[写真]=金田慎平
■柏レイソル リーグ戦を良い形で締めくくり、カップ戦決勝へ弾みをつけられるか
【プラス材料】
前節のサンフレッチェ広島戦は雪が降る劣悪なコンディションの中での試合だったが、FWオルンガの得点で1-0で勝ちきって4試合ぶりの勝利を挙げた。ピッチがスリッピーな状態だったため、必ずしも狙いどおりの攻撃を繰り出せたわけではない。それでも守備陣はバランスを崩すことなく広島の攻撃を跳ね返し、2試合連続無失点と守備には安定感が出てきた。
連戦となるためFWクリスティアーノ、DF山下達也、DF北爪健吾には休養を与え、代わりに出場したFW呉屋大翔がアシストを記録。DF鎌田次郎やDF高橋峻希も要所で良い働きを見せた。さらに、ケガで戦列を離れていたMF大谷秀和が広島戦で復帰を果たした。年始のJリーグYBCルヴァンカップ決勝を見据えても、このタイミングでキャプテンが戻ってきたことは大きなプラス材料だ。
【マイナス材料】
中2日というタイトな日程に加え、雪の中で行われた広島戦はピッチが通常よりも重く、選手はフィジカル的に相当な負荷がかかったと推測される。まずは、その疲労が懸念される。
3バックシステムを敷く柏レイソルは、守備の局面では最終ラインが5枚になる。2試合連続無失点、直近5試合で失点「2」という結果はポジティブだが、裏を返せば後方に人数をかけるため、攻撃に切り替わった際に前線の厚みに欠け、ここ4試合での得点はわずか「2」とゴール数が伸びてこない。オルンガやMF江坂任と中心としたカウンターだけではなく、自分たちがボールを保持した時の攻撃にもう少しバリエーションが必要だ。
そして、10月に行われた第21節のヴィッセル神戸戦(4◯3)を最後に2カ月以上ホームでは白星がない。リーグ戦最終節にして今季のホーム最終戦を勝利で飾れるか。
文:鈴木潤
■川崎フロンターレ ゴール&アシストのダブル二桁を達成した三笘に要注目
【プラス材料】
圧倒的な強さを見せたシーズンも、いよいよ最終節となる。
ミッドウィークに行われた前節は浦和レッズに3-1で逆転勝ち。3得点を積み重ねたことで、現在の総得点は「85」に。2006年の川崎フロンターレによるシーズン最多得点記録の更新を達成。試合後の鬼木達監督は「こういう形で選手が記録にチャレンジしてくれたことをうれしく思います。もう1試合あるので、もっともっと良い形で記録を作っていきたい」と語り、チームとしては、この最終節でさらなる上積みを目指す意気込みを口にしている。
個人に関して言えば、MF三笘薫のJ1新人最多得点記録更新にも注目が集まる。浦和戦でゴールを挙げて13得点とし、J1新人最多記録に並んだ。この最終節で得点を決めれば、J1新人最多得点記録の更新となる。アシスト数も「10」と新人ながらダブル二桁を達成しており、最終戦はいつも以上に注目が集まりそうだ。
【マイナス材料】
浦和戦はPKによる失点だったとはいえ、自分たちの不用意なミスからカウンター攻撃を受けて与えてしまったものだった。守備面ではまだまだ修正できる余地がある。今節戦う柏レイソルには、今季のJ1得点王をほぼ手中に収めているFWオルンガがいる。リーグ随一のストライカーを完封することで、自信を取り戻してリーグ戦を終えたいところだ。
中2日で迎える連戦のため、チームとしてはコンディションをどれだけ回復できるかがポイントだろう。メンバーの大幅な入れ替えはないと思うが、前節ベンチスタートとなったMF田中碧はスタメン起用が濃厚か。良い形でリーグ戦を締めくくり、天皇杯へとつなげたい。
文:いしかわごう