[写真]=兼子愼一郎、Noriko NAGANO
■浦和レッズ シーズンをとおして厳しい結果に。最後は意地を見せられるか
【プラス材料】
今季の最終戦であり、ここまで13勝7分13敗と五分の成績であること、8位から10位までの可能性がある最終順位は18チームの上半分で終われるかどうか、といったプライドにかかわる要素がある。
それは今季の目標だったACL出場権の獲得が消滅し、大槻毅監督の退任決定といった事象の後に、モチベーションの低下がピッチ上でのプレーに影響しているという批判を集めてきた面に対し、多少なりともプラスの要素になるだろう。
北海道コンサドーレ札幌との前回対戦は勝ち試合には全く見えない防戦一方の内容ながら結果的に勝利している、というのも事実として後押しにはなる。
シーズンをとおして明るい材料に乏しかったチームだけに、せめて最後はホームのサポーターに勝利を届けたい。
【マイナス材料】
直近の4試合は1分3敗で内容も低調。DFトーマス・デンやDF槙野智章ら主力選手に負傷者も出ている状況であり、客観的にピッチ上の勝敗に対するプラス材料は乏しい。
前回対戦でも結果は別にして、噛み合わないシステムにプレスが空振りに終わり、攻撃を受けた後にマイボールを落ち着けての反撃ができず、延々と自陣で耐える時間帯があった。それは前節の川崎フロンターレ戦でも試合の大半を占めており、今季の1年間をかけて選手起用の面からも解決の気配なく終わろうとしている。その要素がこの試合でも顔を出すというのが自然だろう。
また、札幌を率いるミハイロ・ペトロヴィッチ監督は2012年から5年半にわたって浦和レッズを率いていた。マイボールをつなげなくなった今の浦和に対し、その弱点を突こうとしてくることが予想される。
文:totoONE編集部
■北海道コンサドーレ札幌 日程面のアドバンテージを勝利に結びつけたい
【プラス材料】
水曜日の第33節を事前にこなしていたため、今週はミッドウィークに試合がなく、今節に向けて中6日という万全の状態で挑むことができる。相手の浦和レッズが中2日であることを考えると、間違いなく大きなプラス材料と言えるだろう。アウェイゲームではあるが、アドバンテージがある。
また、チームは札幌市内の降雪を避けるべく、現在は千葉県内でキャンプを行っており、この試合に向けては移動負担が軽減されている。第32節の大分トリニータ戦後も千葉県内へと戻っており、移動距離は長くなっていない。
また、DF石川直樹とMF早坂良太という2選手が現役引退を発表しており、この試合が彼らにとってのラストゲーム。「彼らのためにも」という強いモチベーションで試合に挑むと容易に想像がつく。そのため、チームはより一体感にあふれ、勢いに乗ってこの試合を戦うことだろう。
【マイナス材料】
移動距離や移動時間が少なくなり、アウェイゲームに向けての負担は軽減されているが、シーズン3度目となるキャンプはやはり心身ともに疲労も溜まることだろう。年に3度のキャンプを行うことはなかなかあるケースではなく、そうしたイレギュラーな状況にどれだけ適応できるかが問われるかもしれない。
また、今季採用のマンツーマンディフェンスだが、浦和との前回対戦では個での戦いで上回られ、大量失点を喫してしまった。もちろん、戦術的には前回よりも質が高まっていることと思われるが、それでもやはり個の力を持った選手が揃う浦和に対しては、後手を踏む可能性が多いにある。この戦術は1人が突破されると一気にピンチにつながる可能性もあるため、個人能力の高い選手が揃う相手には手を焼きそうだ。
文:totoONE編集部