくプレーというのはなかなかできていないのが現状です。ソンリョンや章太くんといった尊敬できる先輩たちは、そういうところを突き詰めていました。だからこそ、J1のピッチで活躍したり、評価をされています。僕自身ももっともっと成長できると思ってますし、突き詰めてやっていくところがまだまだあると感じています。
——今シーズンは山形で短いスパンにも関わらず結果を残しました。手応えや喜びをどう感じていますか?
藤嶋 山口で試合に出ていた時と今の試合に出ている時の心境が違うんですよね。今はプレーしている時にすごく落ち着いてプレーできていると感じています。ばたつきがなくなったというか。自分にはただがむしゃらにプレーするのではなくて、自分がゲームを構築できるようなGKになりたいという目標があります。それを山形に来てから少しずつですけど実践できている感覚がありますね。
——当たり前ですがGKの出場枠は1試合に1枠です。改めてGKとして自身が試合に出る喜びを感じているのでは?
藤嶋 やっぱり苦しんだ分だけ、ピッチに立つといろいろな感情が湧き出てきます。うれしいことだったり、悔しいことだったり。それは本当に試合に出場しないと味わえません。今は試合に出させていただいて、試合に勝ったり負けたり引き分けたり、いろいろな経験をさせてもらっています。本当にすごくありがたいですね。継続的に試合に出場できるようになって、ようやくプロサッカー選手になったなという実感も湧いてきています。今シーズンは残り1試合しかないですけど、もっともっと自分のプレーを出していきながらチームに貢献したいと思っています。
——残念ながら今シーズンのJ1昇格は叶いませんでした。来シーズンで山形がJ1に上がるために、大事になるポイントは?
藤嶋 チームとしては今年、石丸清隆監督がボールを保持する攻撃的なサッカーを1年間通してやり続けました。チームの土台は構築できていると思います。その上で、来季はより攻撃的なサッカーを見せることができるんじゃないかなと思っています。今年に関しては上位3チームになかなか勝ち切れないシーズンでした。自分たちがそこに立つためには、もっと強い意志とクオリティを持たないといけません。来年に向けて、練習からより一層突き詰めてやっていきたいと思います。僕自身としてはポジションが確約されているわけではないので、誰かと競う部分ももちろん、常に自分自身とも競い合って、自分が何をしないといけないのか自問自答しながら成長していきたいと思っています。
——週末には今シーズンの最終節を迎えます。ファン・サポーターの方に向けて一言メッセージをお願いします。
藤嶋 最終節は古巣山口との対戦なので、絶対に勝ちたいと思っています。絶対に勝つという気持ちを持ってサポーターのみなさんに、最後勝利を届けられるように一生懸命ゴールを守りたいと思っています。本当に今シーズンだけでなく、これから来シーズンに向けてもさらにたくさんの応援を待っていますので、僕自身より一層成長してたくましい姿を見せられるよう全力で頑張ります。今後とも応援よろしくお願いします。
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By 三島大輔
サッカーキング編集部