「できるだけ多くの試合で先発したい」…54歳になった三浦知良、プロ36年目の抱負をFIFAに語る

　2月26日に54歳の誕生日を迎えた横浜FCのFW三浦知良が、国際サッカー連盟（FIFA）のインタビューに登場した。

　三浦は1967年2月26日生まれの現在53歳。これまでにヴェルディ川崎（現東京ヴェルディ）、京都パープルサンガ（現京都サンガF.C.）、ヴィッセル神戸といったJリーグのクラブだけでなく、サントス、ジェノア、クロアチア・ザグレブ（現ディナモ・ザグレブ）、シドニーFCなど海外のクラブでもプレーした。2020シーズンの明治安田生命J1リーグでは4試合、JリーグYBCルヴァンカップでは2試合に出場した。また、昨年12月19日に行われた明治安田生命J1リーグ第34節、横浜F・マリノスとの“横浜ダービー”でピッチに立ち、自身が持っていたJ1最年長出場記録を53歳9カ月23日に更新していた。

“キング・カズ”は2021シーズンでプロ生活36年目を迎える。FIFAのインタビューでまず、「横浜FCとの契約延長は簡単な決断だったのでしょうか、それとも時間をかけて検討した結果だったのでしょうか？」と聞かれた三浦は、「横浜FCからオファーを受けたとき、自分がプレーしたいと思っていたので、決断するのに時間はかかりませんでした。ただ、若い選手と一緒にトレーニングをすることになるので、生半可な気持ちではなく、自分の心と体と相談しながら決断しました」と回答。また、次のようにも語り、ピッチ上で新契約に報いたいとの意気込みを示した。

「18歳でブラジルで初めてプロ契約を結んだときは、まさかこの年齢までプレーするとは想像もしていませんでした。それができたのは、毎年のようにサッカーに全力を注いできたからです」

「私はチームに契約の話をする立場ではないので、チームが私を必要としていなければ契約はできません。私が契約のオファーを受けたということは、チームが私に貢献できるものがあると判断したということです。チームの勝利のために全力を尽くしたいと思っています。（今季の目標としては）できるだけ多くの試合で先発出場したいです。10位以内に入るという目標に向かって、チームのために全力を尽くしたいと思います」

　三浦は、新型コロナウイルスの感染拡大がサッカーに与えた影響にも言及。次のように語り、有観客で試合開催を行っているJリーグの対策を称賛した。

「新型コロナウイルスの感染が広がり始め、日本で非常事態宣言が出された時は、今後の日本はどうなっていくのかと不安になりました。日常生活やサッカー選手としての仕事がどうなるのかと。しかし、多くの方々のご尽力のおかげでJリーグが再開され、感染対策や試合運営など、いつもとは違ったスタジアムの景色でしたが、ピッチ上では特に影響はなく、いつも通りに試合をすることができ、とても満足しています」

「今回のパンデミックで、スポーツの価値や、観客がいてこそ試合が成り立つということを再認識させられました。海外リーグが未だに観客なしで試合をしている中で、日本は半分の観客で試合をすることができました。これは日本人の規律と真面目さを示していると思います」

　三浦は続けて、横浜FCの選手たちとの関係性について質問され、「父と息子のように、他の選手たちとは年齢差が大きいので、彼らが僕をどう見ているのか聞いてみたいと思います。他の選手よりも長くプレーしているので、ピッチに立った時には、サッカーへの情熱やピッチ上での立ち振る舞いなどを伝えられると感じています」とコメント。さらに、現役引退のタイミングや引退後の役職にも言及した。

「今の段階ではコーチになることは考えていませんが、サッカーから離れることも考えていません。何らかの形でサッカーに関わることになると思います。いつまでプレーするかは分かりません。明日かもしれないし、2年後、3年後かもしれません」

　三浦は最後に、世界中のサッカーファンへのメッセージを送った。

「新型コロナウイルスのパンデミックの影響で、世界中でまだ非常に厳しい状況が続いています。しかし、それにもかかわらず、私たちは多くの人々の努力のおかげでサッカーをすることができています。これは大きな恵みです。みんなで力を合わせればこの危機を乗り越えることができると思いますし、サポーターの皆さんがスタジアムに足を運んでくれる日が必ず来ると信じています。その日まで、選手たちは頑張り続けます。いつか一緒にお祝いできる日が来ると信じています。体に気をつけて、幸せな人生を送ってください」